第1章 合名会社等の社員の第二次納税義務

第4節 無限責任社員の責任の消滅

(除斥期間の経過による消滅)

54 無限責任社員の責任は、通常の消滅原因によって消滅するほか、次に掲げる事由によって消滅する。

  1. (1) 退社等をした無限責任社員の責任の除斥期間の経過
    • 退社し、又は持分の全部を譲渡した無限責任社員及び合資会社又は監査法人の無限責任社員から有限責任社員となった者の責任は、本店の所在地において退社の登記又は責任変更の登記をした後2年以内に納付通知書による告知又はその予告(55参照)をしなかった場合には、登記後2年(除斥期間)を経過した時に消滅する(徴基通第33条関係5、会社法612条2項、586条2項、583条4項、税理士法48条の21第1項、弁護士法30条の15第7項、30条の30第1項、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の10の6第11項、34条の22第1項、34条の23第3項、弁理士法47条の4第7項、55条1項、司法書士法38条6項、46条2項、行政書士法13条の21第1項、社会保険労務士法25条の15の3第6項、25条の25第1項、土地家屋調査士法35条の3第6項、41条2項)。
       したがって、責任が消滅している者に対しては、徴収法第33条の規定による第二次納税義務を負わせることはできないので、退社等をした無限責任社員に該当するか否かの調査(51の(3))に併せて、退社の登記又は責任変更の登記後2年を経過しているかどうかを確認する必要があることに留意する。
  2. (2) 合名会社等解散後における無限責任社員の責任の除斥期間の経過
    • 合名会社等が解散した場合に、本店の所在地において解散の登記をした後5年以内に納付通知書による告知又はその予告(55参照)をしなかったときは、無限責任社員の責任は、その登記後5年(除斥期間)を経過した時に消滅する(徴基通第33条関係6、会社法673条1項、税理士法48条の21第2項、弁護士法30条の30第2項、外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律67条2項、80条1項、公認会計士法34条の22第2項、弁理士法55条2項、司法書士法46条3項、行政書士法13条の21第2項、社会保険労務士法25条の25第2項、土地家屋調査士法41条3項)。
       したがって、責任が消滅している者に対しては、徴収法第33条の規定による第二次納税義務を負わせることはできないので、合名会社等が解散している場合には、その登記後5年を経過しているかどうかを確認する必要があることに留意する。

(注) 無限責任社員の責任が消滅している場合であっても、その無限責任社員が、徴収法第34条《清算人等の第二次納税義務》に規定する清算人等に該当するときは、同条を適用して第二次納税義務を負わせることができる場合があることに留意する。

(第二次納税義務に関する予告)

55 第二次納税義務の告知の対象となる者に対する予告(54参照)は、「第二次納税義務に関する予告通知書」(様式311000-012)により行うものとするが、なお、次に留意する(徴基通第33条関係5)。

  1. (1) 予告は、合名会社等の国税の納税義務が成立した後確定前においてもすることができる。
  2. (2) 予告は、将来において徴収法第33条の第二次納税義務の告知の対象となることが予想される者宛に配達証明郵便により送達する。この場合において、合名会社等に対しては通知をする必要はない。

(予告に当たっての賦課担当部門との協議)

56 納税義務が成立した合名会社等の国税についてその税額の確定前に予告をする場合には、あらかじめ賦課担当部門と十分協議した上で行うものとする。
 なお、予告をした場合において、納税者が法定申告期限内に当該国税についての確定手続を行わないときは、法定申告期限後速やかに賦課担当部門に対し、確定手続を行うよう連絡する。

第二次納税義務関係事務提要主要項目別目次へ戻る