○ 「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第37条の9の5 《平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例》 関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

【新設】
(事業用土地等の「譲渡」の意義)

37の9の5−9 事業用土地等(措置法第37条の9の5第1項に規定する事業用土地等をいう。以下37の9の5−24までにおいて同じ。)の同項に規定する譲渡とは、同項及び措置法令第25条の7の5第5項の規定により、利益金額(同項に規定する利益金額をいう。以下37の9の5−22までにおいて同じ。)が生じる場合の譲渡(同一年中に2以上の譲渡が行われた場合には、それぞれの譲渡。以下37の9の5−24までにおいて「譲渡」という。)をいうことに留意する。

≪説明≫

 「平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の課税の特例」は、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う個人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に、国内にある土地等(棚卸資産等を除く。)の取得をし、かつ、その取得をした日の属する年の翌年3月15日までにその取得をした土地等につきこの特例の適用に係るものである旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合において、その取得をした日の属する年の12月31日後10年以内に、その個人の所有する他の事業用の土地等(以下、この項において「事業用土地等」という。)の譲渡をしたときは、その事業用土地等に係る利益金額から繰延利益金額を控除した金額に相当する金額をその事業用土地等の譲渡による譲渡所得の金額とする、いわゆる「課税の繰延べ」を認める制度である。
 このように、事業用土地等の譲渡による譲渡所得の金額の計算に当たっては、その事業用土地等に係る利益金額の計算が必要となるところ、措置法第37条の9の5第1項において、事業用土地等に係る利益金額とは、「当該事業用土地等の当該譲渡による収入金額から当該事業用土地等の取得価額(当該譲渡に要した費用の額がある場合には、当該費用の額を加算した金額)を控除した残額」をいうと規定されている。さらに、措置法令第25条の7の5第5項において、同項に規定する事業用土地等の同項に規定する譲渡は、事業用土地等に係る利益金額がある場合の譲渡に限るとされている。
 このことから、事業用土地等に係る利益金額の計算の前提となる事業用土地等の「譲渡」とは、利益金額がある場合の譲渡に限ることとされ、譲渡損失が生じる譲渡については、この特例の対象とはならないこととなる。
 本通達は、このことについて留意的に明らかにするとともに、同一年中に2以上の事業用土地等の「譲渡」が行われた場合には、それぞれの譲渡ごとに利益金額がある「譲渡」であるかどうかを判定することを併せて明らかにしている。