官際 1-20
課総 5-15
課個 7-3
課資 6-1
課法 6-8
査調 5-14
平成15年4月7日
(最終改正)令和5年6月27日官際5-255外
国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿
国税庁長官
租税条約の規定に基づく情報交換のうち、個別的情報交換及び自発的情報交換に関する事務手続について、別添のとおり定めたから、今後はこれによられたい。
なお、平成12年7月7日付官際1-45ほか6課共同「租税条約に基づく外国税務当局との情報交換手続について」(事務運営指針)は、廃止する。
平成15年度税制改正により租税条約実施特例法の一部が改正され、租税条約の規定に基づき、相手国から情報提供の要請があった場合の質問検査権が創設された。そこで、相手国との情報交換の一層の迅速化、効率化を促進するために、事務手続の整備を行ったものである。
この事務運営指針において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。
租税条約等実施特例法の規定に基づく情報提供のための調査又は相手国等の租税の徴収に関する事務に関して知ることができた秘密については、国家公務員法(昭和22年法律第120号)第100条及び国税通則法(昭和37年法律第66号)第127条により守秘義務が課されていることに留意する。
また、租税条約等の規定に基づいて入手した情報(写しや情報の内容が具体的に記されている文書等も含む。)については、租税条約等の規定により守秘義務が課されていることから、他の行政機関や裁判所からの当該情報の開示の求めに対しては、国税通則法等における守秘義務解除可否の検討に加え、個々の租税条約等の規定を確認する必要があることに留意する。その規定内容は個々の条約で異なることから、他の行政機関又は裁判所から開示の求めを受けた場合には、局管理者又は署管理者(以下「局(署)管理者」という。)
は、開示を求められた資料に関連する情報を添付した上で、庁主管課を経由して(署管理者にあっては局管理者を経由して)、庁国際業務課に対して当該情報に係る開示の可否の確認を求める(第7章Uに該当する場合を除く)。
ただし、情報交換関係書類の回付に当たって庁主管課より送付した回答書又は情報箋に他の行政機関への開示の可否が記載されている場合には、当該記載に基づき局署において開示の可否を判定することとし、庁への確認は要しない。
庁国際業務課は確認を求められた場合、必要に応じて庁主管課等と協議の上、租税条約等の規定に基づいて当該情報に係る開示の可否を判断し、その結果を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)速やかに伝達する。
なお、租税条約等の規定上、開示が可能である場合においても、国税当局に対する他の外部機関からの照会対応を踏まえ、別途、国税通則法等の観点から開示の可否を国税局又は税務署における開示者が判断する必要があることに留意する。
庁国際業務課は、相手国等との間で、必要に応じ、情報交換、送達共助若しくは徴収の共助の実施方法又はこれらに係る重要な事案の取扱方法その他の事項について協議を行い、相手国等との情報交換、送達共助又は徴収の共助の一層の迅速化及び効率化を促進するよう努めるべきことに留意する。
国税の適正な賦課又は徴収のために必要な情報であって国内において入手することの困難なものがあるときは、要請に基づく情報交換により当該情報を提供することを相手国等に要請をすることができる。この要請をする場合には、局(署)管理者は、進達書を作成し、これを庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付することにより進達を行う。
当該進達書の作成又は送付に当たっては、以下に留意する。
庁主管課は、当該進達を受領したときは、進達書(添付文書を含む。)に租税条約等に定める要請に当たって記載すべき事項が適切に記載されていること、また、進達書に開示支障事情の特記がある場合には、それが事務運営上必要なものであること及び相手国の税務当局から同様の状況で開示しないことの求めがあった場合に、我が国においては調査の対象者に開示せずに情報収集が可能であることを確認した上で、これを庁国際業務課に回付する。
局(署)管理者は、1の進達に先立ち、庁主管課を経由して(署管理者にあっては局管理者を経由して)、庁国際業務課に対して情報提供の要請に係る事前の相談の申出を行うことができる。なお、当該要請がグループリクエストに該当する場合には、事前の相談の申出を必ず行うものとする。
庁国際業務課は、事前の相談の申出があった場合には常にこれに応じるものとし、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該申出に係る情報提供の要請についてその適否を判断し、その結果を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
