『「租税特別措置法(山林所得・譲渡所得関係)の取扱いについて」等の一部改正について(法令解釈通達)』の趣旨説明(情報)

措置法第31条《長期譲渡所得の課税の特例》関係

※ アンダーラインを付した部分が改正関係部分である。

31−1 分離長期譲渡所得の基因となる資産のなかに優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等(措置法第31条の2第2項に規定する優良住宅地等のための譲渡又は同条第3項に規定する確定優良住宅地等予定地のための譲渡に係る土地等をいう。以下31−2において同じ。)と居住用財産(措置法第31条の3第1項《居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》の規定の適用を受ける居住用財産をいう。以下31−2において同じ。)とその他の土地建物等とがある場合における31・32共−2又は31・32共−3の適用については、次によるものとする。ただし、納税者がこの取扱いと異なる計算をして申告したときは、その計算を認める。

(1) 31・32共−2において、分離長期譲渡所得に係る譲渡損益を計算する場合には、分離長期譲渡所得の基因となる資産を優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等又は居住用財産とその他の土地建物等とに区分して譲渡損益を計算し、その区分ごとに計算した金額のいずれかに損失が生じたときは、当該損失の金額は、次により他の譲渡益から控除する。

イ 当該損失の金額が優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等又は居住用財産につき生じたものであるときは、まず、その他の土地建物等に係る譲渡益から控除する。

ロ イによる控除をしてもなお控除しきれない損失の金額があるとき又は当該損失の金額がその他の土地建物等につき生じたものであるときは、優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等に係る譲渡益又は居住用財産に係る譲渡益から順次控除する。

(2) 31・32共−2の(1)により、分離短期譲渡所得の損失の金額を分離長期譲渡所得の譲渡益から控除する場合には、その他の土地建物等に係る譲渡益、優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等に係る譲渡益又は居住用財産に係る譲渡益から順次控除する。

(3) 31・32共−3において、同一の特別控除額の対象となる資産の分離長期譲渡所得の譲渡益のなかに、居住用財産に係るものとその他の土地建物等に係るものとがある場合には、当該譲渡益は、居住用財産に係るもの、その他の土地建物等に係るものから順次成るものとする。
(注) 優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等について特別控除等の規定の適用を受けるときは、措置法第31条の2の規定は適用できないことに留意する。

《説明》

1 従来の取扱いは、「31・32共―2(譲渡所得の金額の計算)」及び「31・32共―3(特別控除額の異なる資産の譲渡がある場合の譲渡所得の構成)」の取扱いの細目として、その年に譲渡された分離長期譲渡所得の基因となる資産のなかに、1優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等、2所有期間10年超の居住用財産である土地建物等、3その他の土地建物等がある場合のそれぞれの資産にかかる譲渡益の計算方法を、納税者有利に適用税率の低い譲渡益が残るように定めていたものである。

2 ところで、平成16年度税制改正において、優良住宅地等の造成等のために譲渡した土地等について特別控除等の特例の適用を受けるときは、優良住宅地の造成等のために譲渡した場合の軽減税率の特例の適用を受けることはできないこととされた(措法31の24)。

3 これにより、例えば、収用等の場合の5,000万円控除の特例(措法33の4)の適用を受ける譲渡について、優良住宅地の造成等のために譲渡した場合の軽減税率の特例を適用する余地はないこととなるから、特別控除後の譲渡益として優良住宅地の造成等のために譲渡した土地等の区分を考慮する必要はなく、居住用財産に係る部分とその他の土地建物等に係る部分の2区分による取扱いに整理したものである。
 なお、注書きにおいては、上記2の改正内容を、念のため、留意的に明らかにしている。


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