33 仲裁手続

庁相互協議室は、仲裁手続に関する事務を行うに当たって、租税条約、租税条約等実施特例省令及び仲裁手続に係る実施取決めに従う。

34 仲裁手続を規定する租税条約に基づく相互協議の申立てがあった場合の手続

仲裁手続を規定する租税条約に基づく相互協議の申立てがあった場合には、第2に定めるところに加えて、次に定めるところによる。

(1) 庁相互協議室は、6(1)により相互協議申立書の提出を受けた場合には、速やかに相互協議の申立てがあった旨を相手国等の権限ある当局に通知する。

(2) 庁相互協議室は、相互協議の申立てが我が国における課税に係るものである場合を除き、速やかに相手国等の権限ある当局に対して、当該相互協議の申立てに理由があるか否かを判断するために必要と認められる資料の提示を求める。

(3) 庁相互協議室は、仲裁手続に係る実施取決めに定めるところにより相手国等の権限ある当局と相互協議の開始の日を確認し、当該相互協議の開始の日を申立者に通知する。

(注) 相互協議の開始の日とは、相手国等の権限ある当局に対し相互協議の申入れを行った日をいうのであるが、仲裁手続に係る実施取決めで定める一定の資料が提出された場合に限り、相互協議の申入れを行ったと認められることに留意する。

35 仲裁手続を規定する租税条約に基づく相互協議の申入れがあった場合の手続

相手国等の権限ある当局から、仲裁手続を規定する租税条約に基づく相互協議の申入れがあった場合には、第3に定めるところに加えて、次に定めるところによる。

(1) 庁相互協議室は、相互協議の申入れが我が国における課税に係るものである場合を除き、速やかに相手国等の権限ある当局に対して、当該相互協議の申入れに理由があるか否かを判断するために必要と認められる資料の提示を求める。

(2) 庁相互協議室は、仲裁手続に係る実施取決めに定めるところにより相手国等の権限ある当局と相互協議の開始の日を確認する。

(注) 相互協議の開始の日とは、相手国等の権限ある当局から相互協議の申入れがあった日をいうのであるが、仲裁手続に係る実施取決めで定める一定の資料が提出された場合に限り、相互協議の申入れがあったと認められることに留意する。

36 仲裁の要請ができる場合

仲裁の要請は、租税条約の規定に基づき、租税条約等実施特例省令第12条第3項の規定に従って行うことができる。

37 事前相談

庁相互協議室は、相互協議の申立てを行った個人又は法人から仲裁の要請に関して事前相談の要請を受けた場合には、これに応じ、必要な助言を行う等、適切に対応する。

38 仲裁の要請の手続

(1) 仲裁の要請は、「仲裁要請書」(別紙様式6)を庁相互協議室に提出することにより行われるものとする。

  1. (注) 税務署に仲裁要請書が誤って提出された場合には、管理運営担当部門は、速やかにこれを庁相互協議室に送付し、その旨を当該要請書を提出した者に通知する。
  2. 2 34(3)の相互協議の開始の日から租税条約に規定する期間を経過しても相互協議の合意に至らない場合に、仲裁の要請を行うことができることに留意する。

(2) 庁相互協議室は、収受した仲裁要請書及び添付書類の写しを、その収受した日の翌日から10日以内に、相手国等の権限ある当局に送付する。

39 仲裁の要請を行った者等への通知

(1) 庁相互協議室は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に掲げる事項を事案によって直接に影響を受ける者(相互協議の合意により我が国又は相手国等において所得金額等が変更される可能性のある者をいう。以下39において同じ。)に該当する個人又は法人に通知する。

  • イ 仲裁に付託される未解決の事項について決定した場合 当該仲裁に付託される未解決の事項
  • ロ 仲裁手続の期間の延長が行われた場合 当該仲裁手続の期間の延長の理由及び延長の期間
  • (注) 仲裁手続の期間の延長が行われた場合とは、例えば、次に掲げる場合である。
  • イ 租税条約に規定する期間内に相互協議の合意に至らなかったことが、主として、事案によって直接に影響を受ける者が適時に必要な資料を提出しなかったことに帰するものと認められ、その資料の提供の遅延に対応する期間、仲裁人の任命が延期された場合
  • ロ 申立者が争訟を優先する等の理由により相互協議の中断を求め、その中断に対応する期間、仲裁人の任命が延期された場合
  • ハ 我が国の権限ある当局、相手国等の権限ある当局及び事案によって直接に影響を受ける者が仲裁手続の期間の延長に合意した場合
  • ハ 仲裁決定が行われる前に仲裁手続が終了した場合 当該終了の理由
  • (注) 仲裁決定が行われる前に仲裁手続が終了した場合とは、例えば、次に掲げる場合である。
  • イ 相互協議において合意に至った場合
  • ロ 仲裁に付託された未解決の事項に関して、我が国における審査請求若しくは訴えについての裁決若しくは判決又は相手国等における当該審査請求若しくは訴えについての裁決若しくは判決に相当するものがあった場合

(2) 庁相互協議室は、仲裁の要請が相手国等の権限ある当局に行われた場合において、相手国等の権限ある当局から仲裁の要請が行われた旨の通知を受領したときは、(1)に加えて、当該通知を受けた事実及び当該受領の日を事案によって直接に影響を受ける者に該当する個人又は法人に通知する。

40 仲裁決定を実施するための相互協議の合意手続

仲裁決定を実施するための相互協議の合意手続は、15及び16又は27に定めるところによる。

41 仲裁の要請の取下げ

(1) 仲裁要請書の提出後、16(1)の通知(相互協議の合意の通知)を受けるまでは、仲裁の要請を行った者は仲裁の要請を取り下げることができるものとして取り扱う。

(2) 仲裁の要請の取下げは、「仲裁要請の取下書」(別紙様式7)を、庁相互協議室に提出することにより行われるものとする。

(注) 税務署に仲裁要請の取下書が誤って提出された場合には、管理運営担当部門は、速やかにこれを庁相互協議室に送付し、その旨を当該取下書を提出した者に通知する。

(3) 仲裁の要請を行った者が、仲裁の要請の取下げとともに相互協議の申立ての取下げを行う場合には、18(2)の「相互協議申立ての取下書」を提出すれば足り、「仲裁要請の取下書」の提出は要しないことに留意する。

(4) 庁相互協議室は、(2)により仲裁要請の取下書の提出を受けた場合には、相手国等の権限ある当局に、仲裁の要請が取り下げられたために仲裁手続を終了する旨を通知する。