「『租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて』等の一部改正について(法令解釈通達)」の趣旨説明(情報)

○ 「租税特別措置法(株式等に係る譲渡所得等関係)の取扱いについて」の一部改正について

措置法第37条の10《株式等に係る譲渡所得等の課税の特例》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

37の10−1 株式等に係る譲渡所得等の総収入金額の収入すべき時期は、次の区分ごとにそれぞれに掲げるところによる。

(1) 次の(2)から(7)以外の場合

株式等の引渡しがあった日による。ただし、納税者の選択により、当該株式等の譲渡に関する契約の効力発生の日により総収入金額に算入して申告があったときは、これを認める。

(2) 証券取引法(昭和23年法律第25号)第156条の24第1項《免許の申請》の規定による信用取引又は発行日取引(以下37の10−6までにおいて「信用取引等」という。)の方法による場合
 当該信用取引等の決済の日による。

(3) そ の有する株式(以下この項において「旧株」という。)につき、その旧株を発行した法人の行った株式交換による所得税法第57条の4第1項に規定する株式交 換完全親法人に対する当該旧株の譲渡(同項の規定により当該旧株の譲渡がなかったものとみなされる場合を除く。)については、その契約において定めたその 効力を生ずる日による。

(4) 旧株につき、その旧株を発行した法人の行った株式移転による同条第2項に規定する株式移転完全親法人に対する当該旧株の譲渡(同項の規定により当該旧株の譲渡がなかったものとみなされる場合を除く。)については、当該株式移転完全親法人の設立登記の日による。

(5) 同条第3項各号に掲げる有価証券を当該各号に定める事由により譲渡した場合(同項の規定により当該有価証券の譲渡がなかったものとみなされる場合を除く。)

イ 取得請求権付株式に係る請求権の行使による当該取得請求権付株式の譲渡については、当該請求権の行使をした日による。

ロ 取 得条項付株式(取得条項付新株予約権及び取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債を含む。以下この項において同じ。)に係る取得事由の発生による 当該取得条項付株式の譲渡については、当該取得事由が生じた日(当該取得条項付株式を発行する法人が当該取得事由の発生により当該取得条項付株式の一部を 取得することとするときは、当該取得事由が生じた日と取得の対象となった株主等への当該株式を取得する旨の通知又は公告の日から2週間を経過した日のいず れか遅い日)による。

ハ 全部取得条項付種類株式に係る取得決議による当該全部取得条項付種類株式の譲渡については、当該取得決議において定めた会社が全部取得条項付種類株式を取得する日による。

ニ 新株予約権付社債に付された新株予約権の行使による当該新株予約権付社債の譲渡については、当該新株予約権を行使した日による。

(6) 措置法第37条の10第3項各号に規定する事由に基づき収入金額とみなされる場合

イ 同項第1号に掲げる合併によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日(新設合併の場合は、新設合併設立会社の設立登記の日)による。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日による。

ロ 同項第2号に掲げる分割によるものについては、その契約において定めたその効力を生ずる日(新設分割の場合は、新設分割設立会社の設立登記の日)による。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日による。

ハ 同項第3号に掲げる資本の払戻しによるものについては、その払戻しに係る剰余金の配当がその効力を生ずる日による。

ニ 同項第3号に掲げる解散による残余財産の分配によるものについては、その分配開始の日による。ただし、その分配が数回に分割して行われる場合には、それぞれの分配開始の日による。

ホ 同項第4号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その法人の取得の日による。

ヘ 同項第5号に掲げる出資の消却、出資の払戻し、社員その他の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は株式若しくは出資を法人が取得することなく消滅させるものについては、これらの事実があった日による。

ト 同項第6号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更計画において定めたその効力を生ずる日による。ただし、その効力を生ずる日前に金銭等が交付される場合には、その交付の日による。

(7) 措置法第37条の10第4項に規定する株式等証券投資信託等の終了又は一部の解約により支払われる金額で同項の規定により収入金額とみなされる場合
その終了又は一部の解約の日による。

≪説明≫

 措置法第37条の10に規定する申告分離課税の対象となる株式等に係る譲渡所得等は、株式等の譲渡及び信用取引又は発行日取引のほか、会社の合併等に伴 うみなし譲渡及び株式等証券投資信託等の終了又は一部の解約に伴うみなし譲渡がその対象とされていたが、平成18年度税制改正により、新たに法人の組織変 更等に伴うみなし譲渡がその対象とされるとともに、従来、措置法で規定されていた株式交換・株式移転に係る課税の特例制度が廃止され、新たに所得税法(所 法57の4)において株式交換、株式移転及び取得請求権付株式等に係る譲渡所得等の特例が創設された。
 上記の税制改正等を踏まえ、株式等に係る譲渡所得等の収入すべき時期を定めている本項において、以下の改正を行ったものである。

