○ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第37条の9の5 《平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例》 関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

【新設】
(土地区画整理事業等の施行地区内の他の土地等の事業用の判定)

37の9の5−13 土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理、大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業、土地改良法による土地改良事業、独立行政法人森林総合研究所法附則第9条第1項に規定する業務のうち独立行政法人緑資源機構法を廃止する法律による廃止前の独立行政法人緑資源機構法第11条第1項第7号イ《業務の範囲》の事業又は独立行政法人森林総合研究所法附則第11条第1項に規定する業務のうち森林開発公団法の一部を改正する法律附則第8条の規定による廃止前の農用地整備公団法第19条第1項第1号イ《業務の範囲》の事業の施行地区内にある他の土地等が事業の用に供されているかどうかの判定については、37−21の2の取扱いを準用する。

≪説明≫

 「平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例」は、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う個人が、事業(事業と称するに至らない不動産の貸付けその他これに類する行為で相当の対価を得て継続的に行うものを含む。)の用に供されている他の土地等を譲渡した場合に適用があることとなる。
 ところで、土地区画整理法による土地区画整理事業においては、当該事業の施行者は、換地処分を行う前に土地の区画形質の変更又は公共施設の新設若しくは変更に係る工事のため必要がある場合又は換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合には、土地区画整理事業の施行地区内の宅地について仮換地を指定することができるものとされている(土地区画整理法981)。そして、この仮換地の指定があった場合には、1従前の宅地について権原に基づき使用収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分の公告がある日までの期間については、従前の宅地について使用収益することができないものとされ、2仮換地の指定の効力発生の日(仮換地に使用収益の障害となる物件が存する場合その他特別の事情があるため、施行者が仮換地の指定の効力発生の日とは別に、仮換地について使用収益を開始することができる日を定めた場合には、その日)から、換地処分の公告がある日までの期間については、仮換地について、従前の宅地について有する使用収益と同じ使用収益ができるものとされている(土地区画整理法991)。
 すなわち、土地区画整理事業の施行地区内の宅地について仮換地の指定があった場合には、仮換地の指定の効力発生の日以後は、従前の宅地について有する使用収益権能は停止され、この使用収益権能は仮換地上に移行し、従前の宅地については処分権能のみが残存することとなる。
 したがって、事業の用に供されていた土地について仮換地の指定が行われると、土地所有者は従前宅地の使用収益が停止されるため、従前の宅地は、何らの用途にも供されていない状態におかれることになり、この従前の宅地を譲渡した場合(注)には、「平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例」の適用上、その従前の宅地を事業の用に供している他の土地等とみることができるかという問題が生じる。

(注) 一般に仮換地の譲渡といわれるものは、法律的には従前地の譲渡である。従前の宅地を譲渡することにより、その譲渡者が仮換地上に有していた使用収益権能は、譲受者に自動的に移転することになる。

 このような問題は、「特定の事業用資産の買換えの特例」と同様であることから、本通達において、37−21の2《土地区画整理事業等の施行地区内の土地等の事業用の判定》の取扱いを本特例においても準用し、一定の要件を満たす場合には事業の用に供している資産に該当することを明らかにしたものである。
 また、土地区画整理事業の施行地区内の土地と同様の事情が生ずる新都市基盤整備法による土地整理などの場合についても、同様の取扱いをすることとしている。

<参考>租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて(抜粋)

(土地区画整理事業等の施行地区内の土地等の事業用の判定)

37−21の2 土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理、大都市地域住宅等供給促進法による住宅街区整備事業、土地改良法による土地改良事業、独立行政法人森林総合研究所法附則第9条第1項に規定する業務のうち独立行政法人緑資源機構法を廃止する法律による廃止前の独立行政法人緑資源機構法第11条第1項第7号イ《業務の範囲》の事業又は独立行政法人森林総合研究所法附則第11条第1項に規定する業務のうち森林開発公団法の一部を改正する法律附則第8条の規定による廃止前の農用地整備公団法第19条第1項第1号イ《業務の範囲》の事業の施行地区内にある従前の宅地又は従前の土地(当該宅地又は土地の上に存する権利を含むものとし、以下この項及び次項において「従前の宅地等」という。)を譲渡した場合(換地処分により譲渡した場合を除く。)において、次のいずれかに該当するときは、当該従前の宅地等は、措置法第37条又は第37条の4に規定する事業の用に供している資産に該当するものとして、これらの規定を適用することができることに取り扱う。

(1) 従前の宅地等の所有者が、仮換地又は一時利用地(以下この項及び次項において「仮換地等」という。)を当該事業の用に供している場合

(2) (1)に掲げる場合のほか、当該事業の用に供していた従前の宅地等を、当該事業の用に供さなくなった日から1年以内に仮換地の指定があった場合(仮換地の指定後において当該事業の用に供さなくなった場合を含む。)において、当該事業の用に供さなくなった日から当該仮換地の指定の効力発生の日(当該効力発生の日と別に当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日が定められている場合には、その日)以後1年以内又は一時利用地の指定の通知に係る使用開始の日以後1年以内に当該従前の宅地等を譲渡したとき(仮換地等を当該事業の用以外の用に供する建物又は堅固な構築物の敷地の用に供している場合を除く。)