平成22年11月
高松国税局

 所得税及び個人事業者の消費税について、平成21事務年度(平成21年7月から平成22年6月までの間)に実施した調査等の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 所得税

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

 所得税の調査等については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しているほか、文書又は来署依頼による面接等により計算誤りや所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触(以下「簡易な接触」という。)を実施し、適正・公平な課税に努めています。
 調査等の件数は、特別調査・一般調査は1,507件(前事務年度1,496件)、着眼調査は1,570件(前事務年度1,372件)、簡易な接触は12,351件(前事務年度11,327件)となっています。
 また、これらの調査等の合計件数は、15,428件(前事務年度14,195件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、11,822件(前事務年度11,383件)となっています。

(2) 申告漏れ所得金額の状況

 申告漏れ所得金額(調査等の対象となったすべての年分の合計)は、全体で380億53百万円(前事務年度323億44百万円)あり、このうち特別調査・一般調査によるものは152億83百万円(前事務年度152億16百万円)、着眼調査によるものは44億93百万円(前事務年度35億80百万円)、簡易な接触によるものは182億77百万円(前事務年度135億48百万円)となっています。

(3) 追徴税額の状況

 追徴税額(調査等の対象となったすべての年分の合計で加算税を含む)は、全体で42億円(前事務年度35億82百万円)あり、このうち特別調査・一般調査によるものは29億35百万円(前事務年度26億26百万円)、着眼調査によるものは3億29百万円(前事務年度2億62百万円)、簡易な接触によるものは9億36百万円(前事務年度6億94百万円)となっています。

2 所得税(譲渡所得分)

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

 所得税(譲渡所得分)については、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用し、申告のないもの又は申告額が過少であると認められるものを対象に、高額あるいは悪質と見込まれるものを優先して調査等を実施しています。
 調査等の件数は、2,755件(前事務年度3,853件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、1,298件(前事務年度2,036件)となっています。

(2) 申告漏れ所得金額の状況

 申告漏れ所得金額(調査等の対象となったすべての年分の合計)は、69億37百万円(前事務年度107億47百万円)となっています。

3 消費税(個人事業者)

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

 消費税(個人事業者)の調査等については、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象に、原則として所得税の調査等と同時に実施することとしておりますが、消費税のみ無申告とする納税者に対しては、着眼調査や簡易な接触により適正な課税に努めています。
 調査等の件数は、特別調査・一般調査は918件(前事務年度1,025件)、着眼調査は711件(前事務年度726件)、簡易な接触は1,119件(前事務年度690件)となっています。
 また、これらの調査等の合計件数は2,748件(前事務年度2,441件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は2,196件(前事務年度1,888件)となっています。

(2) 追徴税額の状況

 追徴税額(調査等の対象となったすべての年分の合計で加算税を含む)は、全体で10億57百万円(前事務年度10億35百万円)あり、このうち特別調査・一般調査によるものは8億28百万円(前事務年度8億31百万円)、着眼調査によるものは1億46百万円(前事務年度1億39百万円)、簡易な接触によるものは83百万円(前事務年度65百万円)となっています。

(参考1)平成21事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(局計)

1 所得税

区分
項目
実地調査 4簡易な接触 5調査等合計 6譲渡所得調査等
1特別・一般 2着眼 3
1 調査等件数 1,496 1,372 2,868 11,327 14,195 3,853
1,507 1,570 3,077 12,351 15,428 2,755
2 申告漏れ等の非違件数 1,322 972 2,294 9,089 11,383 2,036
1,297 1,023 2,320 9,502 11,822 1,298
3 申告漏れ所得金額 百万円 15,216 3,580 18,796 13,548 32,344 10,747
15,283 4,493 19,776 18,277 38,053 6,937
4 追徴税額 本税 百万円 2,263 237 2,500 654 3,154  
2,547 294 2,841 894 3,735
5 加算税 百万円 363 25 388 40 428  
388 35 423 42 465
6 百万円 2,626 262 2,888 694 3,582  
2,935 329 3,264 936 4,200
7 一件当たり 申告漏れ所得金額 千円 10,171 2,609 6,554 1,196 2,279 2,789
10,141 2,862 6,427 1,480 2,466 2,518
8 追徴税額 本税 千円 1,513 173 872 58 222  
1,690 187 923 72 242
9 加算税 千円 243 18 135 4 30  
257 22 138 3 30
10 千円 1,755 191 1,007 61 252  
1,947 210 1,061 76 272

(注)

  • 1 平成21年7月から平成22年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となったすべての年分の合計の計数である。
  • 2 上段は、前事務年度の計数である。
  • 3 単位未満を四捨五入しているため、合計に符合しない箇所がある。

【参考1】特別調査・一般調査とは、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を行うものであり、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる者等を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものである。

【参考2】着眼調査とは、資料情報や事業実態の解明を通じて申告漏れ所得等の把握を実地に臨場して短期間で行う調査である。

【参考3】簡易な接触とは、納税者宅等に臨場することなく、文書や電話又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものである。

2 消費税(個人事業者)

区分
項目
実地調査 10簡易な接触 11調査等合計
7特別・一般 8着眼 9
11 調査等件数 1,025 726 1,751 690 2,441
918 711 1,629 1,119 2,748
12 申告漏れ等の非違件数 856 586 1,442 446 1,888
782 606 1,388 808 2,196
13 追徴税額 本税 百万円 717 125 841 59 900
709 130 838 74 913
14 加算税 百万円 115 14 129 6 135
120 16 136 9 144
15 百万円 831 139 970 65 1,035
828 146 974 83 1,057
16 一件当たり 追徴税額 本税 千円 699 172 480 86 369
772 183 515 66 332
17 加算税 千円 112 20 74 9 55
130 22 83 8 52
18 千円 811 191 554 94 424
902 205 598 74 385

(注)

  • 1 平成21年7月から平成22年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となったすべての年分の合計の計数である。
  • 2 消費税の追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。
  • 3 上段は、前事務年度の計数である。
  • 4 単位未満を四捨五入しているため、合計に符号しない箇所がある。

(参考2)1件当たりの事業所得者の申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

平成21事務年度

(平成22年6月末現在)
順位 業種目 1件当たりの申告漏れ所得金額 1件当たりの(含加算税) 前年順位
1 一般海面漁業 万円
1,983
万円
461
2 水産養殖業 1,568 123 5
3 税理士 1,370 323 4
4 酒場 1,244 181
5 弁護士 1,102 432 10
6 バー 1,024 112
7 建築工事 1,009 144 9
8 とび工事 1,007 145 8
9 スタンドバー 983 119 -
10 米作農業 968 154 -

(参考)平成20事務年度

(平成21年6月末現在)
順位 業種目 1件当たりの申告漏れ所得金額 1件当たりの追徴税額(含加算税)
1 廃棄物処理 万円
2,209
万円
368
2 くず金卸 1,796 421
3 果樹栽培農業 1,493 186
4 税理士 1,459 142
5 水産養殖業 1,322 249
6 不動産代理仲介 1,155 260
7 野菜栽培農業 1,053 218
8 とび工事 963 148
9 建築工事 917 86
10 弁護士 857 280

(参考3)平成21事務年度 譲渡所得の調査等事績(局計)

事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度 対前事務年度
1
調査等件数
3,853 2,755 71.5
  土地建物等 2,241 1,860 83.0
株式等 1,612 895 55.5
2
申告漏れ等の非違件数
2,036 1,298 63.8
  土地建物等 1,145 874 76.3
株式等 891 424 47.6
3
申告漏れ割合(2/1
ポイント
52.8 47.1 −5.7
  土地建物等 51.1 47.0 −4.1
株式等 55.3 47.4 −7.9
4
申告漏れ所得金額
百万円 百万円
10,747 6,937 64.5
  土地建物等 5,987 5,014 83.7
株式等 4,760 1,922 40.4
5
1件当たり申告漏れ所得金額(4/1
千円 千円
2,789 2,518 90.3
  土地建物等 2,672 2,696 100.9
株式等 2,953 2,147 72.7

(注)

  • 1 「1調査等件数」及び「2申告漏れ等の非違件数」欄について、土地建物等の欄は、調査等対象譲渡者毎の調査等対象年分全てを合計した件数を、株式等欄は、調査等対象年分が複数となる場合でも、調査等対象者数を示す。
  • 2 計数は、各項目ごとに単位未満を四捨五入しているため、合計が一致しない場合がある。
  • 3 土地建物等には、総合譲渡に係るものを含む。