12の5-1-3 令第131条の2第1項《リース取引の範囲》に規定する「これらに準ずるもの」に該当する土地の賃貸借とは、例えば、次に掲げるものをいう。
1 リース会計基準においては、土地、建物等の不動産のリース取引(契約上、賃貸借となっているものも含む。)についても、当該基準に従い、ファイナンス・リース取引に該当するか、オペレーティング・リース取引に該当するかを判定することとされているが、土地については、リース契約上、リース期間終了後又はリース期間の中途で、リース物件の所有権が借手に移転することとされているもの等一定のものを除き、オペレーティング・リース取引に該当するものとされている(リース会計適用指針19)。
2 税務上は、土地の賃貸借のうち、法人税法施行令第138条《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定の適用のあるもの及び次に掲げる要件(これらに準ずるものを含む。)のいずれにも該当しないものについては、リース取引の範囲から除外することとされている(法64の2、令131の2
)。
これは、第一に、借地権課税制度との関係の整理がされたものであり、第二に、使用可能期間が無限であり物理的に劣化しないというその特殊性から、土地については所有権移転ファイナンス・リース取引に該当するもの以外は、税務上のリース取引には該当しないこととされたものである。
本通達は、上記(1)又は(2)に掲げる要件に「準ずるもの」に該当する土地の賃貸借について、例示的に明らかにしている。
3 本通達の(1)では、賃貸借期間終了後、賃借人に対して土地を譲渡しない場合であっても、無償と変わらない名目的な賃料によって更新することが賃貸借契約において定められている土地の賃貸借取引は、上記2の(1)の「無償又は名目的な対価の額で賃借人に譲渡されるもの」と同視できるものであることから、これに準ずるものとして取り扱うことを明らかにしている。
なお、無償と変わらない名目的な賃料により更新できることが契約書等の書面において明記されていない賃貸借取引であっても、当事者間においてこのことが予定されていることが一連の事実関係から明らかな場合にも、この取扱いの適用があることとしている。
4 本通達の(2)では、いわゆるディフィーザンス(債務引受け)が組み込まれた賃貸借取引について明らかにしている。
ディフィーザンスが組み込まれた賃貸借取引とは、金融機関等(ディフィーザンス銀行)が賃借人から資金を受け入れて賃借料等の債務を引き受けるとともに、金融機関等はその資金をもって賃貸人にその賃貸借に係る土地の購入資金を貸し付けるという仕組みになっているものである。このような賃貸借取引では、賃貸人はその土地の所有者としてのリスクを負っているとは認められず、実質的には賃借人が自己資金で土地を購入しているのと同様の状況にあるといえることから、上記2の(1)又は(2)に準ずる要件に該当するものとして取り扱うことを明らかにしている。
5 連結納税制度においても、同様の通達(連基通15-1-3)を定めている。