3 第52条の3《準備金方式による特別償却》関係

【新設】(耐用年数の改正が行われた場合の特別償却準備金の均分取崩し)

52の3−4 法人が前事業年度から繰り越された特別償却準備金の金額について措置法第52条の3第5項の規定により益金の額に算入する場合において、特別償却対象資産に係る法定耐用年数が当該特別償却準備金を積み立てた事業年度後に改正されたときには、改正後の法定耐用年数が適用される事業年度における同項の規定の適用に当たっては、同項に規定する耐用年数は改正後の法定耐用年数によることに留意する。

【解説】

1  法人が積み立てた特別償却準備金の額は、特別償却対象資産ごとにその積立てをした事業年度の翌事業年度から、特別償却対象資産の法定耐用年数に応じて、法定耐用年数が10年以上のものは7年間、5年以上10年未満のものは5年間、それ以外のものは法定耐用年数に相当する期間に均分して益金の額に算入することとされている(措法52の3丸5)。

2  平成20年度の税制改正により、耐用年数省令が改正され、資産区分が多い機械及び装置を中心に、使用実態を踏まえた年数を基礎としつつ、資産区分が整理されるとともに、法定耐用年数の見直しが行われた。このように、特別償却準備金の積立てをした事業年度後において特別償却対象資産に係る法定耐用年数が改正された場合に、特別償却準備金の均分取崩しは、改正前後のいずれの法定耐用年数によるべきか疑義が生じる。
 この点、特別償却準備金の取崩しは、特別償却の適用を受けた場合のその後の償却計算と均衡を図るものであるところ、法定耐用年数が短くなった場合には償却費を多く計上できることから、それに応じて特別償却準備金の取崩期間も短くするのが合理的であると考えられる。また、このことは法定耐用年数が長くなった場合も同様である。
 本通達では、特別償却準備金の積立てをした事業年度後において特別償却対象資産に係る法定耐用年数が改正された場合には、改正後の法定耐用年数が適用される事業年度における特別償却準備金の均分取崩しの年数は、改正後の法定耐用年数により判断することを留意的に明らかにしている。
 具体例で示せば、次のとおりである。

○ 特別償却対象資産の法定耐用年数が短くなった場合
特別償却限度額 700
法定耐用年数 12年から9年に改正(改正後の法定耐用年数はX+3期から適用)
法定耐用年数の具体例