18 事前相談

庁相互協議室は、台湾の権限のある機関に対する相互協議の申立てに関して相談があった場合には、これに応じ、その後の手続は3に定めるところによる。

(注) 外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条に規定する申出は、相互協議を実施し、当該相互協議に係る事案について解決に至ると認められる状況となった後に25に定めるところにより行われることに留意する。

19 相互協議の申入れがあった場合の手続

  1. (1) 台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった場合には、庁相互協議室は、当該申入れが20から22までに定める場合に該当する場合を除き、次に掲げる事項を庁主管課に通知するとともに、確定申告書等の保存措置を講じることを求める。
    1. イ 当該申入れがあった年月日
    2. ロ 当該申入れが、台湾居住者等に対する我が国における課税に係るものである場合(ホに定める場合に該当する場合を除く。)には、当該台湾居住者等の氏名又は名称及び住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地、相互協議の対象となる年分又は事業年度、課税が行われた年月日、当該台湾居住者等の納税管理人が定められている場合には当該納税管理人の氏名及び住所等
    3. ハ 当該申入れが、台湾居住者等が我が国に有する恒久的施設に帰せられる所得に対する我が国における課税に係るものである場合には、ロに掲げる事項に加え、当該恒久的施設の名称及び所在地
    4. ニ 当該申入れが、台湾居住者等が我が国に有する恒久的施設に帰せられるその国外関連者との間の取引に関する移転価格課税に係るものである場合には、ロ及びハに掲げる事項に加え、当該課税の対象となった取引を行った国外関連者の名称及び所在地
    5. ホ 当該申入れが、我が国の源泉徴収義務者が行った源泉徴収に係るものである場合には、当該源泉徴収義務者の名称及び所在地、当該源泉徴収に係る支払の相手先である台湾居住者等の氏名又は名称及び住所又は本店若しくは主たる事務所の所在地、支払の内容、相互協議の対象となる期間等
    6. ヘ 当該申入れが、個人の居住地域の決定に係るものである場合には、当該個人の氏名、住所又は居所、相互協議の対象となる年分等
    7. ト その他参考となる事項
    8. (注) ロからホまでに定める場合に該当する場合には、我が国において相互協議の申立ては行われず、台湾の権限のある機関からの申入れにより相互協議が開始されることに留意する。また、ヘに定める場合に該当する場合には、当該個人から相互協議の申立てが行われない場合があることに留意する。
  2. (2) 庁主管課は、庁相互協議室から(1)により確定申告書等の保存措置を講じることを求められた場合には、3(5)に定めるところにより、保存期限を経過しても当該確定申告書等を廃棄しないよう局関係課に指示する。
  3. (3) 局関係課は、庁主管課から(2)の指示を受けた場合には、所轄税務署長に必要な指示を行う。

20 移転価格課税等に係る相互協議の申入れがあった場合の手続

  1. (1) 台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった場合において、当該申入れが居住者又は内国法人とその国外関連者との間における取引に関する移転価格課税に係るものであるとき等、相互協議の結果、居住者又は内国法人の所得金額等が変更される可能性があるときは、庁相互協議室は、当該申入れに係る事項が相互協議の対象とされるべきものでない場合を除き、当該居住者又は内国法人が当該申入れに係る事項について4(1)の相互協議の申立てを行っているかどうかを確認する。
  2. (2) (1)の確認を行った場合において、当該内国法人が既に4(1)の相互協議の申立てを行っているとき又は行うときは、その後の手続は第2に定めるところによる。
  3. (3) (1)の確認を行った場合において、当該居住者又は内国法人が4(1)の相互協議の申立てを行わないときは、その後の手続は27に定めるところによる。

21 事前確認に係る相互協議の申入れがあった場合の手続(内国法人の場合)

  1. (1) 台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった場合において、当該申入れが内国法人に関する事前確認に係るものであるときは、庁相互協議室は、当該内国法人が4(1)の相互協議の申立てを行っているかどうか及び移転価格事務運営要領6-2又は恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領7-1に定める事前確認の申出を行っているかどうかを確認する。
  2. (2) (1)の確認を行った場合において、当該内国法人が既に4(1)の相互協議の申立て及び事前確認の申出の双方を行っているとき又は行うときは、その後の手続は第2に定めるところによる。
  3. (3) (1)の確認を行った場合において、当該内国法人が4(1)の相互協議の申立て又は事前確認の申出を行わないときは、その後の手続は27に定めるところによる。

22 事前確認に係る相互協議の申入れがあった場合の手続(台湾居住者等の場合)

