課法2-1
課総5-2
査調4-1
査察1-1
平成27年2月13日
改正 平成28年12月12日
改正 平成29年7月4日
改正 令和元年7月4日
改正 令和4年6月30日
改正 令和4年10月25日
改正 令和5年6月23日
各国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿
国税庁長官
標題のことについて、国税通則法(以下「通則法」という。)第65条、第66条及び第68条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に関し留意すべき事項等を下記のとおり定めたから、これにより取り扱われたい。
(趣旨)
地方法人税の過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税の賦課に関する取扱基準の整備等を図ったものである。
記
1 通則法第65条第1項又は第6項の規定を適用する場合において、その法人に対する臨場調査、その法人の取引先の反面調査又はその法人の申告書の内容を検討した上での非違事項の指摘等により、当該法人が調査のあったことを了知したと認められた後に修正申告書が提出された場合の当該修正申告書の提出は、原則として、これらの規定に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当する。
(注) 臨場のための日時の連絡を行った段階で修正申告書が提出された場合には、原則として「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。
2 法人税につき通則法第65条第4項各号に掲げる場合に該当する場合には、地方法人税についても、同項各号に掲げる場合に該当することに留意する。
3 通則法第65条の規定の適用に当たり、例えば、納税者の責めに帰すべき事由のない次のような事実は、同条第5項第1号に規定する正当な理由があると認められる事実として取り扱う。
(1) 税法の解釈に関し、申告書提出後新たに法令解釈が明確化されたため、その法令解釈と法人の解釈とが異なることとなった場合において、その法人の解釈について相当の理由があると認められること。
(注) 税法の不知若しくは誤解又は事実誤認に基づくものはこれに当たらない。
(2) 法人税の調査により引当金等の損金不算入額が法人の計算額より減少したことに伴い、その減少した金額を認容した場合に、翌事業年度においていわゆる洗替計算による引当金等の益金算入額が過少となるためこれを税務計算上否認(いわゆるかえり否認)したことにより基準法人税額が増加したこと。
4 通則法第65条第6項に規定する調査通知(以下「調査通知」という。)を行う場合の同項の規定の適用については、次の点に留意する。
(1) 通則法第65条第6項の規定は、納税義務者(通則法第74条の9第5項に規定する場合に該当するときは、納税義務者又は同項に規定する税務代理人)に対して調査通知を行った時点から、適用されない。
(注)
(2) 調査通知を行った場合において、調査通知後に修正申告書が提出されたときは、当該調査通知に係る調査について、実地の調査が行われたかどうかにかかわらず、通則法第65条第6項の規定の適用はない。
(3) 調査通知後の修正申告書の提出が、次に掲げる場合には、調査通知がある前に行われたものとして取り扱う。
① 当該調査通知に係る調査について、通則法第74条の11第1項の通知をした後又は同条第2項の調査結果の内容に基づき納税義務者から修正申告書が提出された後若しくは通則法第29条第1項に規定する更正若しくは通則法第32条第5項に規定する賦課決定をした後に修正申告書が提出された場合
② 調査通知後の修正申告書の提出が、平成12年7月3日付課法2−9ほか3課共同「法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」(事務運営指針)(以下「法人税過少等指針」という。)の第1の4(3)②若しくは③又は平成16年3月26日付課法2−7ほか3課共同「連結法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて」(事務運営指針)(以下「連結法人税過少等指針」という。)の第1の3(3)、若しくはによる法人税又は連結法人税(連結所得に対する法人税をいう。)の修正申告書の提出に伴うものである場合
③ 当該修正申告書が、例えば、消費税及び地方消費税について更正の請求に基づく減額更正が行われたことに伴い提出された場合。
ただし、当該修正申告書に当該減額更正に係る部分以外の部分が含まれる場合には、当該減額更正に係る部分以外の部分は、調査通知がある前に行われたものとして取り扱わない。
1 通則法第66条の規定を適用する場合において、災害、交通・通信の途絶その他期限内に申告書を提出しなかったことについて真にやむを得ない事由があると認められたときは、期限内申告書の提出がなかったことについて正当な理由があるものとして取り扱う。
