○ 近年、金やプラチナの価格が歴史的な高値水準にあり、金地金等の譲渡によって大きな譲渡益が生じやすい状況にあります。金地金等を売却して譲渡益が生じた場合は、原則として、総合課税の譲渡所得として課税されます。
これに対し、国税局では、これまで、あらゆる機会を通じて資料情報を収集するなどして、積極的に調査を実施しており、引き続き、本事務年度においても積極的に調査を実施します。
○ 金地金等に係る譲渡所得調査等の事績は、以下のとおりです。
事務年度 | 平成22事務年度 | 平成23事務年度 | 対前事務年度 |
---|---|---|---|
項目 | |||
申告漏れ等の非違件数![]() |
18件 | 25件 | 138.9% |
申告漏れ所得金額![]() |
278百万円 | 134百万円 | 48.2% |
非違1件あたりの申告漏れ所得金額(![]() ![]() |
1,545万円 | 534万円 | 34.6% |
○ 平成23事務年度における金地金等に係る譲渡所得調査等の申告もれ等の非違件数は、25件(前事務年度18件)、申告もれ所得金額は、134百万円(前事務年度278百万円)、非違1件当たり申告もれ所得金額は、534万円(前事務年度1,545万円)となっています。
○ なお、平成24年1月1日以降、金地金等(金・白金地金、金貨・白金貨)の売買を業として行う者が、国内においてそれらの譲渡を受け、200万円超の対価を支払う場合に、税務署に対して支払調書を提出することが義務付けられました。
○ 金やプラチナの価格が高値水準である傾向が続いていることから、平成24事務年度においても、金地金等に係る譲渡所得にも着目し、あらゆる機会を通じて資料情報を収集するなどして、積極的に調査を実施します。
○ 国税局では、有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者など、いわゆる「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しており、本事務年度においても積極的に取り組んでいきます。
○ 平成23事務年度においては、279件(前年比115.8%)の実地調査(特別・一般)を実施し、追徴税額は総額で4億1千5百万円となっています。
○ また、1件当たりの追徴税額は149万円で、所得税の実地調査(特別・一般)1件当たりの追徴税額90万円の約1.7倍となっています。
事務年度等 | 22事務年度 | 23事務年度 | (参考)23事務年度 実地調査(特別・一般)全体 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
項目 | 対前年比 | |||||||
調査件数 | 件 | 241 | 279 | 115.8 | 2,607 | |||
申告漏れ等の非違件数 | 件 | 189 | 197 | 104.2 | 2,187 | |||
申告漏れ所得金額 | 百万円 | 2,060 | 2,025 | 98.3 | 16,906 | |||
追徴税額 | 百万円 | 571 | 415 | 72.7 | 2,335 | |||
一件当たり | 申告漏れ所得金額 | 万円 | 855 | 726 | 84.9 | 649 | ||
追徴税額 | 万円 | 237 | 149 | 62.9 | 90 |
事務年度等 | 22事務年度 | 23事務年度 | (参考)23事務年度 実地調査(特別・一般)全体 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
項目 | 対前年比 | |||||||
調査件数 | 件 | 540 | 545 | 100.9 | 2,607 | |||
申告漏れ所得金額 | 百万円 | 5,739 | 5,886 | 102.6 | 16,906 | |||
追徴税額 | 百万円 | 811 | 559 | 68.9 | 2,335 | |||
一件当たり | 申告漏れ所得金額 | 万円 | 1,063 | 1,080 | 101.6 | 649 | ||
追徴税額 | 万円 | 150 | 103 | 68.7 | 90 |
○ 無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、的確かつ厳格に対応していく必要があります。こうした無申告者は、その存在自体の把握が困難であることから、更なる資料情報の収集及び活用を図るなどして的確な課税処理に努めており、本事務年度においても積極的に調査を実施します。
○ 高額・悪質と見込まれた無申告者に対する実地調査(特別・一般)の調査件数は、545件(前事務年度540件)となっています。
○ 1件当たりの申告漏れ所得金額は、1,080万円となっており、実地調査 (特別・一般)全体の申告漏れ所得金額649万円の約1.7倍となっています。
(参考)
○ 経済社会の国際化に適切に対応していくため、有効な資料情報の収集に努めるとともに、海外取引を行っている者や海外資産を保有している者などに対して、国外送金等調書や租税条約に基づく情報交換制度などを効果的に活用し、本事務年度も積極的に調査を実施します。
○ 海外取引を行っている者に対する実地調査(特別・一般)の調査件数は、96件(前事務年度69件)となっています。
○ 1件当たりの申告漏れ所得金額は、999万円(前事務年度2,128万円)となっており、実地調査(特別・一般)全体の申告漏れ所得金額649万円(前事務年度690万円)の約1.5倍となっており、特に役務提供に係る申告漏れ所得金額は1,138万円、海外投資に係る申告漏れ所得金額は1,736万円となっています。
また、申告漏れ所得金額の総額は9億5千9百万円(前事務年度14億6千9百万円)に上ります。
(参考)
○ インターネット取引を行っている者に対する実地調査(特別・一般)の調査件数は、97件(前事務年度84件)となっています。
○ 1件当たりの申告漏れ所得金額は、964万円(前事務年度1,569万円)となっており、実地調査(特別・一般)全体の申告漏れ所得金額649万円(前事務年度690万円)の約1.5倍となっており、特にネット広告業の申告漏れ所得金額は2,183万円、ネットトレードの申告漏れ所得金額は2,339万円となっています。
また、申告漏れ所得金額の総額は9億3千5百万円(前事務年度13億1千8百万円)に上ります。
○ インターネット取引者は、無店舗による事業形態となるため、その把握が困難ですが、あらゆる資料情報を収集・分析し、本事務年度も積極的に調査を実施します。