事前の相談の申出を行った局(署)管理者は、当該申出に係る情報提供の要請については、庁国際業務課が適当と判断した場合に限り1の進達を行うものとする。
庁国際業務課は、1の進達の回付を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、次に掲げる事項、相手国等との情報交換の状況その他の事情を考慮し、当該進達に係る情報提供の要請の適否について検討を行う。
庁国際業務課は、検討の結果、当該要請を適当と判断した場合には、当該要請に係る情報について、必要に応じて英訳を施した上で、速やかに相手国等に対して提供の要請を行う。この場合に、進達書に開示支障事情の特記があるときは、情報の収集の際に我が国から要請があった旨の事実又は当該要請の内容を調査の対象者に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。また、情報提供の要請について、争訟手続のために特別の回答期限を付す必要がある場合その他庁主管課から特に依頼を受けた場合には、当該要請を他に優先して行うこととし、要請の際に早急な対応を求める旨を併せて相手国等に伝達する。
庁国際業務課は、国税通則法第71条第1項第4号(国税の更正、決定等の期間制限の特例)の適用を予定している要請を行った場合は、その旨及び要請を行った日を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
庁国際業務課は、当該要請を適当でないと判断した場合には、その旨及びその理由を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
庁国際業務課は、3により相手国等に対して情報の提供の要請を行う際に、当該情報が犯則調査における利用を目的とするものであるときは、その旨を併せて相手国等に伝達する。
庁国際業務課は、情報の提供の要請をした相手国等から当該情報を受領した場合には、別紙様式2により回答書を作成し、速やかに庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)送付する。
国税局又は税務署の当該職員は、相手国等からその提供した情報を調査の対象者に開示しないことの求めがあった場合を除き、調査の対象である納税者に対して当該情報を開示することができる。
相手国等からその提供した情報を調査の対象である納税者に開示しないことの求めがあった場合において、当該情報を当該納税者に対して開示することが必要であると認めるときは、局(署)管理者は、その旨及びその理由を付した上で、庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)開示の可否に係る照会の進達を行い、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。
庁国際業務課は、当該進達の回付を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、相手国等への照会の適否について検討を行い、適当と判断した場合には、当該相手国等に対し、当該情報を当該納税者に開示することが必要な理由を付した上で開示の可否の照会をする。
当該照会を行った場合には、庁国際業務課は、その旨を庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。検討の結果、相手国等への照会は適当でないと判断した場合についても、同様とする。
庁国際業務課は、当該照会を行った相手国等から回答を受領したときは、その内容に応じて当該情報を当該納税者に開示することの可否を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等に対して行った情報提供の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
相手国等に対して情報提供の要請(7の照会を含む。)を行った場合において、相当の期間が経過したにもかかわらず当該相手国等から回答がないときは、特段の事情がある場合を除き、庁国際業務課は、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該相手国等に対して回答に向けた進捗状況について照会を行うとともに、速やかな回答を督促する。
局(署)管理者は、相手国等から受領した情報を活用した場合には、当該情報を端緒として把握した増差所得、徴収した税額その他の成果の有無にかかわらず、当該情報を活用した月の翌月の末日までに当該情報の活用の事績について、別紙様式5により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者は局管理者を経由して)提出するものとし、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。
