第2 連結納税基本通達関係

2 連結事業年度の連結欠損金

【改正】(繰越連結欠損金の損金算入の順序)

11−1−1 法第81条の9第1項《連結欠損金の繰越し》の規定による連結欠損金額の損金算入は、当該連結事業年度に繰り越された連結欠損金額が2以上の連結事業年度において生じたものからなる場合には、そのうち最も古い連結事業年度において生じた連結欠損金額に相当する金額(同項に定める限度超過額に相当する金額を除く。以下11−1−1において同じ。)から順次損金算入を行うものであることに留意する。
 また、同一の連結事業年度において生じた連結欠損金額(同条第2項の規定により連結欠損金の額とみなされた金額を含む。)のうちに同条第3項に規定する特定連結欠損金額が含まれる場合には、当該特定連結欠損金額に相当する金額から損金算入を行うことに留意する。

【解説】

1  繰越控除される連結欠損金額は、各連結事業年度開始の日前7年以内に開始した連結事業年度において生じた連結欠損金額(当該各連結事業年度前の連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び連結欠損金の繰戻しによる還付を受けるべき金額の計算の基礎となったものを除く。)とされ、この連結欠損金額の繰越控除は、連結所得の金額が連結欠損金額に相当する金額に満たない場合には、その連結所得の金額が限度となる。
 この場合の連結欠損金額の繰越控除額の計算について、繰り越された連結欠損金額が2以上の連結事業年度において生じたものから成るときには、当期の連結所得の金額に達するまで、連結欠損金額のうち最も古い連結事業年度に生じた連結欠損金額から順次繰越控除することになる。本通達の前段では、このことを留意的に明らかにしている。

2  平成22年度の税制改正前においては、連結納税制度を適用する前の欠損金額について、連結親法人の最初連結事業年度(各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される最初の連結事業年度をいう。)開始の日前7年以内に開始した各事業年度において生じた欠損金額など一定の欠損金額に限って持込みの対象とされていた。平成22年度の税制改正により、この持込制限が緩和され、特定連結子法人(法人税法第61条の11第1項各号又は第61条の12第1項各号に掲げるいわゆる時価評価の対象外とされている法人をいう。)の最初連結事業年度開始の日前7年以内に開始した各事業年度において生じた欠損金額を連結欠損金額とみなし(このみなされた連結欠損金額を「特定連結欠損金額」という。)、当該特定連結子法人の個別所得金額を限度として、損金の額に算入することができることとされた(法81の91一イ、2一イ)。
 この場合の特定連結欠損金額の繰越控除の順序について、同一の連結事業年度において生じた連結欠損金額が特定連結欠損金額とそれ以外から成るときには、特定連結欠損金額をその特定連結子法人の個別所得金額を限度に繰越控除した上で、それ以外の連結欠損金額をその特定連結欠損金では控除しきれなかった連結所得の金額を限度に繰越控除することになる。本通達の後段では、このことを明らかにしている。