1 1件当たりの追徴税額は所得税実地調査全体の1.7倍

【富裕層に対する調査状況】

○ 有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な個人など、「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に積極的に調査を実施しています。

  • 平成30事務年度においては、190件実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は833万円で、申告漏れ所得金額の総額は15億8千2百万円に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は240万円で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの追徴税額143万円の1.7倍となっています。また、追徴税額の総額は4億5千6百万円に上ります。

富裕層に対する調査状況

事務年度等 29事務年度 30事務年度     (参考)
30事務年度実地調査
(特別・一般)全体
項目 対前年比
調査件数 204 190 93.1% 1,793
申告漏れ等の非違件数 164 162 98.8% 1,557
申告漏れ所得金額 百万円 1,219 1,582 129.8% 15,677
追徴税額 百万円 345 456 132.2% 2,567
一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 598 833 139.3% 874
追徴税額 万円 169 240 142.0% 143

2 1件当たりの申告漏れ所得金額は所得税実地調査全体の1.2倍

【インターネット取引を行っている個人に対する調査状況】

○ シェアリングエコノミー等の新たな分野の経済活動をはじめ、インターネット取引を行っている個人に対しては、資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査を実施しています。

  • 平成30事務年度においては、58件実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,020万円となっており、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの申告漏れ所得金額874万円の約1.2倍となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は5億9千2百万円に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は220万円で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの追徴税額143万円の1.5倍となっています。また、追徴税額の総額は1億2千8百万円に上ります。

インターネット取引を行っている個人に対する調査状況

事務年度等 29事務年度 30事務年度     (参考)
30事務年度実地調査
(特別・一般)全体
項目 対前年比
調査件数 51 58 113.7% 1,793
申告漏れ等の非違件数 46 52 113.0% 1,557
申告漏れ所得金額 百万円 624 592 94.9% 15,677
追徴税額 百万円 102 128 125.5% 2,567
一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 1,224 1,020 83.3% 874
追徴税額 万円 200 220 110.0% 143

(参考)令和元年6月記者発表資料(国税庁発表)

シェアリングエコノミー等新分野の経済活動の適正課税の確保に向けた取組の概要

3 所得税無申告者に対する実地調査件数は対前年比1.5倍

【無申告者に対する調査状況】

○ 無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、的確かつ厳格に対応していく必要があります。こうした無申告者に対しては、更なる資料情報の収集及び活用を図るなどして、実地調査のみならず、簡易な接触も活用し積極的に調査を実施しています。

<所得税無申告者に対する調査状況>

  • 平成30事務年度においては、303件実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,660万円で、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの申告漏れ所得金額874万円の約1.9倍となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は50億3千万円に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は200万円で、追徴税額の総額は6億5百万円に上ります。

<消費税無申告者に対する調査状況>

  • 平成30事務年度においては、418件実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの追徴税額は、149万円で、消費税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの追徴税額86万円の約1.7倍となっています。また、追徴税額の総額は6億2千3百万円に上ります。

所得税無申告者に対する調査状況

事務年度等 29事務年度 30事務年度     (参考)
30事務年度実地調査
(特別・一般)全体
項目 対前年比
調査件数 200 303 151.5% 1,793
申告漏れ所得金額 百万円 3,185 5,030 157.9% 15,677
追徴税額 百万円 446 605 135.7% 2,567
一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 1,592 1,660 104.3% 874
追徴税額 万円 223 200 89.7% 143

消費税無申告者に対する調査状況

事務年度等 29事務年度 30事務年度     (参考)
30事務年度実地調査
(特別・一般)全体
項目 対前年比
調査件数 359 418 116.4% 1,067
追徴税額 百万円 524 623 118.9% 921
一件当たり追徴税額 万円 146 149 102.1% 86

4 1件当たりの申告漏れ所得金額は所得税実地調査全体の1.3倍

【海外投資等を行っている個人に対する調査状況】

○  経済社会の国際化に適切に対応していくため、有効な資料情報の収集に努めるとともに、海外投資を行っている個人や海外資産を保有している個人などに対して、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約等に基づく情報交換制度のほか、CRS情報(共通報告基準に基づく非居住者金融口座情報)などを効果的に活用し、積極的に調査を実施しています。

  • 平成30事務年度においては、53件(前事務年度49件)実地調査(特別・一般)を実施しました。
  • 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,105万円(前事務年度1,125万円)となっており、所得税の実地調査(特別・一般)全体の1件当たりの申告漏れ所得金額874万円(前事務年度761万円)の約1.3倍となっています。また、申告漏れ所得金額の総額は5億8千6百万円(前事務年度5億5千1百万円)に上ります。
  • 1件当たりの追徴税額は173万円(前事務年度205万円)で、追徴税額の総額は9千2百万円(前事務年度1億円)に上ります。

調査状況(取引区分別)

平成30事務年度の海外取引を行っている個人の取引区分別の調査状況を表したグラフ

(注) ( )内の数値は構成比

(参考)

  1. 1 輸出入・・・事業に係る売上及び原価に係る取引で、海外の輸出(入)業者との契約による取引をいう。
  2. 2 役務提供・・・工事請負、プログラム設計など海外において行う、労力、技術等の第三者に対するサービスの提供をいう。
  3. 3 海外投資・・・海外の不動産、証券などに対する投資(預貯金等の海外での蓄財を含む。)をいう。

1件当たりの申告漏れ所得金額(取引区分別)

平成30事務年度の海外取引を行っている個人の実地調査(特別・一般)の全体の申告漏れ所得金額、一件当たりの申告漏れ所得金額及び取引区分ごとの申告漏れ所得金額を表したグラフ