平成30年6月
沖縄国税事務所

1 全酒類の課税状況

  • ○ 平成29年度(平成29年4月〜平成30年3月)の沖縄国税事務所管内における全酒類の酒税額は前年比3.3%減の100億6千3百万円で、課税移出数量は同 3.9%減の66,783キロリットルでした。
  • ○ 全酒類に係る酒税額は2年連続の減少、課税移出数量は4年連続の減少となりました。

2 種類別の課税状況

  • ○ 泡盛は、酒税額が前年比6.0%減の36億4千7百万円、課税移出数量が同5.8%減の18,244キロリットルで、酒税額及び課税移出数量は、過去最高だった平成16年度をピークに翌年度以降13年連続の減少となりました。
  • ○ ビールは、酒税額が前年比0.7%増の45億2千4百万円、課税移出数量が同0.8%増の24,958キロリットルで、いずれも6年連続の増加となりました。
  • ○ その他の酒類は、酒税額が前年比6.8%減の18億9千3百万円、課税移出数量が同7.0%減の23,582キロリットルで、いずれも4年連続の減少となりました。

3 泡盛の課税状況

  • ○ 県内向けの泡盛の酒税額は、前年比6.1%減の25億4千3百万円、課税移出数量は、同5.7%減の14,316キロリットルでした。いずれも2年連続の減少となりました。
  • ○ 県外向けの泡盛の酒税額は、前年比6.0%減の11億3百万円、課税移出数量は、同6.1%減の3,928キロリットルでした。いずれも5年連続の減少となりました。

4 泡盛需要振興施策について

沖縄国税事務所は、酒類行政を所管し「酒類業の健全な発達」を任務の一つとしており、関係機関と連携し、次のような取り組みを行っています。

  • ・泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール開催(沖縄県、酒造・卸・小売酒販組合ほか)
  • ・沖縄酒蔵マップ及び「GI琉球」周知用リーフレットの作成・配布
  • ・泡盛フレーバーホイールの活用・促進(沖縄県、琉球大学、沖縄高専)
  • ・泡盛鑑評会、品質評価会及び表彰式の実施(沖縄県)
  • ・沖縄型産業中核人材育成事業への参加(内閣府)
  • ・沖縄県酒造組合主催イベント(島酒フェスタ等)への支援・後援
  • ・泡盛振興に関する各種協議会等への参加(内閣府、沖縄県)
  • ・泡盛クイーンズサポーターの活用

(表1)酒類課税状況表(種類別)

(単位:kl、%、百万円)

年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
種類別   構成比 前年比   構成比 前年比   構成比 前年比
泡盛 数量 20,071 28.2 99.4 19,366 27.9 96.5 18,244 27.3 94.2
税額 4,016 38.0 99.0 3,881 37.3 96.6 3,647 36.2 94.0
ビール 数量 24,219 34.1 102.8 24,756 35.6 102.2 24,958 37.4 100.8
税額 4,394 41.6 102.8 4,491 43.2 102.2 4,524 45.0 100.7
その他の酒類 数量 26,768 37.7 97.3 25,361 36.5 94.7 23,582 35.3 93.0
税額 2,145 20.3 97.5 2,031 19.5 94.7 1,893 18.8 93.2
合計 数量 71,058 100.0 99.7 69,482 100.0 97.8 66,783 100.0 96.1
税額 10,555 100.0 100.2 10,403 100.0 98.6 10,063 100.0 96.7

(表2)泡盛の課税状況表

(単位:kl、%、百万円)

年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
区分   構成比 前年比   構成比 前年比   構成比 前年比
泡盛 県内 数量 15,823 78.8 100.3 15,180 78.4 95.9 14,316 78.5 94.3
税額 2,825 70.4 100.1 2,707 69.8 95.8 2,543 69.7 93.9
県外 数量 4,248 21.2 96.3 4,185 21.6 98.5 3,928 21.5 93.9
税額 1,191 29.7 96.6 1,174 30.2 98.6 1,103 30.2 94.0
合計 数量 20,071 100.0 99.4 19,366 100.0 96.5 18,244 100.0 94.2
税額 4,016 100.0 99.0 3,881 100.0 96.6 3,647 100.0 94.0

(注)

  • 1 表1の「その他の酒類」は、清酒、連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎(泡盛を除く)、果実酒、甘味果実酒、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、発泡酒、スピリッツ及びリキュール(発泡性のものを含む)の合計です。
  • 2 各表の計数は、項目ごとに端数処理を行っており必ずしも合計と一致しません。
  • 3 各表の平成29年度の値は、速報値です。