庁国際業務課は、相手国等から要請に基づく情報交換による情報提供の要請があった場合には、租税条約等実施特例法第8条の2第1項各号に定める場合又は租税条約等において情報の提供を拒否することが認められる事由(以下この章及び第5章において「租税条約等による情報不提供事由」という。)に該当する事情があるか否かを検討する。
検討の結果、当該情報提供の要請について、租税条約等による情報不提供事由に該当する事情があると判断した場合には、庁国際業務課は、当該相手国等に対して、当該要請に応じることができない旨及びその理由を回答する。
庁国際業務課は、1の検討の結果、相手国等からの情報提供の要請について、租税条約等による情報不提供事由に該当する事情がないと判断した場合には、当該要請に係る情報の収集先が適切に特定されているか否かを検討する。
検討の結果、当該収集先が適切に特定されていないと判断した場合には、当該相手国等に対してその旨、その理由を伝達し、当該収集先を適切に特定することを依頼する。
相手国等から必要犯則情報の提供の要請があった場合には、庁国際業務課は、当該要請に係る情報が相手国等の税務当局が行う犯則事件の調査に欠くことのできないものであることを明らかにした当該相手国等の書面を受領したか否かを確認する。
庁国際業務課は、2の検討の結果、相手国等からの情報提供の要請に係る情報の収集先が適切に特定されていると判断した場合には、必要に応じて和訳を施した上で、別紙様式6により当該情報提供の要請を速やかに庁主管課に回付する。この際に、庁国際業務課は、次に掲げる場合には、それぞれ次の事項を庁主管課に伝達する。
庁主管課は、回付を受けた情報提供の要請に相手国等から不開示の求めがあった場合において、当該相手国等からの情報提供の要請に関して開示をしなければ、情報の収集先から情報を収集することが困難であると認めるときは、その旨及びその理由を庁国際業務課に伝達する。
庁国際業務課は、伝達を受けた内容を当該要請に係る相手国等に対し伝達した上で、当該開示の可否について照会し、当該相手国等から回答を受領した場合には、その内容を庁主管課に対して伝達する。
庁主管課は、4の情報提供の要請の回付を受けたときは、必要に応じて局管理者と協議の上、当該要請に係る情報の収集を行うことができるか否かについて検討をする。この場合、相手国等から不開示の求めがある場合には、当該相手国等からの情報提供の要請に関して情報の収集先に開示をしないことを前提として、当該検討を行う。
検討の結果、当該情報の収集を行うことができると認める場合は、庁主管課は、庁国際業務課から回付を受けた情報提供の要請を速やかに局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)回付する。
検討の結果、当該情報の収集を行うことができないと認める場合は、庁主管課は、庁国際業務課に対してその旨及びその理由を伝達する。この場合、庁国際業務課は、当該理由について確認し、我が国の法令及び行政運営並びに国際慣行に照らして妥当と判断したときは、当該相手国等に対して当該情報提供の要請に応じることができない旨及びその理由を回答し、当該理由が妥当でないと判断したときは、庁主管課に再検討を求める。
局(署)管理者は、6により庁主管課から情報提供の要請の回付を受けた場合には、情報収集担当者を指名する。
情報収集担当者は、収集すべき情報が税務申告書その他の部内資料から把握できる場合には、部内資料を用いて当該情報の収集を行い、部内資料からでは把握できない場合には、速やかに外部の収集先に対して情報の収集を行う。
情報収集担当者は、相手国等からの情報提供の要請に係る情報の収集を外部の収集先に対して行うに当たっては、当該情報の収集が租税条約等実施特例法第9条の規定に基づく相手国等への情報提供のための質問検査権の行使である旨(当該情報が必要犯則情報である場合には、同法第10条の2の規定に基づく質問、検査若しくは領置の権限の行使である旨又は同法第10条の3から第10条の3の3までの規定に基づく相手国等への必要犯則情報の提供のための臨検、捜索若しくは差押えその他の権限の行使である旨)を当該収集先に対して説明する。
加えて、情報の収集先から求めがあったときは、次に掲げる事項を説明する。ただし、当該相手国等から不開示の求めがあった場合には、その旨のみを説明する。
局(署)管理者は、情報収集担当者が収集した情報について別紙様式7により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付する。
当該収集した情報について、その提供の要請を行った相手国等がその調査の対象者に開示すれば、我が国における調査その他の事務に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、報告書にその旨及びその理由(以下この項及び10において「開示支障事情」という。)の特記をする。
