3 特別な償却率の認定

【新設】 (特別な償却率の認定を受けている資産に資本的支出をした場合の取扱い)

 4−3−4 特別な償却率の認定を受けている減価償却資産について資本的支出をした場合には、当該資本的支出は当該認定を受けている特別な償却率により償却を行うことができることに留意する。

※下線部分が改正部分である。

【解説】

1  特別な償却率による償却とは、漁網、活字に常用されている金属、なつ染用銅ロール、映画用フィルム及び非鉄金属圧延用ロールなどの特定の資産について、耐用年数に応じた償却率によるのではなく、その資産の損耗の度合いなどに応じて償却ができるよう特別な償却率について所轄国税局長の認定を受けて償却を行うというものである(令50、規則12)。

2  平成19年度の税制改正により、資本的支出を行った場合には、原則として、その資本的支出の金額を取得価額とし、その有する減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとされたことから(令55丸1)、その有する減価償却資産が特別な償却率の認定を受けているものである場合には、その減価償却資産に行った資本的支出について改めて特別な償却率の認定を受けなければならないのかという疑問が生じる。

3  この点、今回の税制改正において、資本的支出の金額を取得価額として、減価償却資産本体と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとされたのは、減価償却資産本体に係る取得価額と区分して、資本的支出に係る費用を別の取得価額とすることにより、平成19年3月31日以前に取得をされた減価償却資産に対する資本的支出についても新しい償却方法により償却ができることとされるなど、償却限度額の計算上の単なる取得価額の区分に関する特例であると考えられることから、その資本的支出に係る資産本体とは別に償却を行うとしても、その資産が物理的に一体であることは従来と変わるものではない。したがって、資本的支出が法人税法施行令第55条第1項《資本的支出の取得価額の特例》の規定の適用を受け、新たな取得とされた場合であっても、既に認定を受けている特別な償却率により償却することができるのである。本通達はこのことを明らかにしている。