平成29事務年度において、当局管内(近畿2府4県)の法人のうち、事業規模、事業形態等からみて申告内容に不審のあるものなど、調査必要度の高い法人16,775件について調査を行った。

1 実地調査の状況(法人税)

  • (1) 法人税の調査を行った法人のうち、法人税の非違があった法人は12,345件(調査した法人の73.6%)で、このうち不正計算があった法人は3,128件(調査した法人の18.6%)となっている。
  • (2) 申告漏れ所得金額は1,135億円(調査1件当たり677万円)で、このうち不正計算に係る所得金額は442億円(不正1件当たり1,413万円)となっている。
  • (3) 調査による追徴税額(加算税及び地方法人税を含む。)は257億円(調査1件当たり153万円)となっている。
事務年度等 28   29  
項目 対前年比 対前年比
実地調査件数 1
16,007 99.1 16,755 104.8
非違があった件数 2        
11,915 98.9 12,345 103.6
  うち不正計算があった件数 3        
2,987 103.6 3,128 104.7
申告漏れ所得金額 4 億円   億円  
1,346 93.0 1,135 84.3
  うち不正計算に係る所得金額 5        
413 98.1 442 107.0
調査による追徴税額 6        
306 105.5 257 84.0
調査1件当たりの申告漏れ所得金額
(4/1)
7 万円   万円  
841 93.9 677 80.5
不正1件当たりの不正所得金額
(5/3)
8        
1,384 94.7 1,413 102.1
調査1件当たりの追徴税額
(6/1)
9        
191 106.1 153 80.1

(注) 追徴税額には、加算税及び地方法人税を含む。

2 実地調査の状況(消費税)

  • (1) 消費税(法人)の調査を行った件数は16,125件で、このうち消費税の非違があった法人は9,375件(調査した法人の58.1%)、不正計算があった法人は2,393件(調査した法人の14.8%)となっている。
  • (2) 調査による追徴税額(加算税を含む。)は108億円(調査1件当たり67万円)、不正計算に係る追徴税額(加算税を含む。)は36億円(不正計算1件当たり150万円)となっている。
事務年度等 28   29  
項目 対前年比 対前年比
実地調査件数 1
15,374 98.8 16,125 104.9
非違があった件数 2        
9,145 99.9 9,375 102.5
  うち不正計算があった件数 3        
2,270 102.5 2,393 105.4
調査による追徴税額 4 億円   億円  
92 105.7 108 117.4
  うち不正計算に係る追徴税額 5        
26 92.9 36 138.5
調査1件当たりの追徴税額
(4/1)
6 万円   万円  
60 107.1 67 111.7
不正1件当たりの追徴税額
(5/3)
7        
115 91.3 150 130.4

(注) 追徴税額には、加算税を含む。

3 不正申告法人の業種別の状況

(1) 不正申告をしていた法人3,128件を業種別に分類し、「不正発見割合の高い上位10業種」及び「不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種」を掲げると、次表のとおりである。

○ 不正発見割合の高い上位10業種
順位 業種目 不正発見割合 不正申告1法人当たり不正所得金額
    千円
1 土木工事 30.1 14,621
2 廃棄物処理 27.8 11,568
3 一般土木建築工事 27.3 14,391
4 建築工事 27.1 14,635
5 職別土木建築工事 26.2 17,922
6 その他の娯楽 25.9 16,136
7 医療保健 25.9 7,491
8 自動車修理 24.7 6,167
9 自動車、自転車小売 24.6 8,690
10 その他の飲食 23.1 17,000

(注) 平成29事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

○ 不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種
順位 業種目 不正申告1法人当たり不正所得金額 不正発見割合
    千円
1 その他の飲料食料品卸売 70,480 12.0
2 くぎ、ボルト、ナット、線材製品製造 46,308 9.3
3 その他の化学工業製造 44,591 3.8
4 洋服類卸売 40,432 12.1
5 金属加工機械製造 39,005 22.4
6 鉄鋼卸売 38,652 8.2
7 金属打抜き、プレス加工 38,548 15.9
8 被覆、彫刻、その他の金属表面処理 36,017 14.8
9 広告 34,906 19.5
10 印刷 32,672 3.8

(注) 平成29事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

(2) 過去3年間の調査結果からみた「不正発見割合の高い上位10業種」及び「不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種」を掲げると、次表のとおりである。

○ 不正発見割合の高い上位10業種の過去3年間の推移
順位 27事務年度 28事務年度 29事務年度
1 その他の飲食 パチンコ 土木工事
2 金属打抜き・プレス加工 廃棄物処理 廃棄物処理
3 自動車修理 医療保健 一般土木建築工事
4 土木工事 その他の飲食 建築工事
5 廃棄物処理 土木工事 職別土木建築工事
6 不動産代理仲介 貨物自動車 その他の娯楽
7 その他の対個人サービス 一般土木建築工事 医療保健
8 職別土木建築工事 電気・通信工事 自動車修理
9 管工事 建築工事 自動車、自転車小売
10 一般土木建築工事 自動車修理 その他の飲食

(注) 各事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。

○ 不正申告1法人当たり不正所得金額の大きな上位10業種の過去3年間の推移
順位 27事務年度 28事務年度 29事務年度
1 各種食料品小売 その他の娯楽 その他の飲料食料品卸売
2 産業用機械製造 精密機械器具卸売 くぎ、ボルト、ナット、線材製品製造
3 その他の建築材料卸売 広告 その他の化学工業製造
4 廃棄物処理 輸入 洋服類卸売
5 不動産賃貸、不動産管理 不動産代理仲介 金属加工機械製造
6 電気・通信機械器具卸売 建売・土地売買 鉄鋼卸売
7 貿易 パチンコ 金属打抜き、プレス加工
8 その他の飲食料品卸売 家庭用電気機械器具小売 被覆、彫刻、その他の金属表面処理
9 自動車、自転車小売 印刷 広告
10 土木建築サービス 計量器、医療機械、理化学機械等製造 印刷

(注) 各事務年度において、50件以上調査を実施した業種を対象として抽出したものである。