札幌国税局は、この冬に造られた出品酒の評価により清酒の製造技術を競う「新酒鑑評会」を開催し、本日、審査結果の発表を行いました。
新酒鑑評会には道内12の清酒製造場から104点の新酒等が出品され、品質評価員24人により評価しました。
その結果、道産米吟醸酒の部では4製造場の出品酒9点が、吟醸酒の部では4製造場の出品酒6点が金賞を受賞しました。
出品区分 | 入賞状況 | 出品状況 | ||
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場数 | 入賞酒数 | 場数 | 出品数※2 | |
道産米吟醸酒の部 | 4 | 9 | 10 | 40 |
吟醸酒の部 | 4 | 6 | 11 | 46 |
純米酒の部※1 | − | − | 7 | 14 |
新製品の部※1 | − | − | 2 | 4 |
※1 純米酒の部及び新製品の部については、試行中のため賞の授与を行わない。
※2 出品場数と出品数が合わないのは、1製造場が道産米吟醸酒の部及び吟醸酒の部は5点、純米酒の部については4点、新製品の部については3点まで出品できるためである。
金賞を受賞したのは、以下の製造場です。
出品区分 | 税務署 | 製造場名 | 代表的な銘柄 |
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道産米 吟醸酒の部 |
札幌中 | 日本清酒株式会社 千歳鶴醸造所 | 千歳鶴(ちとせつる) |
小樽 | 雪の花酒造株式会社 | 雪の花(ゆきのはな) | |
旭川中 | 高砂酒造株式会社 | 国士無双(こくしむそう) | |
釧路 | 福司酒造株式会社 | 福司(ふくつかさ) | |
吟醸酒の部 | 札幌中 | 日本清酒株式会社 千歳鶴醸造所 | 千歳鶴(ちとせつる) |
小樽 | 曲(かね)イ(い)田中酒造株式会社 | 宝川(たからがわ) | |
旭川中 | 合同酒精株式会社 旭川工場 | 大雪乃蔵(たいせつのくら) | |
釧路 | 福司酒造株式会社 | 福司(ふくつかさ) |
平成20酒造年度(平成20年7月〜平成21年6月)に製造された清酒等の品質評価を行い、併せてその結果に基づき優秀な酒造技術を有すると認められる製造者を顕彰することにより、酒造技術の進歩・発展を促し、その結果市販酒類の品質向上を図り、酒類業の発達に資することを目的としています。
出品区分は「道産米吟醸酒の部」、「吟醸酒の部」としました。
なお、幅広く酒造技術の向上を図るため、試行的に「純米酒の部」及び「新製品の部」を設け計4区分で実施しました。
清酒の製法品質表示基準に基づき吟醸酒と表示できるもののうち、北海道産米を100%使用して製造したもの。
清酒の製法品質表示基準に基づき吟醸酒と表示できるもの(上記(1)に該当する吟醸酒を含む。)。
清酒の製法品質表示基準に基づき純米酒と表示できるもので精米歩合が50%を超えるもの。なお、純米酒の品質の多様性を損なわずに適確な評価を行うため、試行的に次の2つに細区分しました。
平成19酒造年度以降に商品化した、あるいは今後商品化を予定としているもの。
なお、自己の製造場で製成した酒類(品目は不問)で、米、米麹又は酒粕を原料の一部に使用しているものとしました。
出品区分 | 本年度 | 昨年度 | ||
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出品場数 | 出品数 | 出品場数 | 出品数 | |
道産米吟醸酒の部 | 10場 | 40 | 10場 | 44 |
吟醸酒の部 | 11場 | 46 | 11場 | 53 |
純米酒の部 | 7場 | 14 | 8場 | 14 |
新製品の部 | 2場 | 4 | 2場 | 3 |
