(問62)

連結親法人が国に納付する法人税について、各連結法人は、各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額として帰せられ、又は法人税の減少額として帰せられる金額(以下「連結法人税の個別帰属額」といいます。)を計算する必要があるとのことですが、この場合の負担額として帰せられ、又は減少額として帰せられる金額は、具体的にはどのように計算することになりますか。

【回答】

各連結法人の各連結事業年度の連結法人税の個別帰属額は、次の1又は2により計算することになります。

  1. 1 連結親法人の資本金の額又は出資金の額が1億円超の場合(法81の181
    1. (1)  個別所得金額がある場合
       連結法人税の個別帰属額
       = (個別所得金額 × 適用税率 + 加算調整額)− 減算調整額
       又は減算調整額 − (個別所得金額 × 適用税率 + 加算調整額)
    2. (2)  個別欠損金額がある場合
       連結法人税の個別帰属額
       = 加算調整額 − (個別欠損金額 × 適用税率 + 減算調整額)
       又は(個別欠損金額 × 適用税率 + 減算調整額) − 加算調整額
  2. 2 連結親法人の資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下である場合又は連結親法人が資本若しくは出資を有しない場合(法81の182
     上記1の適用税率を「連結所得に対する法人税の額÷連結所得金額」とします。
     ただし、連結所得の金額がない場合の適用税率は、上記の場合の連結所得の金額のうち年800万円以下の金額に対して適用される税率となります。

【解説】

各連結法人の各連結事業年度の連結法人税の個別帰属額の計算は、上記【回答】のとおり行うこととなります。
 なお、連結親法人が普通法人である場合の適用税率及び上記【回答】1で使用されている用語については、次の1及び2のとおりです。

  1. 1 連結親法人が普通法人である場合の適用税率について
  2. 適用税率

  3. 2 上記【回答】1で使用されている用語について
    1. (1) 「個別所得金額」とは、個別帰属益金額(その連結事業年度の益金の額のうちその連結法人に帰せられるものの合計額をいいます。以下同じです。)が個別帰属損金額(その連結事業年度の損金の額のうちその連結法人に帰せられるものの合計額をいいます。以下同じです。)を超える場合におけるその超える部分の金額をいいます(法81の181)。
    2. (2) 「個別欠損金額」とは、個別帰属損金額が個別帰属益金額を超える場合におけるその超える部分の金額をいい、その連結事業年度に連結欠損金額が生じる場合にはその超える部分の金額からその連結欠損金額のうちその連結法人に帰せられるものを控除した金額をいいます(法81の181)。
    3. (3) 「加算調整額」とは、連結留保税額の個別帰属額など一定の金額の合計額をいいます(法81の181一、令155の43、措法68の1013等)。
    4. (4) 「減算調整額」とは、次のイからハの金額など一定の金額の合計額をいいます(法81の181、措法68の910等)。
      1. イ 所得税額控除額の個別帰属額(法81の181二、令155の44)
      2. ロ 外国税額控除額の個別帰属額(法81の181三、令155の45)
      3. ハ 連結欠損金の繰戻しによる還付を受ける金額の個別帰属額(法81の181四、令155の46)