2 第1の1の取扱いは、通則法第66条第1項、第3項、第6項、第8項又は第9項の規定を適用する場合において、期限後申告書又は修正申告書の提出が決定又は更正があるべきことを予知してされたものである場合の判定について準用する。
3 通則法第66条第1項の規定に該当する場合において、第1の3に掲げるような事実があると認められるときは、同条第3項の「加算後累積納付税額の計算の基礎となった事実のうちに(……)納税者の責めに帰すべき事由がないと認められるものがあるとき」に該当するものとして取り扱う。
(注) 通則法第66条第7項において準用する通則法第65条第5項(第1号に係る部分に限る。)の規定の適用がある場合において、同号に規定する「正当な理由があると認められる事実に基づく税額」は、通則法第66条第2項に規定する加算後累積納付税額には含まれないのであるから、当該事実に基づく税額は同条第3項の「納税者の責めに帰すべき事由がないと認められる事実に基づく税額」に含まれないことに留意する。
4 通則法第66条第1項第1号に該当する場合には、期限後申告又は決定前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)は存在しないのであるから、その場合には、同条第2項に規定する加算後累積納付税額の計算の基礎となった事実については、その全てが、同条第3項の「申告、更正又は決定前の税額(還付金の額に相当する税額を含む。)の計算の基礎とされていなかったこと」となることに留意する。
5 第1の2の取扱いは、通則法第66条第5項の規定の適用について準用する。
6 通則法第66条第6項の規定の適用に当たっては、次の点に留意する。
(1) 通則法第119条第4項の規定により無申告加算税又は重加算税の全額が切り捨てられた場合には、無申告加算税等(通則法第66条第6項第1号に規定する無申告加算税等をいう。以下6において同じ。)を課されたことがある場合に該当せず、通則法第119条第4項の規定により無申告加算税又は重加算税の全額が切り捨てられた、又は切り捨てられる場合には、特定無申告加算税等(通則法第66条第6項第2号に規定する特定無申告加算税等をいう。以下6において同じ。)を課されたことがあり、又は特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合に該当しない。
(2) 被合併法人の各課税事業年度の地方法人税について、無申告加算税等を課されたことがある場合又は特定無申告加算税等を課されたことがあり、若しくは特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合には、これらの無申告加算税等又は特定無申告加算税等が合併法人の行為に基因すると認められるときに限り、当該合併法人について、無申告加算税等を課されたことがある場合又は特定無申告加算税等を課されたことがあり、若しくは特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合に該当するものとして取り扱う。
また、連結納税の承認を取り消され、又は連結納税の適用の取りやめの承認を受ける前の各課税事業年度の地方法人税について、無申告加算税等を課されたことがある場合又は特定無申告加算税等を課されたことがあり、若しくは特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合には、連結親法人であった法人について、無申告加算税等を課されたことがある場合又は特定無申告加算税等を課されたことがあり、若しくは特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合に該当するものとして取り扱う。
(注) 無申告加算税等又は特定無申告加算税等を課された一の法人について、その後分割が行われた場合であっても、分割承継法人について、無申告加算税等を課されたことがある場合又は特定無申告加算税等を課されたことがある場合には該当せず、分割前の期間が含まれる分割法人の各課税事業年度の地方法人税について特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合であっても、分割承継法人について特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合には該当しない。
