説明事項

赤字申告法人の調査の結果、160億円を追徴
〜8件に1件が黒字に〜

(3) 赤字申告法人に対する実地調査の事績(表4参照)

全体の約7割を占める赤字申告法人の中には、税負担を逃れるために故意に赤字に仮装している法人もあることから、赤字申告法人に対しても積極的に調査を行っている。
 平成20事務年度における赤字申告法人に対する調査事績は、次のとおりである。

  • イ 調査件数は16,213件で、このうち仮装・隠ぺいによる不正計算のあったものは3,522件である。これは更正・決定等の件数の32.4%に当たる。
  • ロ 更正・決定等により増加した法人税の申告漏れ所得金額は2,331億円で、増加した税額は160億円である。
     なお、不正脱漏所得金額は401億円である。
  • ハ 更正・決定等1件当たりの申告漏れ所得金額は2,147万円、不正1件当たりの不正脱漏所得金額は1,139万円である。
  • ニ 調査の結果、赤字から黒字に転換した件数は1,965件で、調査した法人の12.1%の法人が、実際は黒字であるにもかかわらず赤字申告をしていた。
  • ホ 消費税の調査件数は15,181件で、そのうち非違があったものは、8,461件である(表5参照)。
     また、これによって増加した税額は88億円である。

参考

表4 赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
19 20 前年対比 (参考)全国に占める割合
件数 実地調査件数 1 15,902 16,213 102.0% 32.9%
更正・決定等の件数 2 10,875 10,855 99.8% 31.6%
不正のあった件数 3 3,504 3,522 100.5% 29.2%
黒字に転換した件数 4 2,196 1,965 89.5% 28.2%
増加所得等 増加所得金額 百万円 5 293,394 233,100 79.4% 46.6%
不正所得金額 百万円 6 50,932 40,122 78.8% 25.4%
増加税額(加算税を含む) 百万円 7 18,293 15,966 87.3% 40.4%
分析 更正・決定等の割合(2/1) 8 68.4 67.0 - 1.4
2のうち、不正のあった割合(3/2) 9 32.2 32.4 + 0.2
黒字に転換した割合(4/1) 10 13.8 12.1 - 1.7
更正等1件当たり増加所得(5/2) 千円 11 26,979 21,474 79.6%
不正1件当たり不正所得(6/3) 千円 12 14,535 11,392 78.4%

(参考)赤字申告法人に対する実地調査(法人税)の事績
平成20事務年度の赤字申告法人に対する実地調査の状況を表したグラフ

表5 赤字申告法人に対する実地調査(消費税)の事績(税務署所管法人及び調査部所管法人)
事務年度
項目
19 20 前年対比
実地調査件数 1 14,873 15,181 102.1%
非違件数 2 8,466 8,461 99.9%
増加税額(加算税を含む) 百万円 3 15,247 8,809 57.8%
調査1件当たりの増加税額(3/1) 千円 4 1,055 580 55.0%