庁主管課は、局(署)管理者から当該報告書を受領したときは、次に掲げる事項について確認をした上で、これを速やかに庁国際業務課に回付する。
庁国際業務課は、庁主管課から9の報告書の回付を受けた場合には、必要に応じて庁主管課と協議の上、次の事項について確認を行う。
庁国際業務課は、確認の結果、当該情報の提供が適当であると認めるときは、当該報告書に記載された情報を、必要に応じて英訳を施した上で、速やかに当該要請を行った相手国等に提供する。この場合に、報告書に開示支障事情の特記があるときは、我が国が情報の提供を行った旨の事実又は当該情報の内容を調査の対象者に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等からの情報提供の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
なお、相手国等からの情報提供の要請に係る事案の管理に当たっては、「税の透明性及び情報交換に関するグローバルフォーラム」の国際基準において、相手国等から情報提供の要請を受けた日から90日以内に相手国等に対し要請を受けた情報の提供又は進捗状況の通知をしなくてはならないとされていることを踏まえ、適切な事案の進行管理を行うべきことに留意する。
庁国際業務課は、相手国等から、その情報提供の要請に係る情報の収集の進捗状況について照会を受けた場合には、速やかにその旨を庁主管課に伝達する。
庁主管課は、必要に応じて局管理者に確認した上で、速やかに当該情報の収集の進捗状況を庁国際業務課に伝達する。
庁国際業務課は、庁主管課からの伝達の内容に基づいて当該情報の収集の進捗状況に関し説明を作成し、速やかに当該相手国等に回答する。
庁国際業務課は、米国内国歳入庁からFATCAに基づく情報提供の要請があった場合には、別紙様式16により作成した依頼文書により庁主管課に対して当該情報提供の要請があった旨を伝達するとともに、当該情報提供の要請において特定された日本国内金融機関(以下この章において「特定金融機関」という。)に宛てた不同意米国口座及び不参加金融機関に支払われた外国報告対象金額に関する照会文書を作成し、局FATCA事務取扱者に対して、次に掲げる事項を依頼する。
庁国際業務課は、局FATCA事務取扱者から1(2)の通知を受領した後に、1の照会文書を特定金融機関に対して発出する。
特定金融機関に対して1の照会文書を発出した後、回答期限までに回答がないときは、庁国際業務課は、当該特定金融機関に対してその進捗状況の照会を行い、必要に応じて回答を催促する。
庁国際業務課は、特定金融機関から1の照会文書に対する回答を受領した場合には、当該回答に基づき、当該特定金融機関の不同意米国口座及び不参加金融機関に支払われた外国報告対象金額に関する情報を米国内国歳入庁に提供する。
FATCAに基づく情報提供の要請に係る事案の管理は、庁国際業務課が行う。
FATCAに基づく情報提供は、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の条約(平成16年条約第2号)に基づいた要請に基づく情報交換として実施されるものであるが、第3章に定める手続は適用しないことに留意する。
I 自発的情報交換による情報の提供
自発的情報交換により相手国等(当該相手国等との間で締結されている租税条約等において自発的情報交換に関する規定が定められていない場合における当該相手国等を除く。以下この章において同じ。)に提供するべき情報は、当該相手国等の納税者に関する情報であって、当該相手国等における租税の賦課又は徴収において有益であると認めるものである。
なお、平成27年10月に経済協力開発機構(OECD)が公表した税源浸食と利益移転(BEPS)行動計画5最終報告書において、税務当局による特定の納税者の課税関係に関する決定、伝達その他の行為で他の国の租税収入に影響を及ぼしうるもの(II4において「ルーリング」という。)に関し、当該行為を行った税務当局は、それにより影響を受けうる国の税務当局に対して自発的情報交換により当該行為に係る情報を提供するべきとされたことを踏まえ、相互協議(租税条約の規定に基づく我が国の権限ある当局と外国の権限ある当局との間の協議をいう。)を伴わない事前確認(税務署長又は国税局長が、国外関連取引に係る独立企業間価格の算定方法及びその具体的内容等について確認を行うことをいう。)等の事案に関する情報については、自発的情報交換により当該事案に関係がある相手国等に提供する必要があることに留意する。
国税局又は税務署における租税の賦課又は徴収に係る調査その他の事務において、相手国等に提供するべき情報を収集した場合には、局(署)管理者は、当該情報に関する進達書を作成し、これを庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)送付することにより進達を行う。
