平成26年6月
国税庁

 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する異議申立て及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度があります。

 このうち、「異議申立て」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続であり、国税に関する処分についての納税者の救済制度の第一段階です。

 異議申立事務の遂行に当たっては、納税者の権利救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な運営を心掛けているところです。

 今般、平成25年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)の異議申立ての状況を次のとおり取りまとめました。

異議申立て <簡易・迅速かつ適正な権利救済>

1 異議申立ての状況(表1)

 =異議申立ての件数は2,358件で、前年度より31.1%減少=

(表1)
異議申立ての状況のグラフ

 平成25年度における異議申立ての件数は、申告所得税、源泉所得税、法人税等、相続税・贈与税、消費税等及び徴収関係に係る件数が減少したことに伴い2,358件と過去10年間で最少であり、前年度と比べ31.1%の減少となっています。

2 異議申立ての処理状況(表2)

 =異議申立てにおける認容割合は10.0%で、前年度より増加=

(表2)
異議申立ての処理状況のグラフ

 平成25年度の異議申立ての処理件数は2,534件となっています。

 処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は253件(一部認容179件、全部認容74件)で、その割合は10.0%(一部認容7.1%、全部認容2.9%)となっており、前年度と比べ0.1ポイントの増加となっています。

 異議申立てについては、迅速な処理に努めており、異議申立ての3か月以内の処理件数割合は97.0%となっています(割合は、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています)。

(参考計表)

1 異議申立ての状況

(単位:件、%)
区分 課税関係 徴収関係 合計
申告所得税 源泉所得税 法人税 相続税
贈与税
消費税等 その他  
24年度 836 74 455 335 1,325 8 3,033 391 3,424
25年度 617 42 396 170 756 21 2,002 356 2,358
前年度比 73.8 56.8 87.0 50.7 57.1 262.5 66.0 91.0 68.9

2 異議申立ての処理状況

(単位:件、%)
区分 要処理件数 異議申立ての処理状況 未済 3か月以内処理件数割合
取下げ等 却下 棄却 認容 合計
  一部 全部
24年度(構成比) 4,102 576 396 1,989 325   3,286 816 95.4
260 65
(17.5) (12.1) (60.5) (9.9) (7.9) (2.0) (100.0)
25年度(構成比) 3,174 355 272 1,654 253   2,534 640 97.0
179 74
(14.0) (10.7) (65.3) (10.0) (7.1) (2.9) (100.0)
  課税関係 2,770 318 73 1,540 252 179 73 2,183 587 96.5
徴収関係 404 37 199 114 1 0 1 351 53 99.7

(注) 3か月以内処理件数割合については、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています。