平成26年10月
沖縄国税事務所

所得税及び個人事業者の消費税について、平成25事務年度(平成25年7月から平成26年6月までの間)に実施した調査等の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 所得税

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

所得税の調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています(以下、実地により行う調査を総称して「実地調査」といいます。)。
 このほか、文書又は来署依頼による面接等により、計算誤りや所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)を実施しています。
 このように、事案に応じた的確な調査等(「実地調査」及び「簡易な接触」をいいます。以下同じです。)を実施し、適正・公平な課税に努めています。
 実地調査の件数については、特別調査・一般調査が214件(前事務年度217件)、着眼調査が87件(前事務年度250件)であり、簡易な接触の件数については、5,561件(前事務年度4,749件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は5,862件(前事務年度5,216件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は4,079件(前事務年度3,535件)となっています。

(2) 申告漏れ所得金額の状況

実地調査による申告漏れ所得金額(実地調査の対象となった全ての年分の合計)は、全体で25億6千3百万円(前事務年度27億2千2百万円)であり、うち特別調査・一般調査によるものは23億4千7百万円(前事務年度23億6百万円)、着眼調査によるものは2億1千5百万円(前事務年度4億1千6百万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは66億7千1百万円(前事務年度62億7百万円)となっており、調査等合計では92億3千4百万円(前事務年度89億2千9百万円)となっています。

(3) 追徴税額の状況

実地調査による追徴税額(実地調査の対象となった全ての年分の合計で加算税を含みます。)は、全体で5億円(前事務年度5億2百万円)であり、このうち特別調査・一般調査によるものは4億9千万円(前事務年度4億6千6百万円)、着眼調査によるものは1千万円(前事務年度3千6百万円)となっています。
また、簡易な接触による追徴税額は7億1千7百万円(前事務年度4億9千4百万円)となっており、調査等合計では12億1千7百万円(前事務年度9億9千6百万円)となっています。

(4) 譲渡所得

所得税のうち譲渡所得については、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用し、申告のないもの又は申告額が過少であると認められるものを対象に、高額あるいは悪質と見込まれるものを優先して調査等を実施しています。
 譲渡所得に係る調査等の件数は、794件(前事務年度497件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は、533件(前事務年度301件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、37億2千8百万円(前事務年度21億7百万円)となっています。

2 消費税(個人事業者)

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

消費税(個人事業者)の調査等については、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象に、原則として所得税の調査等と同時に実施することとしておりますが、消費税のみが無申告である納税者に対しても、適正な課税に努めています。
 実地調査の件数は、特別調査・一般調査は132件(前事務年度126件)、着眼調査は55件(前事務年度128件)であり、簡易な接触の件数は、819件(前事務年度577件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は1,006件(前事務年度831件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は684件(前事務年度623件)となっています。

(2) 追徴税額の状況

実地調査による追徴税額(実地調査の対象となった全ての年分の合計で加算税を含みます。)は、全体で1億3千6百万円(前事務年度2億2千8百万円)であり、このうち特別調査・一般調査によるものは1億2千7百万円(前事務年度1億9千7百万円)、着眼調査によるものは9百万円(前事務年度3千万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは1億1百万円(前事務年度7千7百万円)となっており、調査等合計では、2億3千7百万円(前事務年度3億5百万円)となっています。

(参考1) 平成25事務年度 所得税及び消費税調査等の状況

1 所得税

区分 実地調査 簡易な接触 調査等合計
項目 特別・一般 着眼
1 調査等件数 217 250 467 4,749 5,216
214 87 301 5,561 5,862
2 申告漏れ等の非違件数 185 158 343 3,192 3,535
184 53 237 3,842 4,079
3 申告漏れ所得金額 百万 2,306 416 2,722 6,207 8,929
2,347 215 2,563 6,671 9,234
4 追徴税額 本税 百万 380 32 412 471 884
410 9 419 708 1,127
5 加算税 百万 86 4 90 23 113
80 1 81 9 90
6 百万 466 36 502 494 996
490 10 500 717 1,217
7 一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 1,063 167 583 131 171
1,097 247 851 120 158
8 追徴税額 本税 万円 175 13 88 10 17
192 11 139 13 19
9 加算税 万円 40 2 19 1 2
37 1 27 0 2
10 万円 215 15 108 10 19
229 12 166 13 21

(注)

  • 1 平成25年7月から平成26年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  • 2 上段は、前事務年度の計数である。(上段・下段どちらも、資産課税部門職員の行った調査等の計数を含む。)
  • 3 「簡易な接触」の件数には、添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  • 4 平成25事務年度の追徴税額(本税)には、復興特別所得税額を含む。
  • 【参考1】特別調査・一般調査とは、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査を行うものであり、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる者等を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものである。
  • 【参考2】着眼調査とは、資料情報や事業実態の解明を通じて申告漏れ所得等の把握を実地に臨場して短期間で行う調査である。
  • 【参考3】簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書や電話又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものである。