当該進達書の作成又は送付に当たっては、以下に留意する。
庁主管課は、当該進達を受領したときは、当該進達に係る情報が当該相手国等における租税の賦課又は徴収において有益と認められるものであること、及び進達書に開示支障事情の特記がある場合には、それが事務運営上必要なものであることを確認した上で、これを庁国際業務課に回付する。
庁国際業務課は、庁主管課から2の進達の回付を受けた場合には、必要に応じて庁主管課と協議の上、次の事項について確認を行う。
庁国際業務課は、確認の結果、当該情報の提供が適当であると認めるときは、当該進達書に記載された情報を、必要に応じて英訳を施した上で、当該情報に係る納税者の居住地である相手国等に提供する。この場合に、進達書に開示支障事情の特記があるときは、我が国が情報の提供を行った旨の事実又は当該情報の内容を調査の対象者に開示しないことの求め及び当該開示支障事情を併せて相手国等に伝達する。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、自発的情報交換による相手国等への情報提供に係る事案の管理を行う。
II 自発的情報交換による情報の受領
庁国際業務課は、相手国等から自発的情報交換による情報を受領した場合(本章Vの場合を除く。)には、別紙様式9により情報箋を作成し、速やかに庁主管課を経由して当該情報に係る納税者の納税地を所轄する国税局又は税務署の局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)送付する。
国税局又は税務署の当該職員は、相手国等からその提供した情報を調査の対象者に開示しないことの求めがあった場合を除き、調査の対象である納税者に対して当該情報を開示することができる。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式3(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式4(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、自発的情報交換による相手国等からの情報の受領に係る事案の管理を行う(本章Vの場合を除く。)。
局(署)管理者は、相手国等から受領した情報を活用した場合には、当該情報を端緒として把握した増差所得、徴収した税額その他の成果の有無にかかわらず、当該情報を活用した月の翌月の末日までに当該情報の活用の事績について、別紙様式5により報告書を作成し、庁主管課に(署管理者は局管理者を経由して)提出するものとし、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。ただし、活用した当該情報がルーリングに係るものであり、その成果がなかった場合は、この限りでない。
V 特定国・地域からの実質的活動要件に係る自発的情報交換
庁国際業務課は、以下のいずれかの基準に該当する場合、特定国・地域で活動する法人等について、特定国・地域の税務当局から、実質的活動要件に係る自発的情報交換資料を受領する。
また、庁国際業務課は、特定国・地域から、実質的活動要件に係る自発的情報交換資料の提供を受けた場合において、当該自発的情報交換資料に形式的な誤り又は不備があると認めるときは、その旨を当該特定国・地域の税務当局に伝達し、速やかに確認することを求める。
庁国際業務課は、特定国・地域から実質的活動要件に係る自発的情報交換資料の提供を受けた場合、庁課税総括課へ連絡し、庁課税総括課は庁主管課を経由して、法人等の親会社等の納税地を所轄する国税局又は税務署の局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)送付する。
上記1(2)(特定国・地域におけるモニタリング活動が完備されている場合に限る。)又は上記1(3)に掲げる実質的活動要件に係る自発的情報交換資料について、庁主管課はその活用に当たり、より詳細な情報が必要となる場合は、情報交換要請により、追加情報の取得が可能であることから、第2章に定める手続きにより、庁国際業務課に対し、進達を行う。
国税局又は税務署の当該職員は、特定国・地域からその提供した情報を調査の対象者に開示しないことの求めがあった場合を除き、調査の対象である納税者に対して、当該情報を開示することができる。
局(署)管理者は、特定国・地域から受領した実質的活動要件に係る自発的情報交換資料を活用し、その成果があった場合には、当該情報を活用した月の翌月の末日までに当該情報の活用の事績について、別紙様式5により、報告書を作成し、庁主管課に(署管理者は局管理者を経由して)提出するものとし、庁主管課はこれを庁国際業務課に対して速やかに回付する。