  1. (1) 台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった場合において、当該申入れが台湾居住者等(外国法人に限る。以下22及び27において同じ。)の我が国に有する恒久的施設に関する事前確認に係るものであるときは、庁相互協議室は、当該台湾居住者等が当該恒久的施設に関して移転価格事務運営要領6-2又は恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領6-1に定める事前確認の申出を行っているかどうかを確認する。
  2. (2) (1)の確認を行った場合において、当該台湾居住者等が既に事前確認の申出を行っているとき又は行うときは、庁相互協議室は、19(1)イに掲げる事項並びに当該台湾居住者等の恒久的施設の名称及び所在地を庁主管課に通知するとともに、確定申告書等の保存措置を講じることを求め、その後の手続は19(2)及び(3)、24並びに26から28までに定めるところによる。
  3. (3) (1)の確認を行った場合において、当該台湾居住者等が当該恒久的施設に関する事前確認の申出を行わないときは、その後の手続は27に定めるところによる。

23 源泉徴収に係る相互協議の申入れがあった場合の源泉徴収義務者への連絡

台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった場合において、当該申入れが我が国の源泉徴収義務者が行った源泉徴収に係るものであるときは、庁相互協議室は、台湾の権限のある機関から相互協議の申入れがあった旨を、当該源泉徴収義務者に連絡する。

24 資料の提出等

  1. (1) 庁相互協議室は、必要に応じ、相互協議の対象とされる課税を受けた者等に、資料の提出及び提出された当該資料についての説明を求める。
     なお、当該相互協議の対象とされる課税を受けた者等が相互協議の実施のために必要と認められる資料の提出に応じない場合に、その者が納税の猶予を受けており、かつ、32(14)イ②に該当するとして当該納税の猶予を取り消すことが相当と判断されたときは、庁相互協議室は、庁徴収課を通じて局特別整理部門に対し、その旨を通知する。
  2. (2) 庁相互協議室は、(1)の資料の提出を求めた場合には、その事実及びその後の提出の状況を記録する。
  3. (3) 庁相互協議室は、必要に応じ、(1)により提出された資料のうち外国語で記載された資料については、日本語訳を添付するよう求める。
  4. (4) 庁相互協議室は、申入れが我が国における課税に係るものである場合には、庁主管課に、当該課税の内容(課税に至っていない場合には、事実関係の概要)を記載した書類の提出を求める。

25 外国居住者等所得相互免除法第10条第1項に係る手続

  1. (1) 庁相互協議室は、相互協議に係る事案について解決に至ると認められる状況となった場合において、外国居住者等所得相互免除法第10条第1項に規定する国税庁長官の確認があるものとなるときには、その旨及び外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条に規定する申出を行う必要がある旨を、当該相互協議に係る台湾居住者等に説明する。
     なお、当該申出は、「外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条等の規定に基づく申出書」を庁相互協議室に提出することにより行われるものとする。
  2. (2) 庁相互協議室は、「外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条等の規定に基づく申出書」を収受した後、外国居住者等所得相互免除法第41条の規定に基づいて台湾の権限のある機関との間で必要な情報の交換を行い、相互協議に係る事案を解決する。
  3. (3) 庁相互協議室は、相互協議に係る事案が解決に至った場合には、解決に至った年月日及び解決内容(国税庁長官の確認があった旨を含む。以下25において同じ。)を「外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条等の規定に基づく申出書」の写しを添付して庁主管課に通知する(当該通知に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものである場合には、庁徴収課にも併せて通知する。)。
  4. (4) 庁主管課及び庁徴収課は、庁相互協議室から(3)の通知を受けた場合には、法令等の規定に基づき、当該解決内容に沿った処理及び納税の猶予に係る処理を行うよう局関係課及び局特別整理部門に指示する。
  5. (5) 局関係課は、庁主管課から(4)の指示を受けた場合には、所轄税務署長に、当該解決内容に沿った処理を行うために必要な指示を行う。

