(1) 法人税の調査事績の概要
平成27事務年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人375件(前年対比101.4%)について実地調査を実施しました。
このうち、法人税の非違があった法人は278件(同93.9%)、その申告漏れ所得金額は、46億8千7百万円(同120.3%)、そのうち不正所得金額は16億9千3百万円(同141.8%)、追徴税額は11億4千9百万円(同129.5%)と大幅な増加となっています。
事務年度等
項目 |
26 | 27 | |||
---|---|---|---|---|---|
前年対比(%) | |||||
実地調査件数 | 件 | 370 | 375 | 101.4 | |
非違があった件数 | 件 | 296 | 278 | 93.9 | |
うち不正計算があった件数 | 件 | 94 | 103 | 109.6 | |
申告漏れ所得金額 | 百万円 | 3,895 | 4,687 | 120.3 | |
うち不正所得金額 | 百万円 | 1,194 | 1,693 | 141.8 | |
調査による追徴税額 | 百万円 | 887 | 1,149 | 129.5 | |
調査1件当たりの申告漏れ所得金額 | 千円 | 10,528 | 12,499 | 118.7 | |
不正1件当たりの不正所得金額 | 千円 | 12,699 | 16,437 | 129.4 | |
調査1件当たりの追徴税額 | 千円 | 2,398 | 3,061 | 127.6 |
(2) 法人消費税の調査事績の概要
平成27事務年度においては、法人消費税について、法人税との同時調査等として361件(前年対比100.8%)の実地調査を実施しました。
このうち、消費税の非違があった法人は210件(同91.7%)、その追徴税額は1億9千9百万円(同73.7%)となっています。
事務年度
項目 |
26 | 27 | |||
---|---|---|---|---|---|
前年対比(%) | |||||
実地調査件数 | 件 | 358 | 361 | 100.8 | |
非違があった件数 | 件 | 229 | 210 | 91.7 | |
うち不正計算があった件数 | 件 | 81 | 80 | 98.8 | |
調査による追徴税額 | 百万円 | 270 | 199 | 73.7 | |
うち不正計算に係る追徴税額 | 百万円 | 86 | 106 | 123.3 | |
調査1件当たりの追徴税額 | 千円 | 755 | 551 | 73.0 | |
不正1件当たりの追徴税額 | 千円 | 1,067 | 1,325 | 124.2 |
(注) 調査による追徴税額には地方消費税(譲渡割額)が含まれています。
本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人を放置しておくことは、納税者の公平感を著しく損なうものです。無所得申告法人に対しては、このような赤字の仮装や消費税の観点から、重点的に調査に取り組んでいます。
平成27事務年度においては、140件(前年対比108.5%)の無所得申告法人に対して調査を実施し、申告漏れ件数111件(同111.0%)及び申告漏れ所得金額17億5百万円(同119.7%)を把握しました。
なお、調査を実施した無所得申告法人のうち32件(同114.3%)については、本来有所得で申告すべき法人であり、3億2千5百万円(同181.6%)の法人税を追徴課税しました。
また、消費税については7千5百万円(同76.5%)を追徴課税しました。
事務年度等
項目 |
26 | 27 | |||
---|---|---|---|---|---|
前年対比(%) | |||||
実地調査件数 | 件 | 129 | 140 | 108.5 | |
非違があった件数 | 件 | 100 | 111 | 111.0 | |
うち不正計算があった件数 | 件 | 33 | 45 | 136.4 | |
非違があった割合 | % | 77.5 | 79.3 | 1.8P | |
うち不正計算があった割合 | % | 25.6 | 32.1 | 6.5P | |
黒字申告に転換した件数 | 件 | 28 | 32 | 114.3 | |
申告漏れ所得金額 | 百万円 | 1,424 | 1,705 | 119.7 | |
うち不正所得金額 | 百万円 | 588 | 555 | 94.4 | |
法人税の追徴税額 | 百万円 | 179 | 325 | 181.6 | |
消費税の追徴税額 | 百万円 | 98 | 75 | 76.5 | |
黒字申告に転換した割合 | % | 21.7 | 22.9 | 1.2P |
平成27事務年度の調査において、法人税の不正発見割合の高い業種は、「その他のサービス(62.5%)」、「貨物自動車(50.0%)」、「廃棄物処理(44.4%)」、「電気・通信工事(42.1%)」の順となっています。
また、不正1件当たりの不正所得金額の大きな業種は、「その他の対個人サービス(3,575万円)」、「土木建築サービス(3,539万円)」の順となっています。
○ 不正発見割合の高い業種(中分類)
(平成27事務年度)
順位 | 業種目 | 不正発見割合 | 不正1件当たり 不正所得金額 |
|
---|---|---|---|---|
(%) | 前年度順位 | (千円) | ||
1 | その他のサービス | 62.5 | - | 29,944 |
2 | 貸物自動車 | 50.0 | - | 5,168 |
3 | 廃棄物処理 | 44.4 | - | 26,676 |
4 | 電気・通信工事 | 42.1 | 1 | 3,888 |
5 | 土木工事 | 40.9 | 3 | 4,774 |
6 | その他の建築材料 | 37.5 | - | 5,388 |
7 | 職別土木建築工事 | 31.3 | 4 | 13,090 |
8 | 土木建築サービス | 27.8 | - | 35,390 |
順位 | 業種目 | 具体的な業種の内容 |
---|---|---|
1 | その他のサービス | 他に分類されない自由業的、専門的なサービスを行う事業 (例:デザイン、各種教室・塾、各種コンサルタント等) |
6 | その他の建築材料 | その他の建築材料の卸売を行う事業(例:土砂卸売業、石材卸売業等) |
○ 不正1件当たりの不正所得金額の大きな業種(中分類)
(平成27事務年度)
順位 | 業種目 | 不正1件当たり 不正所得金額 |
不正発見割合 | |
---|---|---|---|---|
(千円) | 前年度順位 | (%) | ||
1 | その他の対個人サービス | 35,747 | - | 11.1 |
2 | 土木建築サービス | 35,390 | - | 27.8 |
3 | その他のサービス | 29,944 | - | 62.5 |
4 | 廃棄物処理 | 26,670 | - | 44.4 |
順位 | 業種目 | 具体的な業種の内容 |
---|---|---|
1 | その他の対個人サービス | 個人に対しサービスを行う事業(クリーニング、理美容、写真、保育等を除く)(例:個人向けリース、レンタカー、冠婚葬祭、運転代行等 |
3 | その他のサービス | 他に分類されない自由業的、専門的なサービスを行う事業(例:デザイン、各種教室・塾、各種コンサルタント等) |