平成25年11月
大阪国税局

相続税について、平成24事務年度(平成24年7月から平成25年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成22年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにも関わらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は2,253件(前事務年度2,487件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は1,904件(前事務年度2,083件)で、非違割合は84.5%(前事務年度83.8%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は743億円(前事務年度870億円)で、実地調査1件当たりでは3,298万円(前事務年度3,499万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等296億円(前事務年度360億円)が最も多く、続いて有価証券114億円(前事務年度158億円)、土地94億円(前事務年度78億円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は137億円(前事務年度164億円)で、実地調査1件当たりでは608万円(前事務年度661万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

重加算税の賦課件数は142件(前事務年度222件)、賦課割合は7.5%(前事務年度10.7%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
2,487 2,253 90.6
2 申告漏れ等の非違件数      
2,083 1,904 91.4
3 非違割合(2/1) ポイント
83.8 84.5 +0.8
4 重加算税賦課件数
222 142 64.0
5 重加算税賦課割合(4/2) ポイント
10.7 7.5 −3.2
6 申告漏れ課税価格 億円 億円
870 743 85.4
7 6のうち重加算税賦課対象    
97 75 77.7
8 追徴税額 本税      
143 120 84.2
9 加算税      
21 17 77.8
10 合計      
164 137 83.4
11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(6/1) 万円 万円  
3,499 3,298 94.2
12 追徴税額(10/1)      
661 608 92.0

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の申告漏れ相続財産の金額の推移を表した図

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の申告漏れ相続財産の構成比の推移を表した図

(付表3-1) 海外資産関連事案に係る調査事績

納税者の資産運用の国際化に対応し、相続税の適正な課税を実現するため、相続税調査の実施に当たっては、租税条約等に基づく情報交換制度を効果的に活用するなど、海外資産の把握に努めています。資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案など、海外資産関連事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数      
168 170 101.2
2 海外資産に係る申告漏れ等の非違件数 136   136   100.0  
21 19 90.5
3 海外資産に係る重加算税賦課件数 10   10   100.0  
2 2 100.0
4 海外資産に係る申告漏れ課税価格 61 億円 62 億円 101.6  
12.5 2.8 22.8
5 4のうち重加算税賦課対象 6   3   47.7  
0.7 0.3 40.1
6 非違1件当たりの申告漏れ課税価格(4/2) 4,469 万円 4,542 万円 101.6  
5,950 1,500 25.2

(注) 左肩数は、国内資産に係る非違も含めた計数を示す。

(注) 海外資産関連事案とは、1相続又は遺贈により取得した財産のうちに海外資産が存するもの、2相続人、受遺者又は被相続人が日本国外に居住する者であるもの、3海外資産等に関する資料情報があるもの、4外資系金融機関との取引のあるもののいずれかに該当する事案をいう。

平成20事務年度から平成24事務年度の海外資産関連事案に係る調査事績の推移を表した図

(付表3-2)

平成20事務年度から平成24事務年度の財産別の申告漏れ相続財産の推移を表した図

平成20事務年度から平成24事務年度の地域別の申告漏れ相続財産の推移を表した図

(付表4) 無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
300 219 73.0
2 申告漏れ等の非違件数      
195 171 87.7
3 非違の割合(2/1 ポイント
65.0 78.1 +13.1
4 申告漏れ課税価格 億円 億円
252 223 88.6
5 追徴税額 本税      
15 13 87.3
6 加算税      
2.85 2.93 102.9
7 合計      
18 16 89.8
8 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(4/1) 万円 万円  
8,389 10,187 121.4
9 追徴税額(7/1)      
606 745 123.0

平成20事務年度から平成24事務年度の無申告事案に係る調査事績の推移を表した図

(付表5) 贈与税に係る調査事績

国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、本事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
1,189 820 69.0
2 申告漏れ等の非違件数      
1,151 784 68.1
3 非違の割合(2/1 ポイント
96.8 95.6 −1.2
4 申告漏れ課税価格 億円 億円
68 42 61.3
5 追徴税額      
21 10 48.0
6 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(4/1) 万円 万円  
575 512 88.9
7 追徴税額(5/1)      
177 124 69.7

1.調査事績に占める無申告事案の状況

○ 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な把握に努めています。

平成24事務年度の贈与税の調査事績に占める無申告事案の状況

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳

平成24事務年度の贈与税の調査事績に占める無申告事案に係る申告漏れ財産の内訳

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比