庁国際業務課は、上記1(1)から(3)のいずれかの基準に該当する場合のほか、特定国・地域から、当該特定国・地域において日本居住者である旨を主張した法人等に係る情報を受領する。この場合において、当該法人等の居住性の確認を行い、日本居住者でないことが判明したときは、その結果を当該特定国・地域の税務当局へ通知する。
I 共通報告基準に係る自動的情報交換
報告金融機関等の本店又は主たる事務所の所在地(当該報告金融機関等が国内に本店又は主たる事務所を有しない場合その他の租税条約等実施特例法施行令第6条の14第2項で定める場合には、同項で定める場所)の所轄税務署長は、租税条約等実施特例法第10条の6の規定に基づき報告金融機関等から報告事項の提供を受けた場合には、庁管理運営課が定める手続により、それを庁国際業務課に対して回付する。
庁国際業務課は、回付を受けた報告事項に形式上の誤り又は不備があると認めるときは、当該報告事項を提出した報告金融機関等に対して速やかに訂正又は補正を求める。
庁国際業務課は、当該報告事項を9月末日までに、当該報告事項に係る非居住者の居住地である相手国等の税務当局に対して提供する。
庁国際業務課は、相手国等の税務当局から当該相手国等に所在する金融機関等から提供された我が国の居住者の報告事項に相当する事項について提供を受けた場合において、当該報告事項に相当する事項に形式上の誤り又は不備があると認めるときは、その旨を当該相手国等の税務当局に伝達し、速やかに確認することを求める。
II 国別報告書に係る自動的情報交換
庁国際業務課は、特定多国籍企業グループの最終親会社等又は代理親会社等から提出された国別報告書を当該特定多国籍企業グループの各最終親会計年度終了の日の翌日から15か月以内(最初の最終親会計年度に限り18か月以内)に、当該特定多国籍企業グループの構成会社等の居住地国等の税務当局に提供する。
庁国際業務課は、特定多国籍企業グループの最終親会社等又は代理親会社等の居住地国等の税務当局から、国別報告書を受領した場合において、その内容に形式上の誤り又は不備があると認めるときは、その旨を当該居住地国等の税務当局に伝達し、速やかに確認することを求める。
III その他の自動的情報交換
国税局資料センター(国税局(沖縄国税事務所を除く。)徴収部管理運営課又は沖縄国税事務所徴収課が運営する資料センターをいう。)は、非居住者への金銭の支払、物品の譲渡その他の取引(以下2において「金銭の支払等」という。)について、税務署長に提出された支払調書を基に情報を作成し、庁管理運営課に対して進達を行う。庁管理運営課は、進達を受けた情報を庁国際業務課に回付する。
庁国際業務課は回付を受けた情報を、自動的情報交換として、当該情報に係る非居住者の居住地である相手国等(当該相手国等との間で締結されている租税条約等において自動的情報交換に関する規定が定められていない場合における当該相手国等を除く。2において同じ。)に提供する。
庁国際業務課は、相手国等から自動的情報交換として我が国の居住者への金銭の支払等に関する情報を受領した場合には、これを速やかに庁管理運営課を経由して当該情報に係る納税者の納税地を所轄する国税局及び税務署に回付する。
I 相手国等からの情報の二次利用に関する同意の要請
庁国際業務課は、租税条約等に定めるところにより、当該情報交換により相手国等に提供した情報の二次利用(当該情報をその提供を受けた国等の刑事事件(当該国等の租税に関する刑事事件その他の当該国等の税務当局が調査を行う犯則事件を除く。)の捜査又は審判(以下この章において「捜査等」という。)に使用することをいう。以下同じ。)をすることについて、当該相手国等の税務当局から同意の要請があったときは、二次利用非適格事由に該当するか否かを検討する。この場合において、「二次利用非適格事由」とは、租税条約等実施特例法第8条の2第2項各号に定める次の場合であることに留意する。
庁国際業務課は、(3)の事由に該当するか否かを検討するに当たっては、庁主管課の意見を聴取するとともに、必要に応じて当該情報を収集した情報収集担当者の所属する国税局又は税務署に対して、庁主管課を経由して(税務署には局管理者を経由して)意見を求めるものとする。
庁国際業務課は、1の検討の結果、二次利用非適格事由に該当する事情がないと認める場合には、租税条約等実施特例法第8条の2第3項により、法務省刑事局国際刑事管理官に対して1(1)及び(2)に該当しないことについての確認を依頼することに留意する。
庁国際業務課は、1の検討の結果、二次利用非適格事由に該当する事情がないと認め、かつ、2の法務省刑事局の確認を受けた場合には、相手国等の税務当局に対して当該検討に係る情報の二次利用に同意をする旨を書面により通知し、それ以外の場合には、当該同意をしない旨を書面により通知する。
II 相手国等への情報の二次利用に関する同意の要請