1 株式交換

 会社法において、株式交換とは、ある会社がその発行済株式の全部を他の会社に取得させることをいい、株式交換完全 親会社は、その対価として、株式交換完全親会社の株式、社債、新株予約権等を株式交換完全子会社の株主に対して交付することができるとされている。した がって、株式交換が行われその対価を受ける場合には、原則として、株式交換完全子会社の株式の譲渡につき株式等に係る譲渡所得等の課税が行われることとな る。
この場合において、株式交換完全親会社は、株式交換の効力発生日に株式交換完全子会社の株式の全部を取得するとされていることから、その有する株式(旧 株)につき、その旧株を発行した法人の行った株式交換による当該旧株に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、株式交換契約において定めたその効力を生ずる日 としている。
 なお、居住者が旧株について、その旧株を発行した法人の行った株式交換(その法人の株主に株式交換完全親法人の株式以外の資産が交付されなかったものに 限る。)により株式交換完全親法人に対して当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式交換完全親法人の株式の交付を受けた場合には当該旧株の譲渡はなかったもの とみなされる(所法57の41)。

(参考)

  会社法において、「株式交換」とは、株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう(会社法2三十一)。また、株式会 社が株式交換をする場合には株式交換契約において「株式交換がその効力を生ずる日(効力発生日)」を定めなければならないとされ(会社法7681六)、株式交換完全親株式会社は、効力発生日に、株式交換完全子会社の株式の全部を取得するとされている(会社法7691)。

2 株式移転

 会社法において、株式移転とは、ある会社又は複数の会社がその発行済株式の全部を新設する会社に取得させることを いい、株式移転設立完全親会社は、その対価として、株式移転設立完全親会社の株式、社債、新株予約権等を株式移転完全子会社の株主に交付することができる とされている。したがって、株式移転が行われその対価を受ける場合には、原則として、株式移転完全子会社の株式の譲渡につき株式等に係る譲渡所得等の課税 が行われることとなる。
 この場合において、株式移転設立完全親会社は、その成立の日に株式移転完全子会社の株式の全部を取得するとされていることから、その有する株式(旧株) につき、その旧株を発行した法人の行った株式移転による当該旧株に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、株式移転完全親法人の設立登記の日としている。
 なお、居住者が旧株について、その旧株を発行した法人の行った株式移転(その法人の株主に株式移転完全親法人の株式以外の資産が交付されなかったものに 限る。)により株式移転完全親法人に対して当該旧株の譲渡をし、かつ、当該株式移転完全親法人の株式の交付を受けた場合には当該旧株の譲渡はなかったもの とみなされる(所法57の42)。

(参考)

  会社法において、「株式移転」とは、一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう(会社法2三十二)。 また、株式移転設立完全親株式会社は、その成立の日に、株式移転完全子会社の株式の全部を取得するとされ(会社法7741)、株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立するとされている(会社法49)。

3 取得請求権付株式

 会社法において、取得請求権付株式とは、会社に対して株主がその有する株式の取得を請求することができる内容の株 式をいい、会社は、その取得の対価として、会社の株式、社債、新株予約権等を取得請求権付株式の株主に交付することができるとされている。したがって、取 得請求権付株式に係る請求権を行使しその対価を受ける場合には、原則として、当該請求権の行使による当該取得請求権付株式の譲渡につき株式等に係る譲渡所 得等の課税が行われることとなる。
 この場合において、会社は、取得請求権付株式の請求の日に当該請求に係る取得請求権付株式を取得するとされていることから、当該取得請求権付株式に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、当該請求権の行使をした日としている。
 なお、取得請求権付株式について、当該取得請求権付株式に係る請求権の行使によりその取得の対価として当該取得をする法人の株式のみが交付される場合には、原則として、当該請求権の行使による当該取得請求権付株式の譲渡はなかったものとみなされる(所法57の43一)。

(参考)

  会社法において、「取得請求権付株式」とは、株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求する ことができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいい(会社法2十八)、株式会社は、取得請求権付株式の請求の日に当該請求に係る取得請求権付株 式を取得するとされている(会社法1671)。

