【改正】 (連結法人間取引の損益の調整を行わない取引)

12の4-2-1 法人が法第61条の13第1項《分割等前事業年度等における連結法人間取引の損益の調整》に規定する譲渡損益調整資産を連結法人に譲渡した場合には、例えば、当該連結法人を借地権者とする借地権の設定(令第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》の規定の適用があるものを除く。)は含まれない。

※下線部分が改正部分である。

【解説】

1  本通達においては、連結法人である内国法人が分割等前事業年度に行った取引のうち、連結法人間取引の損益の調整の対象とならない取引について例示している。
 譲渡損益調整資産に係る譲渡損益の調整は、連結納税制度が複数の法人を一つの納税単位として課税する制度であることから、連結グループ内の法人間で一定の資産を譲渡した場合にはその譲渡損益に係る課税を繰り延べるとともに、当該資産につき、譲受法人において譲渡、償却等の一定の事実が生じたときにその譲渡損益を実現(いわゆる譲渡損益調整額の戻入れ)させようとするものである。

2  連結法人である内国法人(地主)が借地権の設定により土地を他の連結法人に使用させる場合において、その設定によりその土地の時価が50%以上下落するときは、土地の一部について譲渡があったものとして、一定の金額が損金の額に算入される(法令1381)が、50%以上下落しないときは、土地の一部について譲渡があったものとされない。このことから、本通達において、当該借地権の設定により土地の時価が50%以上下落するような場合には譲渡損益調整資産の譲渡に該当するが、それ以外の借地権の設定はこれに該当しない旨を明らかにしている。

3  また、改正前の本通達の(1)において例示していた平成18年改正前の法人税法第2条17号ネ《資本積立金額》に規定する株式の消却を行った場合における、その消却の対象となった株式の譲渡については、会社法の制定により、株式を消却する場合には、株式の発行法人が、1消却しようとする株式の取得を行い(自己株式の取得)、2自己株式を消却することとされ(会社法178)、株式の発行法人が株式を取得しないで消却する(強制消却)という場面がなくなったことから削除した。

4  なお、連結納税制度においても、同様の通達(連基通14−2−1)を定めており、同様の改正を行っている。


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