課資3-14
課個2-31
課審5-17
平成14年12月25日

国税局 課税(第一)部長 殿
沖縄国税事務所 次長 殿

国税庁 課税部 資産課税課長

 標題のことについては、中小企業庁から別紙2のとおり照会があり、これに対して別紙1のとおり回答したので通知する。 


別紙1

課資3-13
課個2-30
課審5-16
平成14年12月25日

中小企業庁 事業環境部長
齋藤 浩 殿

国税庁 課税部長
村上 喜堂

 標題のことについては、貴見のとおりで差し支えありません。 


別紙2

経済産業省

平成14・12・18中庁第1号
平成14年12月19日

国税庁 課税部長  村上 喜堂 殿

中小企業庁 事業環境部長 齋藤 浩

 標記について、下記1のとおり解して差し支えないか、貴見を伺いたく照会申し上げます。
 また、本特例措置に関して税務署に納税者等から相談があった場合は、下記2の対応が採られるものと承知していますが、念のため照会申し上げます。

 (趣旨)
 保証債務の求償権の行使不能における所得計算の特例規定(所得税法第64条第2項)は、保証債務を履行するために行われた個人保有資産の譲渡に係る所得について、求償権の行使が不能となった場合には、実質的な担税力が喪失することを勘案して設けられているものである。したがって、法人の経営が行き詰まったため、法人の代表者等が、その法人の債務に係る保証債務を履行した場合で、求償権を行使することができなくなるケースにも適用されることが想定される。
 しかしながら、本特例が適用できるかどうかの判定については、法人が解散しない限り適用できないのではないかという認識が実務界にあることから、実態として当該規定の適用を見送る例があると承知しているところである。
 昨今の企業倒産件数の増加等も踏まえ、当該規定の趣旨を十分実効あるものとするためには、代表者等が求償権を放棄することにより、法人の再建を目指す場合や、廃業に向かいつつもまだ法人が解散に至らない場合にも、本規定の適用があり得ることを明確にするとともに、その周知を図るために照会するものである。

1 求償権行使の能否判定の考え方

 主たる債務者である法人の代表者等が、その法人の債務に係る保証債務を履行した場合において、所得税法第64条第2項におけるその代表者等の求償権行使の能否判定等は、次による。

1 求償権行使の能否判定は、他のケースと同様、所得税法基本通達51-11に準じて判定する(所得税法基本通達64-1)。このうち、同通達51-11(4)については、その法人がその求償権の放棄後も存続し、経営を継続している場合でも、次のすべての状況に該当すると認められるときは、その求償権は行使不能と判定される。

1 その代表者等の求償権は、代表者等と金融機関等他の債権者との関係からみて、他の債権者の有する債権と同列に扱うことが困難である等の事情により、放棄せざるを得ない状況にあったと認められること。
 これは、法人の代表者等としての立場にかんがみれば、代表者等は、他の債権者との関係で求償権の放棄を求められることとなるが、法人を存続させるためにこれに応じるのは、経済的合理性を有する、との考え方に基づくものである。

2 その法人は、求償権を放棄(債務免除)することによっても、なお債務超過の状況にあること。
 これは、求償権の行使ができないと認められる場合の判定に際しての考え方である。
 なお、その求償権放棄の後において、売上高の増加、債務額の減少等があった場合でも、この判定には影響しないことになる。

2 その法人が債務超過かどうかの判定に当たっては、土地等及び上場株式等の評価は時価ベースにより行う。
 なお、この債務超過には、短期間で相当の債務を負ったような場合も含まれる。

2 特例の適用に関する相談等の対応

 保証債務の特例に関して相談があった税務署においては、仮に確定申告時点において求償権行使不能と判定されない場合であっても、その後、求償権が行使不能な状態に陥ったときには、所得税法第152条による更正の請求ができるのであるから、その旨及びその手続等について説明する。
 また、納付困難との申し出があった場合には、納付についての相談に応じる。