(3) 通則法第66条第6項第2号の「課税期間の初日の属する年」の前年中又は前々年中に開始した各課税期間(課税事業年度)が1年未満のものがある場合には、同項(同号に係る部分に限る。)の規定は、当該前年中に課税期間(課税事業年度)が開始した地方法人税のうちのいずれか及び当該前々年中に開始した課税期間(課税事業年度)の地方法人税のうちのいずれかについて特定無申告加算税等を課されたことがあり、又は特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合に該当するときに適用されるものであり、当該前年中及び当該前々年中に開始した各課税期間(課税事業年度)の地方法人税の全てについて特定無申告加算税等を課されたことがあり、又は特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合に該当することは要しない。
7 第1の4の取扱いは、調査通知を行う場合の通則法第66条第8項の規定の適用について準用する。
8 通則法第66条の規定による無申告加算税を課す場合には、次の点に留意する。
(1) 申告書が期限後に提出され、その期限後に提出されたことについて通則法第66条第1項ただし書に規定する正当な理由があると認められた場合又は同条第9項の規定の適用があった場合において、当該申告について、更に修正申告書の提出があり、又は更正があったときは、当該修正申告又は更正により納付することとなる税額については無申告加算税を課さないで通則法第65条の規定による過少申告加算税を課す。
(2) 通則法第66条第7項において準用する通則法第65条第5項第1号に定める正当な理由があると認められる事実は、第1の3に掲げるような事実とする。
(3) 所得税法等の一部を改正する法律(令和2年法律第8号)による改正前の国税通則法第66条第4項の規定の適用上、連結法人の行為に基因する無申告加算税等は、連結親法人が課されたことがあるものとして取り扱う。
また、連結親法人の連結納税を適用する前の各課税事業年度の地方法人税について無申告加算税等を課された場合であっても、無申告加算税等が課されたことがあるものとして取り扱う。
(注) 連結法人(連結親法人を除く。)の連結納税を適用する前の各課税事業年度の地方法人税について無申告加算税等を課されていたとしても、当該連結親法人について無申告加算税等を課されたことがあるときには該当しない。
1 通則法第65条第3項第1号に規定する累積増差税額には、同条第6項の規定の適用がある修正申告書の提出により納付すべき税額は含まれないものとし、通則法第66条第4項に規定する累積納付税額には、同条第8項の規定の適用がある期限後申告書又は修正申告書の提出により納付すべき税額は含まれないものとする。
(注) 通則法第65条第6項の規定の適用がある修正申告書又は通則法第66条第8項の規定の適用がある期限後申告書若しくは修正申告書において、第1の4(3)の取扱いによって、調査通知がある前に行われたものとして取り扱われないものが含まれる場合は、これに対応する納付すべき税額は、それぞれ通則法第65条第3項第1号に規定する累積増差税額又は通則法第66条第4項に規定する累積納付税額に含まれることに留意する。
2 過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額を計算する場合において、通則法第65条第5項第1号(通則法第66条第7項において準用する場合を含む。)の規定により控除すべきものとして国税通則法施行令(以下「通則令」という。)第27条第2項第1号に規定する正当な理由があると認められる事実(以下「正当事実」という。)のみに基づいて更正、決定、修正申告又は期限後申告(以下「更正等」という。)があったものとした場合の税額の基礎となる基準法人税額は、当該正当事実のみに基づいて更正等があったものとした場合の所得金額又は連結所得金額により計算する。
(注) 正当事実のみに基づいて更正等があったものとした場合の所得金額又は連結所得金額の計算については、法人税過少等指針の第3の2及び連結法人税過少等指針の第3の2による。
3 通則法第66条第3項の規定により加算後累積納付税額から控除すべきものとして通則令第27条第6項に規定する納税者の責めに帰すべき事由がないと認められる事実(以下「帰責性のない事実」という。)のみに基づいて通則法第66条第1項各号に規定する申告、更正又は決定(以下「申告等」という。)があったものとした場合の税額の計算の基礎となる基準法人税額は、当該帰責性のない事実のみに基づいて申告等があったものとした場合の所得金額により計算する。
(注) 帰責性のない事実のみに基づいて申告等があったものとした場合の所得金額の計算については、法人税過少等指針の第3の4による。
4 第1の4(3)②又は③ただし書の取扱い(第2の7において準用する場合を含む。)を行う場合において、過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額を計算するときは、法人税過少等指針の第3の5及び連結法人税過少等指針の第3の4による。
5 通則法第119条第4項の規定に基づき重加算税の全額が切り捨てられる場合には、その切り捨てられることとなった重加算税の計算の基礎となった地方法人税の額(通則法第118条第3項の規定を適用する前の額をいう。)は、過少申告加算税又は無申告加算税の計算の基礎となる税額に含まれないのであるから留意する。
