(問31)

 連結法人が有する他の連結法人の株式について評価換えによる評価損を計上する場合には、いわゆる「投資簿価修正」をいつ行うこととなりますか。

【回答】

 連結法人が有する他の連結法人の株式について評価換えによる評価損を計上する場合には、その評価損の計上の直前に投資簿価修正を行うこととなります。

【解説】

 連結法人が有する他の連結法人(その連結法人との間に連結完全支配関係がある法人に限るものとし、連結親法人を除きます。以下同じです。)の株式について一定の譲渡などの事由(以下「譲渡等修正事由」といいます。)が生じた場合には、投資簿価修正を行う必要があります(令91六、2)。
 譲渡等修正事由の一つとして、他の連結法人の株主等である連結法人のいずれかが、当該他の連結法人の株式について、法人税法第33条第2項又は第3項の規定の適用を受ける評価換えをしたことにより、評価損の計上を行う場合が、これに当たることとされています(令92二)。
 また、他の連結法人の株式について法人税法第33条第2項の規定の適用を受ける評価換えによる評価損の計上が認められるかどうかは、当該他の連結法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく下落したことが要件とされ(法81の31、332、令681二ロ)、その価額が著しく下落したこととは、その時価がその帳簿価額のおおむね50%相当額を下回ることとなり、かつ、近い将来回復の見込みがないことをいいます(連基通8−1−17、8−1−21)。
 この場合に、その時価がその帳簿価額のおおむね50%相当額を下回るかどうかは、その株式について投資簿価修正を行った後の帳簿価額と評価換えを行う時のその株式の価額(時価)により判定することとなります(連基通8-1-21(注))。
 したがって、連結法人が有する他の連結法人の株式について、当該他の連結法人の資産状態が著しく悪化したため、その価額が著しく低下したことなどにより、評価換えによる評価損を計上する場合には、その評価損の計上の直前に投資簿価修正を行うこととなります。
 なお、上記の判定の結果、評価損の計上ができる場合に該当しないこととなるときには、譲渡等修正事由は生じないこととなります。

(参考)

投資簿価修正の概要については、次のQ&Aを参照してください。

  1. 問30 投資簿価修正の概要