平成20年12月
札幌国税局

1 申告事績の状況

平成19年中(平成19年1月1日〜平成19年12月31日)に亡くなった人(被相続人)から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る申告事績(平成20年10月31日までに提出された申告書で相続税額があるもの)の概要は次のとおりです(表1参照)。

  • (1) 被相続人数(死亡者数)は約5万1千人、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は883人で、課税割合は1.7%となっています。

    平成6年分から平成19年分の被相続人数及び相続税の課税対象となった被相続人数の推移を表したグラフ

    平成6年分から平成19年分の相続税の課税割合の推移を表したグラフ

  • (2) 課税価格は1,885.4億円(対前年比97.4%)、これを被相続人1人当たりで見ると、2億1,352万円(同100.4%)、また、税額は200.5億円(同99.4%)、これを被相続人1人当たりで見ると、2,271万円(同102.4%)となっています。

    平成6年分から平成19年分の相続税の課税価格及び税額の推移を表したグラフ

  • (3) 相続財産の金額の構成比は、土地が31.1%(対前年比0.9ポイントの増加)、現金・預貯金等28.2%(同1.6ポイントの減少)、有価証券16.9%(同0.7ポイントの減少)の順となっています。

    平成6年分から平成19年分の相続税相続財産ごとの金額の構成比の推移を表したグラフ

2 調査事績の状況

 平成19事務年度(平成19年7月1日〜平成20年6月30日)における相続税の調査は、平成17年中及び平成18年中に発生した相続を対象の中心としており、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に申告額が過少であると想定されるものなどに対して実施しました。
 調査事績の概要は次のとおりです(表2参照)。

  • (1) 調査件数は387件(対前事務年度比93.9%)、このうち申告漏れ件数は345件(同95.8%)であり、申告漏れ割合は89.1%(同1.7ポイントの増加)でした。
  • (2) 申告漏れ課税価格は86.0億円(対前事務年度比84.5%)、これを申告漏れ1件当たりで見ると、2,493万円(同88.2%)となっています。
     また、追徴税額は15.6億円(同81.7%)、これを申告漏れ1件当たりで見ると、452万円(同85.1%)となっています。
  • (3) 調査に基づく申告漏れ相続財産の金額の構成比は、現金・預貯金等が51.1%(対前事務年度比6.7ポイントの増加)、有価証券が9.4%(同1.1ポイントの減少)、土地が6.4%(同0.2ポイントの減少)の順となっています。

    平成6年分から平成19年分の相続税の申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移を表したグラフ

    ※ 相続時精算課税適用財産の申告漏れ金額は「その他」に含む。

  • (4) 申告漏れの態様は、預貯金等の申告漏れや土地や株式等の評価誤りなど様々ですが、財産を隠ぺいするなどの悪質なケースとしては、以下のような事例が見受けられました。
    • ・ 現金を自宅や貸金庫等に隠匿して申告から除外
    • ・ 家族名義の預貯金等を故意に申告から除外