『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)

措置法第32条《短期譲渡所得の課税の特例》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

32−9 分離短期譲渡所得の基因となる資産のなかに軽減税率対象土地等とその他の土地建物等(有価証券を含む。以下32−10までにおいて同じ。)とがある場合における31・32共−2又は31・32共−3の適用については、次によるものとする。

(1) 31・32共−2において、分離短期譲渡所得に係る譲渡損益を計算する場合には、分離短期譲渡所得の基因となる資産を軽減税率対象土地等とその他の土地建物等に区分し、これらの資産ごとに、それぞれ総収入金額から当該資産の取得費及び譲渡費用の合計額を控除して譲渡損益を計算する。この場合において、その区分ごとに計算した金額のいずれかに損失が生じたときは、当該損失の金額は他の譲渡益から控除する

(2) 31・32共−2の(2)により、分離長期譲渡所得の損失の金額を分離短期譲渡所得の譲渡益から控除する場合には、まず、軽減税率対象土地等以外の部分に係る分離短期譲渡所得の譲渡益から控除する。

(3) 31・32共−3において、同一の特別控除額の対象となる資産の分離短期譲渡所得の譲渡益のなかに、軽減税率対象土地等に係るものとその他の土地建物等に係るものとがある場合には、当該譲渡益は、まず、軽減税率対象土地等に係るものから成るものとする。

《説明》

1 この取扱いは、「31・32共―2(譲渡所得の金額の計算)」及び「31・32共―3(特別控除額の異なる資産の譲渡がある場合の譲渡所得の構成)」の取扱いの細目として、その年に譲渡された分離短期譲渡所得の基因となる資産のなかに、軽減税率対象土地等(措法323)とそれ以外の土地建物等がある場合のそれぞれの資産にかかる譲渡益の計算方法を、納税者有利に適用税率の低い譲渡益が残るように定めているものである。

2 ところで、平成16年度税制改正により、土地建物等の譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、原則として、土地建物等の譲渡所得以外の所得との損益通算及び翌年以後3年間の純損失の繰越控除を認めないこととされ(措法31,32)、例外として、居住用財産の譲渡損失の金額及び特定居住用財産の譲渡損失の金額のみを損益通算及び繰越控除が可能な譲渡損失として定めることとされた。
 また、総合譲渡所得など土地建物等の譲渡所得以外の所得の金額の計算上生じた損失の金額についても、土地建物等の譲渡所得の金額との損益通算を認めないこととされた。

3 これにより、総合譲渡所得の損失の金額を分離短期譲渡所得の譲渡益から控除する場合の取扱いは不要となったことから、その内容の整理を行ったものである。


『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)