4 取得条項付株式

 会社法において、取得条項付株式とは、会社が株主の同意なしに、一定の事由が生じたことを条件として株主の有する 株式を取得することができる内容の株式をいい、会社は、その取得の対価として、会社の株式、社債、新株予約権等を取得条項付株式の株主に交付することがで きるとされている。したがって、取得条項付株式について、当該取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその対価を受ける場合には、原則として、当該取得 事由の発生による当該取得条項付株式の譲渡につき株式等に係る譲渡所得等の課税が行われることとなる。
 この場合において、会社は、取得条項付株式に係る取得事由が生じた日(当該取得条項付株式を発行する法人が当該取得事由の発生により当該取得条項付株式 の一部を取得することとするときは、当該取得事由が生じた日と取得の対象となった株主等への当該株式を取得する旨の通知又は公告の日から2週間を経過した 日のいずれか遅い日)に、取得条項付株式を取得するとされていることから、当該取得条項付株式(取得条項付新株予約権及び取得条項付新株予約権が付された 新株予約権付社債を含む。)に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、当該取得事由が生じた日(当該取得条項付株式を発行する法人が当該取得事由の発生により 当該取得条項付株式の一部を取得することとするときは、当該取得事由が生じた日と取得の対象となった株主等への当該株式を取得する旨の通知又は公告の日か ら2週間を経過した日のいずれか遅い日)としている。
 なお、取得条項付株式(取得条項付新株予約権及び取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債を含む。)について、当該取得条項付株式に係る取得事 由の発生によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式のみが交付される場合(取得条項付株式につきその取得の対象となっ た種類の株式のすべてが取得される場合には、その取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合 を含む。)には、原則として、当該取得事由の発生による当該取得条項付株式の譲渡はなかったものとみなされる(所法57の43二、五、六)。

(参考)

  会社法において、「取得条項付株式」とは、株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該 株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいい(会社法2十九)、株式会社は、取得条項付株式に係る取得事由が生じた日(当 該取得条項付株式を発行する法人が当該取得事由の発生により当該取得条項付株式の一部を取得することとするときは、当該取得事由が生じた日と取得の対象と なった株主等への当該株式を取得する旨の通知又は公告の日から2週間を経過した日のいずれか遅い日)に、取得条項付株式を取得するとされている(会社法 1701)。

5 全部取得条項付種類株式

 会社法において、全部取得条項付種類株式とは、2以上の種類の株式を発行する会社における、そのうちの1つの種類 の株式の全部を株主総会の特別決議によって取得することができる旨の定款の定めがある種類の株式をいい、会社は、その取得の対価として、会社の株式、社 債、新株予約権等を全部取得条項付種類株式の株主に交付することができるとされている。したがって、全部取得条項付種類株式について、当該全部取得条項付 種類株式に係る取得決議によりその対価を受ける場合には、原則として、当該取得決議による当該全部取得条項付種類株式の譲渡につき株式等に係る譲渡所得等 の課税が行われることとなる。
 この場合において、会社は、株主総会の決議によって全部取得条項付種類株式を取得する日(取得日)を定めなければならないとされ、会社は、その取得日に 全部取得条項付種類株式の全部を取得するとされていることから、全部取得条項付種類株式に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、当該取得決議において定めた 会社が全部取得条項付種類株式を取得する日としている。
 なお、全部取得条項付種類株式について、当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議によりその取得の対価として当該取得をされる株主等に当該取得をする 法人の株式のみが交付される場合又は当該取得をする法人の株式及び新株予約権のみが交付される場合には、原則として、当該取得決議による当該全部取得条項 付種類株式の譲渡はなかったものとみなされる(所法57の43三)。

(参考)

 会社法において、「全部取得条項付種類株式」とは、ある種類の株式について、株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得することができる旨の定めがある種類の株式をいい(会社法1081七、1711)、 全部取得条項付種類株式を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができ、この場合において は、当該株主総会の決議によって「株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(取得日)」を定めなければならないとされ(会社法1711三)、株式会社は、取得日に全部取得条項付種類株式の全部を取得するとされている(会社法1731)。

6 新株予約権付社債に付された新株予約権

 新株予約権付社債に付された新株予約権の行使の際、いわゆる代用払込みを行うものについては、会社法上、その社債 部分を現物出資(すなわち譲渡)するものと整理された。この場合の新株予約権付社債についての社債の譲渡についてはその社債の譲渡はなかったものとみなさ れることとなるが、交付を受けた株式の価額と社債の価額がおおむね同額でない場合には、株式等に係る譲渡所得等の課税が行われることとなる(所法57の43四)。
  この場合において、新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に当該新株予約権の目的である株式の株主となるとされていることから、当該新株予約権付社債についての社債に係る譲渡所得等の収入すべき時期は、当該新株予約権を行使した日としている。

