[ 連結納税関連 ]

第3 租税特別措置法関係通達(連結納税編)関係

(損金算入限度額の意義)

68の77−1 措置法第68条の77第1項に規定する5,000万円の額は、連結親法人及びその連結子法人を一体とした年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、個々の連結子法人の同項の適用対象となる措置法第68条の73第1項、第2項若しくは第7項、第68条の74第1項、第68条の75第1項又は第68条の76第1項の損金算入限度額の合計額が5,000万円を超えない場合であっても、当該連結親法人及びその連結子法人の損金算入限度額の合計額の総額が5,000万円を超えているときには、当該超える部分の金額は措置法第68条の77第1項の規定の適用があることに留意する。

【解説】

  措置法第68条の73第1項、第2項若しくは第7項、第68条の74第1項、第68条の75第1項又は第68条の76第1項(以下「特別控除単独規定」という。)に規定する損金算入限度額は、各連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、連結法人においては、自己と連結完全支配関係を有する他の連結法人がこの特別控除単独規定の適用を受けた、又は適用を受けるかどうかにかかわらず、各連結法人において特別控除単独規定により損金算入限度額を計算することができることとされている(連措通68の73−5、68の74−5、68の75−13、68の76−1)。
 これに対して、措置法第68条の77第1項(以下「特別控除グループ限度規定」という。)においては、「当該連結親法人及びその連結子法人の損金の額に算入した、又は損金の額に算入する金額の合計額が5,000万円を超えるときは、」と規定されているとおり、各連結法人ごとではなく連結グループ全体での損金算入限度額を設けている。
 特別控除単独規定においてそれぞれに損金算入限度額を設け、この特別控除単独規定による損金算入限度額の合計額に対して再度損金算入限度額を設けているという点では、単体納税における所得の特別控除の特例規定(措法65の6)と同様であるが、特別控除単独規定においては各連結法人ごとに損金算入限度額を計算し、特別控除グループ限度規定においてこれらの損金算入限度額の合計額に対して再度連結グループを一体とした損金算入限度額を計算するという構造となっている。
 本通達は、このことを留意的に明らかにしている。
 具体的には、例えば、次のような連結グループの場合、連結グループ全体の特別控除単独規定による損金算入限度額の合計額は8,000万円であるが、特別控除グループ限度規定による損金算入限度額である5,000万円を超える部分の金額3,000万円は連結所得の金額の計算上損金の額に算入されないこととなる(措法68の771)。
 なお、この損金の額に算入されなかった金額(損金不算入額)3,000万円のうち2,250万円が連結親法人P、750万円が連結子法人Sの個別連結法人帰属損金不算入額として、それぞれの連結法人に帰属することとなる(措法68の772、措令39の105)。

連結所得の特別控除の適用を受ける連結法人 特別控除単独規定による損金算入限度額
連結親法人P 4,800万円(措法68の731
1,200万円(措法68の741
連結子法人S 2,000万円(措法68の731
連結グループ全体 8,000万円



個別連結法人帰属損金不参入額の算式

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