(問33)

 連結納税の開始に当たり、時価評価資産を有する法人であっても、その時価評価資産につき時価評価を要しない法人があるそうですが、具体的には、どのような法人が該当しますか。

【回答】

 連結親法人となる法人や一定の株式移転に係る株式移転完全子法人であった連結子法人となる法人などが、時価評価を要しない法人に該当します。

【解説】

 連結納税の適用開始に当たっては、単体納税制度の下で時価評価資産に係る評価損益を計上した後に連結納税制度の適用を受けることを基本としていますが、連結納税の適用開始に当たり、次に該当する法人は、法人の事務負担や課税上の弊害が生じにくい点を考慮して時価評価資産の時価評価を要しないこととされています(法61の111)。

  1. 1 連結親法人となる法人(以下「親法人」といいます。)
  2. 2 連結子法人となる法人のうち次のもの
    1. (1) 親法人がその親法人の最初の連結事業年度開始の日(以下「開始日」といいます。)の5年前の日(以下「5年前の日」といいます。)から開始日までの間に株式移転により設立された法人であり、その株式移転に係る株式移転完全子法人となった法人のうち、その株式移転の日から開始日までその親法人による完全支配関係(連結除外法人及び外国法人が介在しない一定の関係に限ります。以下同じです。)が継続しているもの
    2. (2) 5年前の日から開始日までの間、親法人による完全支配関係が継続しているもの
    3. (3) 5年前の日から開始日までの間に親法人又は親法人による完全支配関係がある法人によって設立された法人で、その設立の日から開始日までその親法人による完全支配関係が継続しているもの
    4. (4) 5年前の日から開始日までの間に行った親法人又は親法人による完全支配関係がある法人を株式交換完全親法人とする適格株式交換によりその親法人による完全支配関係を有することとなった株式交換完全子法人で、その適格株式交換の日から開始日までその親法人による完全支配関係が継続しているもの
    5. (5) 5年前の日から開始日までの間に適格合併、適格株式交換又は適格株式移転(以下「適格合併等」といいます。)により親法人による完全支配関係を有することとなった法人のうち、その適格合併等に係る被合併法人、株式交換完全子法人又は株式移転完全子法人(以下「被合併法人等」といいます。)により5年前の日(その法人が、5年前の日からその適格合併の日の前日、その適格株式交換の日又はその適格株式移転の日までに設立された法人である場合には、その設立の日)からその適格合併の日の前日、その適格株式交換の日又はその適格株式移転の日まで継続して被合併法人等による完全支配関係があり、かつ、その適格合併等の日から開始日までその親法人による完全支配関係が継続しているもの
    6. (6) 5年前の日から開始日までの間に単元未満株式(会社法第189条第1項に規定する単元未満株式をいいます。)の親法人等による買取り等により親法人による完全支配関係を有することとなった法人のうち、その買取り等に係る株式等が発行されていなかったとするならば5年前の日(その法人が5年前の日からその買取り等の日までに設立された法人である場合には、その設立の日)からその買取り等の日までその親法人による完全支配関係が継続しており、かつ、その完全支配関係を有することとなった日から開始日までその親法人による完全支配関係が継続しているもの

(注) 平成29年度の税制改正において、連結納税の開始に伴う時価評価を要しない法人に関する見直しがされていますので、留意してください。