相続税の実地調査は、平成28年に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
	 実地調査の件数は410件(平成29事務年度415件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は385件(平成29事務年度391件)で、非違割合は93.9%(平成29事務年度94.2%)となっています。
申告漏れ課税価格は144億67百万円(平成29事務年度138億86百万円)で、実地調査1件当たりでは3,529万円(平成29事務年度3,346万円)となっています。
申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等63億35百万円(平成29事務年度51億61百万円)が最も多く、続いて土地16億32百万円(平成29事務年度19億92百万円)、有価証券7億33百万円(平成29事務年度14億7百万円)、の順となっています。
追徴税額(加算税を含む。)は27億37百万円(平成29事務年度24億5百万円)で、実地調査1件当たりでは668万円(平成29事務年度579万円)となっています。
重加算税の賦課件数は89件(平成29事務年度63件)、賦課割合は23.1%(平成29事務年度16.4%)となっています。
実地調査以外の接触で、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)を実施しています。
	 平成30事務年度における簡易な接触の件数は、640件(平成29事務年度438件)、この申告漏れ等の非違及び回答等があった件数は392件(平成29事務年度290件)で、この割合は61.3%(平成29事務年度66.2%)となっています。
| 事務年度 | 平成29事務年度 | 平成30事務年度 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 項目 | 対前事務年度比 | ||||||
|  | 調査件数 | 件 | 件 | % | |||
| 415 | 410 | 98.8 | |||||
|  | 申告漏れ等の非違件数 | 件 | 件 | % | |||
| 391 | 385 | 98.5 | |||||
|  | 非違割合 (  /  ) | % | % | ポイント | |||
| 94.2 | 93.9 | ▲ 0.3 | |||||
|  | 重加算税賦課件数 | 件 | 件 | % | |||
| 63 | 89 | 141.3 | |||||
|  | 重加算税賦課割合 (  /  ) | % | % | ポイント | |||
| 16.1 | 23.1 | 7.0 | |||||
|  | 申告漏れ課税価格 | 百万円 | 百万円 | % | |||
| 13,886 | 14,467 | 104.2 | |||||
|  |  のうち 重加算税賦課対象 | 百万円 | 百万円 | % | |||
| 1,864 | 2,890 | 155.0 | |||||
|  | 追徴税額 | 本税 | 百万円 | 百万円 | % | ||
| 2,079 | 2,345 | 112.8 | |||||
|  | 加算税 | 百万円 | 百万円 | % | |||
| 326 | 392 | 120.2 | |||||
|  | 合計 | 百万円 | 百万円 | % | |||
| 2,405 | 2,737 | 113.8 | |||||
|  | 1件当たり | 申告漏れ課税価格 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | ||
| 3,346 | 3,529 | 105.5 | |||||
|  | 追徴税額 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | |||
| 579 | 668 | 115.4 | |||||
(注)
 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産価額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。
「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産価額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報、租税条約に基づく情報交換資料などを活用し、無申告事案の把握を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。
| 事務年度 | 平成29事務年度 | 平成30事務年度 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 項目 | 対前事務年度比 | ||||
|   | 実地調査件数 | 件 | 件 | % | |
| 52 | 63 | 121.2 | |||
|   | 申告漏れ等の非違件数 | 件 | 件 | % | |
| 50 | 61 | 122.0 | |||
|  | 非違の割合 (  /  ) | % | % | ポイント | |
| 96.2 | 96.8 | 0.6 | |||
|  | 申告漏れ課税価格 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 5,209 | 5,316 | 102.1 | |||
|  | 追徴税額 | 本税 | 百万円 | 百万円 | % | 
| 493 | 345 | 70.0 | |||
|  | 加算税 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 69 | 72 | 104.3 | |||
|  | 合計 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 563 | 417 | 74.1 | |||
|  | 実地調査 1件当たり | 申告漏れ課税価格 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | 
| 10,017 | 8,438 | 84.2 | |||
|  | 追徴税額 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | |
| 1,082 | 662 | 61.2 | |||
国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、資料情報の収集、租税条約に基づく情報交換に努めるとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、令和元事務年度も積極的に贈与税の調査を実施し、適正申告の確保に努めています。
| 事務年度 | 平成29事務年度 | 平成30事務年度 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 項目 | 対前事務年度比 | ||||
|   | 実地調査件数 | 件 | 件 | % | |
| 147 | 109 | 74.1 | |||
|   | 申告漏れ等の非違件数 | 件 | 件 | % | |
| 142 | 105 | 73.9 | |||
|  | 申告漏れ課税価格 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 516 | 674 | 130.6 | |||
|  | 追徴税額 | 百万円 | 百万円 | % | |
| 105 | 200 | 190.5 | |||
|  | 実地調査 1件当たり | 申告漏れ課税価格 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | 
| 351 | 618 | 176.1 | |||
|  | 追徴税額 (  /  ) | 万円 | 万円 | % | |
| 71 | 183 | 257.7 | |||
○ 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。
<「申告漏れ等の非違件数」の状況>

<「申告漏れ課税価格」の状況>

