平成21年度の税制改正により、法人が、平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間(指定期間)内に取得をした国内にある土地等(以下「先行取得土地等」という。)につき、その取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限までに、この制度の適用を受ける旨の届出書を納税地の所轄税務署長に提出した場合において、その取得の日を含む事業年度終了の日後10年以内に、その法人の所有する他の土地等の譲渡をしたときは、その先行取得土地等について、その譲渡をした他の土地等の譲渡益の80%(その譲渡の日を含む事業年度において、この制度の適用を受ける先行取得土地等が平成22年中に取得をされたもののみである場合には、60%)相当額を限度として、圧縮記帳を行うことができるという制度が創設された(措法66の2)。
66の2(2)−3 措置法第66条の2第1項の規定の適用を受ける先行取得土地等(同項に規定する先行取得土地等をいう。以下同じ。)が、平成21年先行取得土地等(同条第4項に規定する「平成21年先行取得土地等」をいう。以下同じ。)と平成22年先行取得土地等(同項に規定する「平成22年先行取得土地等」をいう。以下同じ。)とである場合には、同条第1項の圧縮限度額の計算の基礎となる割合は100分の80を適用することとなる。
(注) 同項の「この項の規定の適用を受ける先行取得土地等が平成22年1月1日から同年12月31日までの間に取得をされたもののみである場合」とは、次に掲げる場合をいうことに留意する。
1 同項に規定する指定期間内に取得した土地等が平成22年先行取得土地等のみである場合
2 同項の規定の適用を受ける事業年度前の事業年度までに同項の規定の適用を受けたことにより、平成21年先行取得土地等の帳簿価額の全額を減額(帳簿価額の減額に代えて行う積立金として積み立てる方法による経理を含む。)した結果、同項の規定の適用を受ける先行取得土地等が平成22年先行取得土地等のみである場合
1 措置法第66条の2の規定の適用に当たり、圧縮限度額の計算の基礎となる割合(圧縮割合)について、平成21年中に取得した先行取得土地等(以下「平成21年先行取得土地等」という。)と平成22年中に取得した先行取得土地等(以下「平成22年先行取得土地等」という。)とのいずれも有する場合には、80%又は60%のいずれの割合を適用するのかといった疑問が生ずる。
2 この点、措置法第66条の2第1項では、「当該譲渡の日を含む事業年度においてこの項の規定の適用を受ける先行取得土地等が平成22年1月1日から同年12月31日までの間に取得をされたもののみである場合」に60%の圧縮割合を適用することとされているが、ここでいう「この項の規定の適用を受ける先行取得土地等」とは、物理的に存する先行取得土地等という意味ではなく、圧縮記帳の適用を受ける先行取得土地等という意味である。
したがって、圧縮記帳の適用を受ける先行取得土地等が複数あり、そのうちに平成21年先行取得土地等が1つでも含まれている場合には、80%の圧縮割合を適用することになる。
また、先行取得土地等が平成22年先行取得土地等のみである場合はもちろんのこと、
平成21年先行取得土地等と平成22年先行取得土地等とのいずれも物理的に有する場合であっても、平成21年先行取得土地等について当該事業年度前の事業年度までに圧縮記帳の適用を受け、その平成21年先行取得土地等の帳簿価額の全額を減額(帳簿価額の減額に代えて行う積立金経理を含む。)した結果、当該事業年度においてこの制度の圧縮記帳の適用を受ける先行取得土地等が平成22年先行取得土地等のみとなっているときには、60%の圧縮割合を適用することになるのである。本通達では、これらのことを留意的に明らかにしている。
3 連結納税制度においても、同様の通達(連措通68の85の4(2)−3)を定めている。