第2 租税特別措置法関係通達(法人税編)

【新設】 (準ずる方法の例示)

66の4(5)−1 措置法令第39条の12第8項第4号に規定する「準ずる方法」とは、例えば、次のような方法がこれに該当する。

(1) 国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を用いて製品等の製造をし、これを非関連者に対して販売した場合において、当該製品等のその非関連者に対する販売価格から次に掲げる金額の合計額を控除した金額をもって当該国外関連取引の対価の額とする方法

イ 当該販売価格に措置法令第39条の12第8項第2号に規定する比較対象取引に係る営業利益の額の収入金額に対する割合を乗じて計算した金額

ロ 当該製品等に係る製造原価の額(当該国外関連取引に係る棚卸資産の対価の額を除く。)

ハ 当該製品等の販売のために要した販売費及び一般管理費の額

(2) 一方の国外関連者が法人から購入した棚卸資産を他方の国外関連者を通じて非関連者に対して販売した場合において、当該一方の国外関連者と当該他方の国外関連者との取引価格を通常の取引価格に引き直した上で、措置法令第39条の12第8項第2号に掲げる算定方法に基づいて計算した金額をもって当該法人と当該一方の国外関連者との間で行う国外関連取引に係る対価の額とする方法

(注) この取扱いを適用する場合の「通常の取引価格」は、措置法第66条の4第2項各号に掲げる方法に準じて計算する。

【解説】

1 平成16年の税制改正により、移転価格税制における独立企業間価格の算定方法にいわゆる「取引単位営業利益法」が追加され、この取引単位営業利益法に該当するものとして租税特別措置法施行令第39条の12第8項第2号及び第3号に2つの方法が具体的に掲げられているほか、これら2つの方法に「準ずる方法」が併せて掲げられている(措令39の128四)。本通達においては、この「準ずる方法」として、次の2つの方法を具体的に例示している。

(1) 国外関連取引に係る棚卸資産の買手が、法人から購入した棚卸資産を用いて製造した製品を非関連者に販売している場合に、当該製品の非関連者に対する販売価格に、比較対象取引の売上高営業利益率を乗じて計算した金額を買手の営業利益とし、これに基づいて国外関連取引の対価の額を算出する方法

(2) 一方の国外関連者(A)が法人から購入した棚卸資産を更に他方の国外関連者(B)を通じて非関連者に販売している場合に、A−B間の取引価格を通常の取引価格に引き直した上で、取引単位営業利益法に基づいて国外関連取引の対価の額を算出する方法
 これらの方法を図示すると次葉のとおりとなる。

2 なお、連結納税制度に係る租税特別措置法第68条の88《連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例》についても、同様の通達(連措通68の88(5)−1)を定めている。

○ 準ずる方法の例示(措通66の4(5)−1) その1((1)の場合)

<国外関連取引>
国外関連取引の図

<比較対象取引>
比較対象取引の図

<独立企業間価格の算定>
独立企業間価格の算定の図

○ 準ずる方法の例示(措通66の4(5)−1) その2((2)の場合)

<国外関連取引>
国外関連取引の図

<A−B間取引に係る比較対象取引>
A−B間取引に係る比較対象取引の図

<国外関連取引に係る比較対象取引>
国外関連取引に係る比較対象取引の図

<独立企業間価格の算定>
独立企業間価格の算定の図


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