国税局又は税務署は、我が国の他の行政機関から刑事事件における捜査等に使用するためにその所管する納税地に居住する者(以下1において「居住納税者」という。)に関する情報の二次利用の要請を受けた場合には、局総務課(国税局(沖縄国税事務所を除く。)総務部総務課及び沖縄国税事務所総務課をいう。以下この章において同じ。)を経由して庁国際業務課に対して当該要請を受けた旨及びその内容を進達する。ただし、局査察部(国税局(沖縄国税事務所を除く。)査察部及び調査査察部(調査事務に従事している課及び部門を除く。)並びに沖縄国税事務所査察課をいう。)が二次利用の要請を受けた場合の庁国際業務課に対する進達は、庁査察課(国税庁調査査察部査察課をいう。以下この章において同じ。)を経由して行う。
庁国際業務課は、1の進達を受けたときは、必要に応じて庁主管課と協議の上、当該進達に係る情報の二次利用の同意の要請が租税条約等及び我が国の法令の規定に適合したものであること、当該情報を提供した相手国等との情報交換の状況その他の事情を考慮し、当該要請を当該相手国等の税務当局に対して行うことの適否を検討する。
検討の結果、当該要請を行うことが適当であると判断した場合には、当該相手国等の税務当局に対して書面により当該情報の二次利用の同意の要請を行い、当該要請を行うことが適当でないと判断した場合には、局総務課又は庁査察課を経由して当該進達をした国税局又は税務署に対して、当該情報の二次利用は認められない旨を書面により伝達する。
庁国際業務課は、2の情報の二次利用の同意の要請をした相手国等の税務当局から回答を受領した場合には、当該回答が二次利用の同意をする旨のものであるときにはその旨を、同意をしない旨のものであるときには当該情報の二次利用は認められない旨を、それぞれ局総務課又は庁査察課を経由して当該要請に係る進達をした国税局又は税務署に対して書面により伝達する。
1の進達をした国税局又は税務署は、3により二次利用の同意をする旨の相手国等の税務当局の回答の伝達を受けたときは、第1章2に掲げる守秘義務を踏まえた適切な方法により、当該二次利用の要請をした他の行政機関に対応するべきことに留意する。
庁国際業務課は、情報交換により相手国等から受領した情報のうち、その活用により顕著な事績を挙げることができたもの、事後の調査の進展に重要な貢献をしたものその他の顕彰に値する功績を挙げたものについて、必要に応じて、当該情報を収集した相手国等の税務当局の職員その他の者に対し感謝状を贈呈することにより顕彰を行う。
また、庁国際業務課は、徴収の共助により相手国等が実施した共助のうち、顕著な事績を挙げることができたものその他の顕彰に値する功績を挙げたものについて、必要に応じて、当該徴収の共助を行った相手国等の税務当局の職員その他の者に対し感謝状を贈呈することにより顕彰を行う。
1の顕彰の対象者は、局(署)管理者から提出を受けた情報の活用事績の報告(第2章10及び第5章II4を参照)に記載された情報の活用事績を基に検討し、その中で特に顕彰に値すると認めるものを、必要に応じて庁主管課と協議の上、庁国際業務課において選定する。
1の徴収の共助に係る顕彰の対象者は、庁徴収課と協議の上、庁国際業務課において選定する。
I 相手国等への送達共助の要請
国税に関する法律の規定に基づいて税務署長その他の行政機関の長又はその職員が発する文書について相手国等に対して送達共助の要請をする必要がある場合において、税務署長その他の行政機関からその旨の連絡を受けた局(署)管理者は、当該要請について別紙様式10により庁主管課に(署管理者にあっては局管理者を経由して)進達を行い、庁主管課は、当該要請の内容を確認の上、これを庁国際業務課に対して回付する。
庁国際業務課は、1の進達を受けたときは、当該進達に係る送達共助の要請について、次に掲げる事項を充足しているか否かの検討を行う。
検討の結果、上に掲げる事項のいずれかが充足されていないと判断した場合には、庁国際業務課は、送達共助の要請を行うことができない旨を、庁主管課を経由して局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)伝達する。
庁国際業務課は、2の検討の結果、2(1)から(4)までに掲げる事項のいずれも充足していると判断した場合には、必要に応じて送達共助の要請に係る文書に翻訳を施し、又は当該文書の内容の概要を付した上で、速やかに相手国等の権限ある当局に対して当該文書の送達を要請する。
相手国等に対して送達共助の要請を行った場合において当該相手国等から送達を完了した旨の連絡があったときは、庁国際業務課は、別紙様式15により当該送達が完了した旨の連絡箋を作成し、これを庁主管課に対して送付する。当該連絡箋の送付を受けた庁主管課は、それを局(署)管理者に(署管理者には局管理者を経由して)回付する。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式11(1)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式12(1)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等に対して行った送達共助の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
