3 耐用年数の適用等に関する取扱通達関係

【新設】(適格合併等により移転を受けた減価償却資産の耐用年数)

1−5−13 適格合併又は適格分割型分割により合併法人又は分割承継法人が被合併法人又は分割法人(以下1−5−13において「被合併法人等」という。)から受け入れた減価償却資産の耐用年数は、当該資産について定められている耐用年数省令別表に掲げる耐用年数による。ただし、被合併法人等が当該減価償却資産について省令第3条《中古資産の耐用年数等》の規定により算定した耐用年数を適用していた場合には、当該耐用年数によるのであるから留意する。

【解説】

(1) 法人が中古の減価償却資産を取得した場合には、当該中古資産の耐用年数については、法定耐用年数ではなく、見積耐用年数によることができる(耐用年数省令31)。
 また、分割承継法人等(分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。)が適格分社型分割等(適格分社型分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。)により分割法人等(分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)から移転を受けた減価償却資産については、当該分割法人等が取得した時点で既に中古資産であって当該分割法人等が見積耐用年数を使っていた場合には、その見積耐用年数によることもできる(耐用年数省令32)。
 つまり、分割承継法人等が適格分社型分割等により移転を受けた減価償却資産の耐用年数については、1法定耐用年数、2移転時における移転資産(中古資産)の見積耐用年数又は3分割法人等が使っていた見積耐用年数のいずれかを選択して適用することとされている。

(2) 他方、合併法人等(合併法人又は分割承継法人をいう。)が適格合併等(適格合併又は適格分割型分割をいう。)により被合併法人等(被合併法人又は分割法人をいう。)から移転を受けた減価償却資産の耐用年数については、法令上特段の規定が置かれておらず、その取扱いについて疑問が生じ得る。
 この点、適格合併等による資産の移転は、法令上「帳簿価額による引継ぎ」と規定されており(法62の21)、「取得」には該当しないことから、適格合併等による移転時には、移転資産(中古資産)について耐用年数を見積もるということはできず(耐用年数省令31)、結局、被合併法人等が使っていた耐用年数をそのまま引き継ぐということになる。
 つまり、合併法人等が適格合併等により移転を受けた減価償却資産の耐用年数については、被合併法人等が法定耐用年数を使っていた場合にはその法定耐用年数を、当該被合併法人等が取得した時点で既に中古資産であって当該被合併法人等が見積耐用年数を使っていた場合にはその見積耐用年数を、そのまま適用することになる。本通達では、このことを明らかにしている。--

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