2 消費税(個人事業者)

区分 実地調査 簡易な接触 調査等合計
項目 特別・一般 着眼
1 調査等件数 126 128 254 577 831
132 55 187 819 1,006
2 申告漏れ等の非違件数 116 124 240 383 623
114 50 164 520 684
3 追徴税額 本税 百万 157 27 183 73 257
103 8 111 98 209
4 加算税 百万 41 4 44 4 48
24 1 25 4 29
5 百万 197 30 228 77 305
127 9 136 101 237
6 一件当たり 追徴税額 本税 万円 124 21 72 13 31
78 15 59 12 21
7 加算税 万円 32 3 18 1 6
18 2 13 0 3
8 万円 157 24 90 13 37
96 17 73 12 24

(注)

  • 1 平成25年7月から平成26年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  • 2 消費税の追徴税額には、地方消費税(譲渡割額)を含む。
  • 3 上段は、前事務年度の計数である。

(参考2) 事業所得を有する者の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位5業種

順位 業種目 1件当たりの申告漏れ所得金額 1件当たりの追徴税額(含加算税) 直近の年分に係る申告漏れ割合 前年の順位
  万円 万円
1 とび工事 4,923 1,506 79.0
2 一般貨物自動車運送 2,284 394 62.8 1
3 建築工事 1,232 236 71.4 8
4 冷暖房設備工事 1,134 144 7.3
5 衣料洋品小売業 1,104 239 36.5

(注)

  • 1 上記調査事績は、特別調査及び一般調査に基づく実施結果である。
  • 2 「直近の年分に係る申告漏れ割合」は、

    申告漏れ所得÷(申告漏れ所得+申告漏れ所得)で算出している。

  • 3 「前年の順位」は、事業所得を有する者の前年の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10位に該当するものについて、その順位を記載している。

(付表) 事業所得を有する者の最近10年間の1件当たりの申告漏れ所得が高額な業種

  16事務年度 17事務年度 18事務年度 19事務年度 20事務年度
業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得
    万円   万円   万円   万円   万円
1 ゲーム喫茶等 7,475 外国料理店 6,336 衣料洋品小売業 5,968 民宿 2,987 酒場 3,923
2 貸金業 5,929 酒場 3,610 一般海面漁業 5,149 一般海面漁業 2,715 民宿 3,369
3 酒場 3,444 各種飲食料品小売業 3,458 医薬品小売業 4,854 灯油、プロパンガス 2,151 食堂 2,084
4 歯科医 2,957 歯科医 2,267 司法書士、行政書士 3,877 司法書士、行政書士 1,487 建築工事 1,425
5 医薬品小売業 2,585 バー 2,184 不動産代理仲介 3,393 食堂 1,458 大工工事 1,348
  21事務年度 22事務年度 23事務年度 24事務年度 25事務年度
業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得 業種目 1件当たり申告漏れ所得
    万円   万円   万円   万円   万円
1 司法書士、行政書士 9,001 採卵業 5,779 くず金卸売業 4,150 一般貨物自動車運送 4,239 とび工事 4,923
2 施設園芸農業(果樹) 4,267 食堂 3,475 酒場 2,814 一般自動車整備 3,673 一般貨物自動車運送 2,284
3 風俗業 1,612 果樹栽培農業 3,079 理髪 2,756 仕出し製造小売業 1,980 建築工事 1,232
4 青物(小売) 1,437 建築士 2,627 食堂 2,012 一般土木建築工事 1,011 冷暖房設備工事 1,134
5 内装工事 1,290 内装工事 1,665 塗装工事 2,000 型枠工事 834 衣料洋品小売業 1,104

(注) 1件当たりの申告漏れ所得は、調査全年分に係るものである。

(参考3) 平成25事務年度 譲渡所得の調査等事績

事務年度 平成24事務年度 平成25事務年度 対前事務年度
項目
A
調査等件数 497 794 159.8
  土地建物等 470 773 164.5
株式等 27 21 77.8
B
申告漏れ等の非違件数 301 533 177.1
  土地建物等 294 526 178.9
株式等 7 7 100.0
C ポイント
申告漏れ割合(B/A) 60.6 67.1 6.5
  土地建物等 62.6 68.0 5.4
株式等 25.9 33.3 7.4
D 百万円 百万円
申告漏れ所得金額 2,107 3,728 176.9
  土地建物等 2,103 3,598 171.1
株式等 4 130 3,250.0
E 万円 万円
1件当たり申告漏れ所得金額(D/A) 424 470 110.8
  土地建物等 448 465 103.8
株式等 14 621 4,435.7

(注)

  • 1 土地建物等は、土地建物(分離課税所得)及び金地金・ゴルフ会員権等(総合譲渡所得)である。
  • 2 土地建物等は、課税年分ごとに1件としている。