6 通則法第66条第3項各号に掲げる税額は、通則法第118条第3項の「その計算の基礎となる税額」に該当するのであるから、通則法第66条第3項の規定により無申告加算税の額を計算する場合において、同項各号に掲げる税額に区分された加算後累積納付税額若しくは累積納付税額のそれぞれの税額に1万円未満の端数があるとき、又はこれらの税額の全額が1万円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てて計算することに留意する。
1 法人税につき通則法第68条第1項又は第2項に規定する国税の課税標準又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装していた事実(以下「不正事実」という。)がある場合には、当該不正事実は、地方法人税においても不正事実に該当することに留意する。
2 第2の6及び8(3)の取扱いについては、通則法第68条第4項の規定の適用に当たり、同項第1号に規定する「無申告加算税等を課され、又は徴収されたことがある場合」又は同項第2号に規定する「特定無申告加算税等を課されたことがあり、又は特定無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認める場合」について準用する。
1 重加算税の計算の基礎となる税額は、通則法第68条及び通則令第28条の規定により、その基因となった更正等があった後の税額から隠蔽又は仮装をされていない事実だけに基づいて計算した税額を控除して計算するのであるが、この場合、その隠蔽又は仮装をされていない事実だけに基づいて計算した税額の基礎となる基準法人税額は、当該隠蔽又は仮装をされていない事実だけに基づいて計算した所得金額又は連結所得金額により計算する。
(注) 隠蔽又は仮装をされていない事実だけに基づいて計算した所得金額又は連結所得金額の計算については、平成12年7月3日付課法2−8ほか3課共同「法人税の重加算税の取扱いについて」(事務運営指針)(以下「法人税重加指針」という。)の第3の1及び平成16年3月26日付課法2−6ほか3課共同「連結法人税の重加算税の取扱いについて」(事務運営指針)(以下「連結法人税重加指針」という。)の第3の1による。
2 地方法人税法第23条第1項((欠損金の繰戻しによる法人税の還付があった場合の還付))の規定による還付を受けた場合において、同項に規定する「同法第80条第10項の規定による還付金の額」のうちに、不正に繰戻し還付を受けたことにより法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額があるときの地方法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額は、当該法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額に100分の10.3を乗じて計算した金額(当該金額が地方法人税法第23条第1項に規定する確定地方法人税額を超える場合には、当該確定地方法人税額)による。
(注) 不正に繰戻し還付を受けたことにより法人税に係る重加算税の計算の基礎となる税額の計算については、法人税重加指針の第3の3及び連結法人税重加指針の第3の3による。
第1から第5までの取扱いは、通算法人(通算法人であった内国法人を含む。以下同じ。)の地方法人税に対する通則法第65条、第66条及び第68条第1項若しくは第2項又は第4項の規定の適用に当たっても同様とするほか、次に掲げる取扱いは、それぞれ次に定めることに留意する。
(1) 第1の1本文の取扱い
他の通算法人の通算適用事業年度(法人税法第64条の5及び第64条の7の規定その他通算法人のみに適用される規定(以下「通算規定」という。)を適用した事業年度及び課税事業年度をいう。)に係る調査により、当該他の通算法人に対して、通算規定に係る金額の計算の基礎とされた当該他の通算法人の有する金額等に関する非違事項の指摘等があったとしても、第1の1に定める事由により、当該通算法人が調査のあったことを了知したと認められる前に修正申告書が提出された場合の当該修正申告書の提出は、原則として、通則法第65条第1項又は第6項に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しない。
(2) 第1の3の取扱い
通算規定に係る金額の計算の基礎とされた他の通算法人の有する金額等が異動したことに伴い当該通算法人の地方法人税について通則法第35条第2項の規定により納付すべき税額が生じたことは、他の通算法人及び当該通算法人のいずれについてもその責めに帰すべき事由のない場合を除いて、通則法第65条第5項第1号に規定する正当な理由があると認められる事実に該当しない。