(問81)

通算法人が外国税額の控除の規定の適用を受ける事業年度後の事業年度において、外国税額の控除限度額の計算の基礎となる一定の金額が当初申告額と異なることとなった場合には、他の通算法人に対して通知義務があるとのことですが、その通知はどのように行うこととなりますか。

【回答】

ご質問の通知義務については、法令上、通知すべき事項は定められていますが、その通知の方法及び様式等は特段定められていません。したがって、通算法人と他の通算法人との間で任意の方法により通知を行うことになります。
 なお、法令で定められた通知すべき事項を盛り込んだ通知書の書式の例として、下記(参考)のような書式が考えられますので、実務上の参考としてください。

【解説】

外国税額の控除(法69)の規定の適用を受けている通算法人(通算法人であった内国法人を含みます。以下同じです。)が、その規定の適用を受ける事業年度(その通算法人に係る通算親法人の事業年度終了の日に終了するものに限ります。以下「通算事業年度」といいます。)及び地方法人税法第7条に規定する課税事業年度(その通算法人に係る通算親法人の課税事業年度終了の日に終了するものに限ります。以下「通算課税事業年度」といいます。)後において、次に掲げる金額のいずれかが当初申告額(その通算事業年度の法人税法第74条第1項の規定による申告書及びその課税事業年度の地方法人税法第19条第1項の規定による申告書に添付された書類に次に掲げる金額として記載された金額をいいます。)と異なることとなった場合には、他の通算法人(外国税額の控除の規定の適用を受けている通算法人のその通算事業年度終了の日においてその通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人をいいます。以下同じです。)に対し、その異なることとなった次に掲げる金額を通知しなければならないこととされています(令1489、地方法人税法施行令37)。

  1. (1) その通算法人のその通算事業年度の所得に対する法人税の額(法人税法施行令第148条第2項第1号イに掲げる金額)
  2. (2) その通算法人の法人税法施行令第148条第2項第2号イに規定するその通算事業年度の所得金額又は同号ロに規定するその通算事業年度の欠損金額
  3. (3) その通算法人のその通算事業年度の法人税法施行令第148条第4項に規定する非課税国外所得金額
  4. (4) その通算法人のその通算事業年度の法人税法施行令第148条第4項に規定する加算前国外所得金額
  5. (5) その通算法人のその通算課税事業年度の地方法人税の額(地方法人税法施行令第3条第5項第1号に掲げる金額)
 なお、この通知義務は、外国税額の控除の規定の適用を受けていない通算法人や通算グループを離脱した法人についても過去の通算事業年度及び通算課税事業年度の上記(1)から(5)までに掲げる金額がその後に変動した場合には、その義務が課されることとされています。
  この通知の方法及び様式については、法令等において特段定められていませんので、任意の方法により通知を行うことになります。

(参考)

法人税法施行令第148条第9項(通算法人に係る控除限度額の計算)及び地方法人税法施行令第3条第7項(外国税額の控除限度額の計算)の規定に基づく通知書

参考