II 相手国等からの送達共助の要請
庁国際業務課は、相手国等から送達共助の要請を受けたときは、当該要請について、次に掲げる事項を充足しているか否かの検討を行う。
検討の結果、上に掲げる事項のいずれかが充足されていないと判断した場合には、庁国際業務課は、送達を行うことができない旨及びその理由を、当該相手国等に対して伝達する。
庁国際業務課は、1の検討の結果、1(1)から(4)までに掲げる事項のいずれも充足していると判断した場合には、相手国等から送達共助の要請を受けた文書を別紙様式13により作成した依頼書と併せて速やかに庁主管課に対して回付する。
庁主管課は、庁国際業務課から回付を受けた当該文書及び依頼書を、局管理者を経由して、当該文書の名宛人の納税地を所轄する税務署の署管理者に回付する。
署管理者は、2により送達共助の要請に係る文書及び依頼書の回付を受けたときは、国税通則法第12条及び第14条の規定に準じて当該文書の送達を実施する。
署管理者は、相手国等からの要請に係る文書の送達を完了したときは、別紙様式14により報告を作成し、それを局管理者を経由して庁主管課に送付する。当該報告の送付を受けた庁主管課は、それを庁国際業務課に回付する。
庁国際業務課は、4の送達完了の報告の回付を受けたときは、相手国等からの要請に係る文書の送達を完了した旨及び当該送達の方法を当該相手国等に伝達する。
署管理者、局管理者及び庁主管課は別紙様式11(2)により「管理簿」を、庁国際業務課は別紙様式12(2)により「整理簿」を、それぞれ作成することにより、相手国等から受けた送達共助の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁主管課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁主管課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁主管課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局(署)管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
I 相手国等への徴収の共助の要請
庁国際業務課は、庁徴収課から徴収の共助の要請に係る進達の回付を受けた場合には、必要に応じて庁徴収課と協議の上、相手国等に速やかに要請する。
庁国際業務課は、相手国等へ徴収の共助の要請を行った後、当該相手国等から連絡を受けた場合には、庁徴収課に速やかに連絡する。
庁国際業務課は、徴収の共助の要請後、庁徴収課から当該要請に関する連絡を当該相手国等へ行うよう依頼を受けた場合には、当該相手国等へその旨を速やかに連絡する。
庁国際業務課は、別紙様式4(1)に準じた「整理簿」を作成することにより、相手国等に対して行った徴収の共助の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁徴収課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁徴収課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁徴収課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。
II 相手国等からの徴収の共助の要請
庁国際業務課は、相手国等から徴収の共助の要請があった場合には、必要に応じて庁徴収課と協議の上、庁徴収課に速やかに回付する。
庁国際業務課は、相手国等から徴収の共助の要請を受けた後、庁徴収課から当該要請に関する連絡を当該相手国等へ行うよう依頼を受けた場合には、当該相手国等にその旨を速やかに連絡する。
庁国際業務課は、相手国等から徴収の共助の要請を受けた後、当該相手国等から当該要請に係る連絡を受けた場合には、庁徴収課へその旨を速やかに連絡する。
庁国際業務課は、別紙様式4(2)に準じた「整理簿」を作成することにより、相手国等からの徴収の共助の要請に係る事案の管理を行う。
庁国際業務課は、四半期ごとに、その整理簿と庁徴収課の保有する管理簿との間の照合を行うことにより、当該要請に係る事案が適切に管理されているか否かの確認を行い、適切に管理が行われていない事実を把握した場合には、庁徴収課に対して適切な管理を行うべき旨を要請する。庁徴収課は、庁国際業務課から要請を受けた場合には、局管理者に対して、適切な管理を行うよう指導する。