26 相互協議に係る事案の解決の通知

  1. (1) 庁相互協議室は、相互協議に係る事案が解決に至った場合(25に該当する場合を除く。)には、解決に至った年月日及び解決内容(国税庁長官の確認があったものである場合には、その旨を含む。以下26において同じ。)を庁主管課に通知する(当該通知に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものである場合には、庁徴収課にも併せて通知する。)。
  2. (2) 庁主管課及び庁徴収課は、庁相互協議室から(1)の通知を受けた場合には、法令等の規定に基づき、当該解決内容に沿った処理及び納税の猶予に係る処理を行うよう局関係課及び局特別整理部門に指示する。
  3. (3) 局関係課は、庁主管課から(2)の指示を受けた場合には、所轄税務署長に、当該解決内容に沿った処理を行うために必要な指示を行う。
  4. (4) 庁相互協議室は、我が国の源泉徴収義務者が行った源泉徴収に係る相互協議において解決に至った場合には、源泉徴収義務者に解決内容を説明する。
  5. (5) 相互協議に係る事案の解決により我が国の源泉徴収義務者が納付した源泉所得税及び復興特別所得税の全部又は一部を還付し、又は特別過誤納金として給付することとなった場合の還付又は給付に係る処理については、対象となった源泉所得税及び復興特別所得税が自主納付によるものであるときは、原則として、源泉徴収義務者から提出された「外国居住者等所得相互免除法に関する源泉徴収税額の還付請求書(発行時に源泉徴収の対象となる割引債に係るものを除く。)」に基づいて還付する。この場合、庁相互協議室は、源泉徴収義務者に「外国居住者等所得相互免除法に関する源泉徴収税額の還付請求書(発行時に源泉徴収の対象となる割引債に係るものを除く。)」の提出を求める。また、対象となった源泉所得税及び復興特別所得税が納税告知を受けて納付されたものであるときは、「外国居住者等所得相互免除法に関する源泉徴収税額の還付請求書(発行時に源泉徴収の対象となる割引債に係るものを除く。)」の提出を求めることなく、職権還付等によるものとする。

27 相互協議の終了

  1. (1) 庁相互協議室は、次に掲げる場合には、台湾の権限のある機関に、相互協議の終了を申し入れる。
    1. イ 相互協議の申入れに係る事項が、相互協議の対象とされるべきものでない場合
    2. ロ 20(1)の確認を行った場合において、居住者又は内国法人が、4(1)の相互協議の申立てを行わないとき。
    3. ハ 21(1)の確認を行った場合において、内国法人が、4(1)の相互協議の申立て又は事前確認の申出を行わないとき。
    4. ニ 22(1)の確認を行った場合において、台湾居住者等が我が国に有する恒久的施設に関する事前確認の申出を行わないとき。
    5. ホ 相互協議の申入れが事前確認に係るものである場合において、当該事前確認の申出が移転価格事務運営要領6-14(1)又は恒久的施設帰属所得に係る所得に関する調査等に係る事務運営要領6-13(1)に該当するとき。
    6. ヘ 相互協議の対象とされる課税を受けた者等から、相互協議に必要な資料の提出等について協力が得られない場合
    7. ト 我が国又は台湾における課税後相当期間が経過している等の理由から、相互協議に必要な資料を収集することができない場合
    8. チ 25(1)の説明を行った場合において、台湾居住者等が「外国居住者等所得相互免除法施行規則第4条等の規定に基づく申出書」を提出しないとき。
    9. リ 相互協議の申入れが事前確認に係るものである場合において、22(1)に定める事前確認の申出の内容と台湾の権限のある機関に対して行われた当該申出に相当するものの内容との間に当該相互協議に係る事案の解決に重大な影響を及ぼす相違があることにより、相互協議を継続しても適切な解決に至ることができないと認められるとき。
    10. ヌ その他相互協議を継続しても適切な解決に至ることができないと認められる場合
  2. (2) 庁相互協議室は、(1)の相互協議終了の申入れについて台湾の権限のある機関の同意が得られた場合又は台湾の権限のある機関からの相互協議終了の申入れについて同意した場合には、相互協議を終了した旨を庁主管課に通知する(当該通知に係る相互協議の対象となっている所得税、法人税又は地方法人税が納税の猶予に係るものである場合には、庁徴収課にも併せて通知する。)。
  3. (3) 庁徴収課は、庁相互協議室から(2)の通知を受けた場合には、法令等の規定に基づき、納税の猶予に係る処理を行うよう局特別整理部門に指示する。
  4. (4) 庁相互協議室は、相互協議を終了した場合において、当該相互協議が我が国の源泉徴収義務者が行った源泉徴収に係るものであるときには、相互協議を終了した旨を当該源泉徴収義務者に連絡する。

28 確定申告書等の保存措置の解除

  1. (1) 庁相互協議室は、19(1)により庁主管課に確定申告書等の保存措置を講じることを求めた後、相互協議に係る事案が解決に至ったこと又は相互協議に係る事案が解決に至らずに相互協議が終了したことにより当該確定申告書等の保存措置が必要でなくなった場合には、その旨を庁主管課に通知する。
  2. (2) 庁主管課は、庁相互協議室から(1)の通知を受けたときは、当該保存措置を解除するよう局関係課に指示する。
  3. (3) 局関係課は、庁主管課から(2)の指示を受けたときは、所轄税務署長に必要な指示を行う。