3 平成29事務年度における主要な取組

消費税還付申告法人のうち、不正に還付申告を行っていた法人から5百万円を追徴課税

平成29事務年度においては、消費税還付申告法人41件(前年対比128.1%)の実地調査を実施しました。このうち、消費税の非違があった法人は28件(同140.0%)、その追徴税額は7千6百万円(同78.4%)となっています。また、そのうち6件(同85.7%)は、不正に還付金額の水増しなどを行っており、5百万円を追徴課税しました。

○ 消費税還付申告法人に対する消費税の実地調査の状況
事務年度 28 29  
項目 前年対比(%)
実地調査件数 32 41 128.1
非違があった件数 20 28 140.0
  うち不正計算があった件数 7 6 85.7
調査による追徴税額 百万円 97 76 78.4
  うち不正計算に係る追徴税額 百万円 15 5 33.3
調査1件当たりの追徴税額 千円 3,031 1,854 61.2
不正1件当たりの追徴税額 千円 2,143 833 38.9

(注)調査による追徴税額には加算税及び地方消費税(譲渡割額)が含まれています。

消費税還付申告法人に対する消費税の追徴税額の推移のグラフ

無申告法人に対し、法人税8百万円、消費税4千6百万円を追徴課税

平成29事務年度においては、事業を行っていると見込まれる無申告法人に対し実地調査を実施し、法人税8百万円(前年対比17.4%)、消費税4千6百万円(同91.5%)、合わせて5千4百万円を追徴課税しました。

無申告法人に対する実地調査の状況
事務年度等
項目
26 27 28 29  
前年対比
法人税 実地調査件数 10 9 16 7 43.8%
追徴税額 千円 10,854 47,041 45,896 7,971 17.4%
消費税 実地調査件数 11 11 16 8 50.0%
追徴税額 千円 48,314 17,646 51,119 46,782 91.5%
追徴税額合計 千円 59,168 64,687 97,015 54,753 56.4%

無申告法人に対する法人税及び消費税の追徴税額の推移のグラフ

無所得申告法人に対し、法人税7億9千3百万円、消費税1億1千2百万円を追徴課税

本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものです。無所得申告法人に対しては、このような赤字の仮装や消費税の観点から、重点的に調査に取り組んでいます。
 平成29事務年度においては、126件(前年対比100.8%)の無所得申告法人に対して調査を実施し、94件の申告漏れが把握されました。
 なお、調査を実施した無所得申告法人のうち20件(同90.9%)については、本来有所得で申告すべき法人であり、7億9千3百万円(同596.2%)の法人税を追徴課税しました。
 また、消費税については1億1千2百万円(同302.7%)を追徴課税しました。

○ 無所得申告法人に対する実地調査の状況(法人税・消費税)等
事務年度等 28 29  
項目 前年対比(%)
実地調査件数 125 126 100.8
非違があった件数 89 94 105.6
  うち不正計算があった件数 41 44 107.3
非違があった割合 71.2 74.6 3.4P
  うち不正計算があった割合 32.8 34.9 2.1P
黒字申告に転換した件数 22 20 90.9
申告漏れ所得金額 百万円 △48 3,459 -
  うち不正所得金額 百万円 △630 1,095 -
法人税の追徴税額 百万円 133 793 596.2
消費税の追徴税額 百万円 37 112 302.7
黒字申告に転換した割合 17.6 15.9 ▲1.7P

無所得法人に対する法人税及び消費税の追徴税額の推移のグラフ

不正発見割合の高い業種は、「土木工事」、「一般土木建築工事」、「医療保険」、「農業」

平成29事務年度の調査において、法人税の不正発見割合の高い業種は、「土木工事(55.2%)」、「一般土木建築工事(53.7%)」、「医療保険(50.0%)」、「農業(50.0%)」の順となっています。
 また、不正1件当たりの不正所得金額の大きな業種は、「自動車、自転車(13,259万円)」、「土木工事(4,437万円)」の順となっています。

○ 不正発見割合の高い業種(中分類)

(平成29事務年度)
順位 業種目 不正発見割合 不正1件当たり
不正所得金額
(%) 前年度順位 (千円)
1 土木工事 55.2 7 44,372
2 一般土木建築工事 53.7 6 22,573
3 医療保健 50.0 2,273
3 農業 50.0 10,461
5 電気・通信工事 47.1 3 17,612
6 廃棄物処理 45.5 4,538
7 その他の対事業所サービス 40.0 20,227
8 職別土木建築工事 38.9 5 12,325

※ 「その他の対事業所サービス」は、事業所に対してサービスを行う事業(ビルメンテナンス、警備、人材派遣、職業紹介等)をいいます。

○ 不正1件当たりの不正所得金額の大きな業種(中分類)

(平成29事務年度)
順位 業種目 不正1件当たり
不正所得金額
不正発見割合
(千円) 前年度順位 (%)
1 自動車、自転車 132,599 30.0
2 土木工事 44,372 8 55.2
3 管工事 24,493 6 25.0
4 一般土木建築工事 22,573 9 53.7