[ 連結納税関連 ]

第4 租税特別措置法関係通達(法人税編)関係

【改正】(中小企業者であるかどうか等の判定の時期)

68の2−1 法人が、措置法第68条の2第1項第1号に掲げる「新事業創出促進法第2条第3項に規定する中小企業者」又は同項第3号に掲げる「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項に規定する中小企業者」に該当する法人であるかどうかは、当該事業年度終了の時の現況によって判定するものとする。

(注) 分割型分割の日の前日を含む事業年度につき申告を行う連結法人の措置法第68条の2第1項第1号に規定する「設立の日」がいつであるかどうかについても、同様とする。

【解説】

1 この制度は、青色申告書を提出する同族会社で次に掲げる法人のそれぞれ次に掲げる事業年度については、同族会社の特別税率の規定(法67:いわゆる留保金課税の規定)を適用しないというものである(措法68の21)。

法人 事業年度
1  新事業創出促進法第2条第3項に規定する中小企業者に該当する同族会社
当該同族会社の設立の日として定める一定の日を含む事業年度から同日以後10年を経過する日を含む事業年度までの各事業年度(平成12年4月1日から平成16年3月31日までの間に開始する各事業年度に限る。)
2  新事業創出促進法第11条の3第2項に規定する認定事業者に該当する同族会社
事業年度終了の時において同項に規定する認定計画に従って同項の新事業分野開拓のための事業を実施している場合における当該事業年度(平成16年3月31日までに開始する各事業年度に限る。)
3  中小企業者の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項に規定する中小企業者に該当する同族会社で当該事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の研究開発割合が100分の3を超えるもの
当該事業年度(平成14年4月1日から平成16年3月31日までの間に開始する各事業年度に限る。)

(注) 平成15年度の税制改正により、新たに同族会社の特別税率の規定が適用されない法人として、青色申告書を提出する同族会社で各事業年度(平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する各事業年度に限る。)終了の時における資本又は出資の金額が1億円以下のもので、前事業年度終了の時における自己資本比率(当該前事業年度終了の時における総資産の額とされる金額に対する自己資本の額とされる金額の割合をいう。)が100分の50以下であるものが追加された(措法68の21四)。

2 従来から、この制度の適用に当たって、同族会社の特別税率の規定(法67:いわゆる留保金課税の規定)を適用しない法人であるかどうかの判定は、同族会社の特別税率の規定の適用自体がその事業年度終了の時点で判定されること(法676)や留保金課税の計算が一事業年度を基礎として行うことから、当該事業年度終了の時の現況によって行うこととしている。

3 ところで、連結法人が連結親法人事業年度の中途で分割型分割を行った場合には、その連結法人は分割前事業年度につき単体申告を行うこととなるが(法15の21)、この分割前事業年度に係る単体申告における上記1の表1の「当該同族会社の設立の日として定める一定の日」(以下「基準設立日」という。)の判定に当たっては、連結規定を引用し、連結グループを一として適用関係を調整することとされている。
 具体的には、当該連結法人が属する連結グループの各連結法人に係る設立の日のうち最も早い日(以下「連結グループ設立最早日」という。)とすることとされている(措令39の34の21、措法68の1091一、措令39の1281)。

4 一方、連結納税制度におけるこの不適用制度(措法68の109)の判定に当たって、連結グループには、加入・離脱によりグループを構成する連結法人に変動があり得ることから、前期の連結グループ設立最早日に係る連結法人が当期の中途において連結グループから離脱したような場合に、当期と前期の基準設立日が変動することがあってもよいのかという疑問が生ずるが、連措通68の109−1(注)《中小企業者であるかどうか等の判定の時期》においてあくまで当該連結事業年度終了の時の現況によって行うことを明らかにしている。

5 これに関連して、上記3のように、連結法人が連結親法人事業年度の中途で分割型分割を行った場合には、その連結法人の分割前事業年度に連結グループの概念が持ち込まれていることから、その分割前事業年度におけるこの不適用制度の判定も、その分割前事業年度の期間が重複することとなる期間を含む連結親法人事業年度に着目して、その分割の日の前日を含む連結親法人事業年度終了の時の現況によるのではないかという疑問が生ずる。
 この点については、分割前事業年度はあくまでも単体申告であり、連結親法人事業年度末の状況に影響されるものではなく、当該分割前事業年度終了の時の現況によって判定することを本通達の(注)において明らかにしている。
 したがって、分割前事業年度終了の時における連結グループの連結法人のうち最も設立の日が早いもののその設立の日が当該分割前事業年度における基準設立日となる。

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