平成29年度酒類課税状況について

平成29年度(平成29年4月〜平成30年3月)の沖縄国税事務所管内における全酒類の酒税額は 100億6千3百万円(前年比 96.7%)、課税移出数量は 66,783kl(前年比96.1%)となっています。

平成27年度の酒類課税状況のグラフ

平成27年度の泡盛の課税状況のグラフ

泡盛需要振興施策について

○泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクールの開催

泡盛の伝統的な品質管理方法である「仕次ぎ」について、その文化的価値を再認識するとともに、経験的・科学的に有効な仕次ぎ方法を多くの人に伝えるために実施しました。
 主催は沖縄国税事務所、沖縄県工業技術センター、沖縄県酒造組合、沖縄県卸売酒販組合連合会、沖縄県小売酒販組合連合会、山原島酒之会、琉球泡盛倶楽部。

沖縄酒蔵マップ及び「GI琉球」周知用リーフレットの作成・配布

国内観光客及びインバウンド向けに当所管内の酒造所を紹介することを目的とした「沖縄酒蔵マップ(日本語、英語)」及び、平成30年2月27日に変更された地理的表示「GI琉球」周知用リーフレット(日本語、英語、中国語)を作成・配付しました。

○泡盛フレーバーホイールの活用・促進

これまで、泡盛の香りや味わいを表現することは難しく、様々な立場の人がそれぞれに表現をしていたところ、沖縄国税事務所、沖縄県工業技術センター、琉球大学、沖縄工業高等専門学校の4者は、科学的知見を踏まえ、泡盛の香りや味わいを表現する言葉を整理して、ホイール状に並べた泡盛フレーバーホイールを作成し、平成29年4月26日公表しました。
 このフレーバーホイールにある表現を用いて泡盛の香りや味わいの「見える化」を図ることにより、消費者は多数ある商品の中から商品選択を行いやすくなるほか、製造現場では市場のニーズに応じた研究開発が可能となるなど、製造・消費の両面に資するものとなります。
 主任鑑定官では、泡盛フレーバーホイールの使用方法等について、泡盛製造者等を対象にした講習を実施しています。

○泡盛鑑評会、品質評価会及び表彰式の実施

泡盛の酒造技術の発展、品質向上を目的としたものである。各泡盛製造者から一般酒、古酒を出品してもらい、それらを有識者により官能評価を行っています。
 その結果、特に優良であったものについては沖縄国税事務所長賞、沖縄県知事賞として沖縄県と共催で毎年11月に表彰式を行っています。

○沖縄型産業中核人材育成事業への参加

内閣府が実施する事業に参加しており、商品開発や販売促進ができる人材の育成について、鑑定官が講師を務めています。

○沖縄県酒造組合主催イベント(島酒フェスタ等)への支援・後援

琉球泡盛海外輸出プロジェクトの一環として行われた「第1回島酒フェスタ」をはじめ、「泡盛の女王選出大会」等の沖縄県酒造組合が主催する各イベントの支援・後援を行いました。

○泡盛振興に関する各種協議会への参加

各種泡盛振興支援協議会に酒類業調整官をはじめ国税事務所幹部が出席し、泡盛振興に関する支援策の協議・検討を行いました。

  • @ 琉球泡盛海外輸出プロジェクト(内閣府主催)
  • A 泡盛海外展開連絡支援会議(内閣府沖縄総合事務局経産部主催)
  • B 沖縄地域農林水産部輸出促進協議会(内閣府沖縄総合事務局農水部主催)
  • C 沖縄県泡盛振興協議会(沖縄県商工労働部主催)

○泡盛クイーンズサポーターの活用

この制度は、泡盛需要振興策の一環として、当局が歴代の泡盛の女王に泡盛クイーンズサポーターとして委託をし、意見交換会等を通じて、若者や女性の意見及び感想を集約、関係機関に情報提供するほか、泡盛関連イベントに参加し、泡盛の良さをPRするなどして泡盛振興の支援を行うことを目的とする制度であり、平成30年度は13名に委嘱しています。

○泡盛サイエンスセミナーの開催

多くの方に泡盛についてより知っていただくため、主任鑑定官をはじめ酒類総合研究所等から講師を招き、平成29年11月22日に沖縄、平成30年6月24日に東京で開催しました。