1 第42条の3の2《中小企業者等の法人税率の特例》関係

【新設】(中小企業者等の年800万円以下の所得金額の端数計算)

42の3の2−1 措置法第42条の3の2第3項に規定する事業年度が1年に満たない第1項の表の第3号及び第4号に掲げる法人が、同項(同表の第3号及び第4号に係る部分に限る。)の規定を適用する場合において、同条第3項に規定する「800万円を12で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。ただし、当該切り捨てられる端数の金額が当該事業年度の所得金額について切り捨てられる金額より多いときは、これを切り上げる。

【解説】

1  平成21年度の税制改正により中小企業者等の法人税率の特例として創設された措置法第42条の3の2の規定により、次に掲げる法人(以下「新規所得区分法人」という。)に対する法人税の額が、改正前においては各事業年度の所得の金額(以下「所得金額」という。)に原則として22%の税率を乗じて計算することとされていたところ、改正後においては所得金額のうち年800万円以下の金額については18%の税率を乗じて計算することとされた。

  • 1 公益法人等(法人税法別表第二に掲げる一般社団法人及び一般財団法人並びに公益社団法人及び公益財団法人並びに認可地縁団体などの法人税法以外の法律で公益法人等とみなされている一定のものを除く。)
  • 2 協同組合等(措置法第68条第1項各号に掲げる要件のすべてを満たす事業年度における協同組合等(いわゆる特定の協同組合等)を除く。)
  • 3 特定医療法人(措置法第67条の2第1項の規定による承認を受けている同項に規定する医療法人をいう。)

(注) 上記1の公益法人等とみなされている一定のものとは、認可地縁団体、管理組合法人、団地管理組合法人、法人である政党等、防災街区整備事業組合、特定非営利活動法人及びマンション建替組合をいう(措令27の3の22)。

 このため、事業年度が1年で所得金額が800万円を超える新規所得区分法人の場合には、税額計算に際して所得金額を800万円とそれを超える金額とに区分しなければならないこととなった(措法42の3の21表三、四)。

2  また、新規所得区分法人の事業年度が1年に満たないときには、「年800万円」とあるのは「800万円を12で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」とすると規定されているため(措法42の3の23)、事業年度が1年に満たない新規所得区分法人の場合は800万円を月数であん分計算することとなり、その計算した金額につき端数計算の問題が生じる。

3  この点について、各事業年度の課税標準たる所得金額については、1,000円未満の端数があれば切り捨てることになっているが(通則法1181)、その所得金額のうち年800万円相当額と年800万円相当額を超える金額との端数計算については、所得金額の区分の問題であり、法令上は明らかにされていない。
 そこで、本通達において、新規所得区分法人の年800万円以下の所得金額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てることとし、その切り捨てられる端数の金額がその事業年度の所得金額について切り捨てられる端数の金額より多いときはこれを切り上げることを明らかにしている。

4  連結納税制度においても、同様の通達(連措通68の8−1)を定めている。