平成30事務年度において、当局管内(近畿2府4県)の法人のうち、事業規模、事業形態等からみて申告内容に不審のあるものなど、調査必要度の高い法人17,574件について調査を行った。

1 実地調査の状況(法人税)

  • (1) 法人税の調査を行った法人のうち、法人税の非違があった法人は13,097件(調査した法人の74.5%)で、このうち不正計算があった法人は3,479件(調査した法人の19.8%)となっている。
  • (2) 申告漏れ所得金額は1,726億円(調査1件当たり982万円)で、このうち不正計算に係る所得金額は488億円(不正1件当たり1,403万円)となっている。  
  • (3) 調査による追徴税額(加算税及び地方法人税を含む。)は299億円(調査1件当たり170万円)となっている。
事務年度等 29   30  
項目 対前年比 対前年比
実地調査件数 1
16,775 104.8 17,574 104.8
非違があった件数 2        
12,345 103.6 13,097 106.1
  うち不正計算があった件数 3        
3,128 104.7 3,479 111.2
申告漏れ所得金額 4 億円   億円  
1,135 84.3 1,726 152.1
  うち不正計算に係る所得金額 5        
442 107.0 488 110.4
調査による追徴税額 6        
257 84.0 299 116.3
調査1件当たりの申告漏れ所得金額
(4/1)
7 万円   万円  
677 80.5 982 145.1
不正1件当たりの不正所得金額
(5/3)
8        
1,413 102.1 1,403 99.3
調査1件当たりの追徴税額
(6/1)
9        
153 80.1 170 111.1

(注) 追徴税額には、加算税及び地方法人税を含む。

2 実地調査の状況(消費税)

  • (1) 消費税(法人)の調査を行った件数は16,815件で、このうち消費税の非違があった法人は9,917件(調査した法人の59.0%)、不正計算があった法人は2,676件(調査した法人の15.9%)となっている。
  • (2) 調査による追徴税額(加算税を含む。)は118億円(調査1件当たり70万円)、不正計算に係る追徴税額(加算税を含む。)は40億円(不正計算1件当たり149万円)となっている。
事務年度等 29   30  
項目 対前年比 対前年比
実地調査件数 1
16,125 104.9 16,815 104.3
非違があった件数 2        
9,375 102.5 9,917 105.8
  うち不正計算があった件数 3        
2,393 105.4 2,676 111.8
調査による追徴税額 4 億円   億円  
108 117.4 118 109.3
  うち不正計算に係る追徴税額 5        
36 138.5 40 111.1
調査1件当たりの追徴税額
(4/1)
6 万円   万円  
67 111.7 70 104.5
不正1件当たりの追徴税額
(5/3)
7        
150 130.4 149 99.3

(注) 追徴税額には、加算税を含む。

3 不正申告法人の業種別の状況

(1) 不正申告をしていた法人3,479件を業種別に分類し、「不正発見割合の高い上位10業種」及び「不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種」を掲げると、次表のとおりである。

○ 不正発見割合の高い上位10業種
順位 業種目 不正発見割合 不正申告1法人当たり不正所得金額
    千円
1 その他の飲食 31.7 21,899
2 野菜、果物卸売 30.8 15,618
3 土木工事 29.8 8,894
4 自動車修理 29.8 3,252
5 廃棄物処理 27.5 8,854
6 その他の建築材料 27.3 16,486
7 職別土木建築工事 26.4 17,293
8 美容 26.2 7,499
9 建築工事 26.0 15,313
10 管工事 25.5 9,850

(注) 平成30事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

○ 不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種
順位 業種目 不正申告1法人当たり不正所得金額 不正発見割合
    千円
1 その他の化学工業製造 119,232 10.3
2 その他の小売 30,888 16.8
3 産業用電気機械器具製造 30,427 11.9
4 鉄鋼製造 28,354 22.5
5 輸入 27,206 15.2
6 医療保健 26,143 25.4
7 電子機器製造 23,738 9.7
8 建売、土地売買 23,117 20.4
9 その他の飲食 21,899 31.7
10 医薬品小売 20,908 10.2

(注) 平成30事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

(2) 過去3年間の調査結果からみた「不正発見割合の高い上位10業種」及び「不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種」を掲げると、次表のとおりである。

○ 不正発見割合の高い上位10業種の過去3年間の推移
順位 28事務年度 29事務年度 30事務年度
1 パチンコ 土木工事 その他の飲食
2 廃棄物処理 廃棄物処理 野菜、果物卸売
3 医療保健 一般土木建築工事 土木工事
4 その他の飲食 建築工事 自動車修理
5 土木工事 職別土木建築工事 廃棄物処理
6 貨物自動車 その他の娯楽 その他の建築材料
7 一般土木建築工事 医療保健 職別土木建築工事
8 電気・通信工事 自動車修理 美容
9 建築工事 自動車、自転車小売 建築工事
10 自動車修理 その他の飲食 管工事

(注) 各事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

○ 不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種の過去3年間の推移
順位 28事務年度 29事務年度 30事務年度
1 その他の娯楽 その他の飲料食料品卸売 その他の化学工業製造
2 精密機械器具卸売 くぎ、ボルト、ナット、線材製品製造 その他の小売
3 広告 その他の化学工業製造 産業用電気機械器具製造
4 輸入 洋服類卸売 鉄鋼製造
5 不動産代理仲介 金属加工機械製造 輸入
6 建売・土地売買 鉄鋼卸売 医療保健
7 パチンコ 金属打抜き、プレス加工 電子機器製造
8 家庭用電気機械器具小売 被覆、彫刻、その他の金属表面処理 建売、土地売買
9 印刷 広告 その他の飲食
10 計量器、医療機械、理化学機械等製造 印刷 医薬品小売

(注) 各事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。