(参考)

  会社法において、「新株予約権」とは、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいい(会社法2二十一)、 新株予約権を行使した新株予約権者は、当該新株予約権を行使した日に当該新株予約権の目的である株式の株主となるとされている(会社法282)。

7 法人の合併等

 措置法第37条の10第3項各号に規定する事由に基づき株式等に係る譲渡所得等の収入金額とみなされる金額の収入すべき時期については、それぞれ次に掲げる日によることとし、配当所得の収入金額の収入すべき時期(所基通36-4)との整合性から、同様の定めとしている。

(1) 同項第1号に掲げる合併によるものについては、その合併契約においてその効力を生ずる日を定めた場合にはその 効力を生ずる日とし、新設合併の場合には、新設合併設立会社の成立の日(設立登記の日)としている。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、 その交付の日としている。

(参考1)

  会社法において、「吸収合併」とは、会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものを いい(会社法2二十七)、「新設合併」とは、二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継さ せるものをいう(会社法2二十八)。

(参考2)

 会社法において、会社が吸収合併をする場合、吸収合併後に存続する会社が株式会社又は持分会社(※)であるときは、吸収合併契約において「吸収合併がその効力を生ずる日(効力発生日)」を定めなければならないとされており(会社法7491六、7511七)、吸収合併存続会社は、効力発生日に、吸収合併消滅会社の権利義務を承継するとされている(会社法7501、7521)。
※ 合名会社、合資会社又は合同会社を「持分会社」と総称する(会社法5751)。
また、二以上の会社が新設合併をする場合、新設合併により設立する会社が株式会社又は持分会社であるときは、当該新設合併設立会社は、その成立の日に、新設合併消滅会社の権利義務を承継するとされている(会社法7541、7561)。

(2) 同項第2号に掲げる分割によるものについては、その分割契約においてその効力を生ずる日を定めた場合にはその 効力を生ずる日とし、新設分割の場合は、新設分割設立会社の成立の日(設立登記の日)としている。ただし、これらの日前に金銭等が交付される場合には、そ の交付の日としている。

(参考1)

  会社法において、「吸収分割」とは、株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいい(会社 法2二十九)、「新設分割」とは、一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継さ せることをいう(会社法2三十)。

(参考2)

  会社法において、会社が吸収分割をする場合、吸収分割により一の会社(株式会社又は合同会社に限る。)が事業に関して有する権利義務の全部又は一部を承継 する会社が株式会社又は持分会社であるときは、吸収分割契約において「吸収分割がその効力を生ずる日(効力発生日)」を定めなければならないとされ(会社 法758七、760六)、吸収分割承継会社は、効力発生日に、吸収分割会社の権利義務を承継するとされている(会社法7591、7611)。
また、一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合、新設分割により設立する会社が株式会社又は持分会社であるときは、当該新設分割設立会社は、その成立の日に、新設分割会社の権利義務を承継するとされている(会社法7641、7661)。

(3) 同項第3号に掲げる資本の払戻しによるものについては、その払戻しに係る剰余金の配当がその効力を生ずる日としている。

(参考)

 会社法において、株式会社は、剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって「剰余金の配当がその効力を生ずる日」を定めなければならないとされている(会社法4541三)。

(4) 同項第4号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その法人の取得の日としている。

(参考)

 会社法において、株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、取得する株式の数、交付する金銭等の内容・総額及び株式を取得することができる期間を定めなければならないとされている(会社法1561)。

(5) 同項第6号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更計画におけるその効力を生ずる日としている。ただし、効力を生ずる日前に金銭等(組織変更後の株式会社の株式又は持分会社の持分を除く。)が交付される場合には、その交付の日としている。

(参考1)

 会社法において、「組織変更」とは、株式会社から持分会社への変更又は持分会社から株式会社への変更をいう(会社法二十六)。

(参考2)

 会社法において、株式会社(又は持分会社)が組織変更をする場合には、当該株式会社(又は当該持分会社)は、組織変更計画において、「組織変更がその効力を生ずる日」を定めなければならないとされ(会社法7441九、746九)、組織変更をする株式会社(又は持分会社)は、効力発生日に、持分会社(又は株式会社)となる(会社法7451、7471)。