(参考資料)

1 調査の目的

本調査は、泡盛等(花酒、甲乙混和酒を含む。)の一層の品質向上を図ることを目的に、毎年、市販されている泡盛等の品質を調査し、その調査結果を各製造者に通知するとともに、当所の酒類行政に活用します。
 なお、本調査は昭和56年4月に第1回が開催され、今回で28回目となります。

2 調査対象酒

平成20年1月に県内の酒販店から買上げた市販の泡盛等合計123点を調査対象としました。

カテゴリー 買上点数 特徴
一般酒 76 貯蔵年数が「古酒」の基準に満たない一般の泡盛。
古酒 47 泡盛の表示に関する公正競争規約に定めた「古酒」に該当するもの。
  • (注1)一般酒の点数には、甲乙混和酒1点、花酒3点、樽貯蔵酒5点を含みます。
  • (注2)古酒の表示に関する公正競争規約では、「全量を3年以上貯蔵したもの又は仕次ぎをしたもので、3年以上貯蔵した泡盛が、仕次ぎ後の泡盛の総量の50%を超えるものでなければ古酒と表示してはならない。」と定義されています。

3 調査方法

調査は、品質評価(きき酒)及び理化学分析により行いました。

(1) 品質評価会

平成20年1月30日に北那覇税務署会議室において17名の品質評価員により行いました。内訳は、泡盛に造詣の深い有識者1名、酒類流通関係者2名、泡盛製造関係者9名、酒類研究機関1名、公的機関4名でした。
 品質評価には、市販酒をそのままと、アルコール分を20度に割水したものの2種類を並べて行いました。割水したものを並べるのは、市販酒そのままではアルコール分が高くきき酒しにくいことや、飲用に近いアルコール度数できき酒するためです。
 「泡盛品質評価カード」には、あらかじめ品質評価に必要な事項が記載されており、マークすることにより簡便に品質評価することができます。
 評価は、香り・味・総合品質ごとに4段階(1:良好、2:普通、3:難点、4:問題あり)で行い、さらに香りと味の特徴を指摘するプロファイル法と呼ばれる方法で行いました。

(2) 理化学分析

アルコール分のほか、泡盛等の品質に関係する「酸度、紫外部吸収、TBA価」の3項目について分析を行いました。
 酸度は泡盛中の有機酸(主として酢酸)の量を表します。酸度が大きい場合には味が濃醇に感じられ、小さい場合は味が淡麗に感じられます。なお、樽貯蔵酒は樽由来の有機酸のため値が高くなります。
 紫外部吸収は、泡盛中のフルフラールの含有量と相関関係にあります。フルフラールは泡盛の香味の濃淡に関係し、多すぎると焦げ臭や苦味を呈します。
 TBA価は、泡盛に含まれる油性成分(不飽和脂肪酸エチルエステルなど)の酸化度を示す指標であり、油臭と相関関係にあるといわれております。

4 品質評価員(敬称略、順不同)

氏名 所属
砂川 聖子 セイコプロジェクト
喜屋武善範 有限会社喜屋武商店
大岩馗一郎 南島酒販株式会社
比嘉 洋一 久米仙酒造株式会社
熱田 和史 忠孝酒造株式会社
津覇 実正 沖縄県酒造協同組合
仲栄真兼昌 瑞泉酒造株式会社
屋良 昌樹 株式会社石川酒造
漢那 憲隆 請福酒造有限会社
大城 宜実 合資会社津嘉山酒造所
大城 洋介 有限会社今帰仁酒造
神村 盛行 有限会社神村酒造
塚原 正俊 株式会社トロピカルテクノセンター
玉村 隆子 沖縄県工業技術センター
井本 吉彦 国税庁
山根 善治 沖縄国税事務所
辻井 将之

5 品質評価カード

泡盛品質評価カードの写真

6 品質評価結果

(1) 香りの評価

香りの評価(一般酒、古酒、樽貯蔵酒の品質分布図)

(2) 味の評価

味の評価(一般酒、古酒、樽貯蔵酒の品質分布図)

(3) 総合品質

総合品質(一般酒、古酒、樽貯蔵酒の品質分布図)

7 理化学分析結果

(1) 酸度

酸度

(2) 紫外部吸収

紫外部吸収

(3) TBA価

TBA価