合計 | 実12場 | 104 | 実12場 | 114 |
(注) 出品場数と出品数が合わないのは、1製造場が道産米吟醸酒の部及び吟醸酒の部については5点、純米酒の部については4点、新製品の部については3点まで出品できるためである。
平成21年3月23日(月)〜3月24日(火)
札幌国税局 鑑定官室
品質評価は、酒造技術指導機関職員、清酒製造場製造担当者等の酒類の製造知識及び官能評価能力を有し、技術指導又は清酒製造等業務経験が3年以上ある者で鑑定官室長が評価を依頼した者及び鑑定官により行いました。
品質評価員の構成は別紙「平成20酒造年度札幌国税局新酒鑑評会品質評価員名簿」のとおりです。
道産米吟醸酒の部、吟醸酒の部及び純米酒の部は、利き猪口を使用し、香味の特徴を詳細に記述するプロファイル法及び採点法により評価しました。
新製品の部は、短評の記載のみ行いました。
道産米吟醸酒の部及び吟醸酒の部において、品質評価の結果上位(出品者の40%程度)となった出品酒の製造場に対して国税局長から賞状が授与されました。
吟風、彗星の2種類の道産酒造好適米を使用して造られた吟醸酒が出品されました。
今期は、タンパク質の少ない良質な原料米に恵まれ、香りが華やかで味のなめらかな吟醸酒が多く出品されていました。
なお、原料米がもろみでよく溶け、例年と比べ甘めの傾向が見られました。
主に原料米に山田錦を使用したほか、道産米を使用して造られた吟醸酒も出品されました。
本年も香りが華やかで味にふくらみがある良好な吟醸酒が多く出品されていました。
純米酒の多様性を積極的に評価していくため、酸度により細区分を行い、その区分ごとに品質評価を行いました。
各社それぞれの個性のある多様な純米酒が出品されていました。
酸度が低い区分では比較的香りが高くすっきりとした酒質の傾向が、酸度が高い区分では味わい深い酒質の傾向が見られました。
清酒製造者が新たに開発製造した酒類の参考に資するため、評価を行いました。
清酒の他に、特徴のある濁酒や米を原料の一部に使用したしょうちゅうが出品されていました。今後も清酒製造技術を生かしてバラエティに富んだ酒類が製造されることが期待されます。
平成21年4月7日(火)
札幌合同庁舎2号館9階講堂
清酒製造業の関係者(例年50名程)
製造技術研究会は、出品者が出品酒類を互いに評価研究し、酒造技術の研さんを図ることを目的として開催しています。
全出品酒を並べて、金賞を受賞した出品酒にはその旨を表示しています。
氏名 | 所属 | 氏名 | 所属 |
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青木 隆明 | 合同酒精株式会社 | 高濱 美春 | 男山株式会社 |
池田 聖史 | 雪の花酒造株式会社 | 田中 一良 | 曲イ田中酒造株式会社 |
井上 允陽 | 北の誉酒造株式会社 | 富永 一哉 | 北海道立食品加工研究センター |
梅井 利行 | 碓氷酒造場 | 水口 渉 | 有限会社二世古酒造 |
江辺 正英 | 合同酒精株式会社 | 南 修司 | 小林酒造株式会社 |
遠藤 智子 | 福司酒造株式会社 | 森本 良久 | 高砂酒造株式会社 |
小川 通継 | 国稀酒造株式会社 | 梁瀬 之弘 | 福司酒造株式会社 |
北村 秀文 | 男山株式会社 | 吉川 修司 | 北海道立食品加工研究センター |
木村 和弘 | 北の誉酒造株式会社 | 脇田 征也 | 小林酒造株式会社 |
佐藤 和幸 | 日本清酒株式会社 | 福田 整 | 札幌国税局鑑定官室 |
佐野 英二 | 国稀酒造株式会社 | 倉光 潤一 | 札幌国税局鑑定官室 |
高野 篤生 | 曲イ田中酒造株式会社 | 相澤 常滋 | 札幌国税局鑑定官室 |