居波 邦泰
税務大学校
研究部教育官


要約

1 研究の目的(問題の所在)

 国税庁においては、適正・公平な課税の実現のため、また、申告納税制度を担保するため、納税者に対して税務調査を実施しているところであるが、納税者の税務コンプライアンスの維持・向上を図る手段として、調査事績以外の新たな指標について、米国や英国の取組みを参考にすることが考えられる。
米国においては、2000年以降、コンプライアンスの新しい測定プログラムであるNRPに基づいて、2001年及び2006年のタックス・ギャップの推計を公表し、納税者のコンプライアンスの向上に取り組んでいる。また、英国においても、2009年より毎年、主要な税目についてタックス・ギャップの推計を公表し、その縮減を目標としている。
本論文は、既にタックス・ギャップの推計が行われている米国及び英国の取組みの実情について精査・分析をするものである。

2 研究の概要

(1) 米国のタックス・ギャップの推計

イ 米国の納税者コンプライアンス水準の把握に係る取組みの経緯:TCMPの実施
米国は、納税者コンプライアンス水準の把握(推測)のために、1963年に「納税者コンプライアンス測定プログラム(Taxpayer Compliance Measurement Program:TCMP)」を導入し、1988年まで実施してきた。
TCMPは、主に個人及び小規模法人の納税申告書を対象として、原則3年に一度行われた複数年に及ぶプロジェクトで、主に個人所得税申告書についてランダムに抽出された約50,000件を対象として実施された。
TCMP調査は、すべての調査対象の申告書について、精緻にコンプライアンス水準を把握するために、その「一行(Line)ごと」に納税者に根拠となる資料を求める等をして詳細に調査する“Line-by-line Audit”(全項目調査)と呼ばれる手法に基づいて、納税者に相当な時間と労力を負わせて実施された。
これに対し、1980年代から納税者の権利意識が高まり、1988年に「納税者権利保障法」が制定されるなどして、同年を最後にTCMPは中止されるに至った。

ロ 2002年における新たな特別プログラム:NRPの導入
1990年代になると、米国では行政改革の機運が高まり、「1993年政府業績評価法」が成立し、これにより、国民を顧客(カスタマー)として認識した行政改革が推進されることとなった。
IRSは、政府業績評価の業務目標に、業務を計量的かつ客観的に説明する指標としてコンプライアンス指標を導入し、これを「申告コンプライアンス(Filing Compliance)」、「申告内容コンプライアンス(Reporting Compliance)」、「納付コンプライアンス(Payment Compliance)」の3類型に分類し、「申告コンプライアンス」及び「納付コンプライアンス」については毎年、「申告内容コンプライアンス」については3年ごとに調査を実施することとした。
このような流れを受け、2002年1月にIRSは新たなコンプライアンス測定の取組みとして「全国調査プログラム(National Research Program:NRP)」の導入を正式に発表し、2001年分の所得税確定申告書(Form 1040)を対象に2002年から作業を開始した。NRPは、これまで2002年から及び2006年からと2回実施されている。

ハ NRP調査の概要とTCMP調査との違い
NRP調査では、ランダムに抽出した調査対象の申告書のすべてについて、まる1IRSが利用可能な情報と突合して追加情報を付加する「ケースビルディング」という作業が行われ、そして、まる2それに基づき検証レベル別に申告書を振り分ける「分類」がなされる。
「ケースビルディング」及び「分類」の結果、調査対象の申告書は、次の4つの検証レベルに分類される。以下に、2001年の49000件の分類計画を示す。

  • ・ 机上処理・・・・IRSの既存情報のみを使用しての机上調査-約8000件(16%)
  • ・ 文書照会・・・・書簡による文書照会調査-約9000件(18%)
  • ・ 重点項目調査・・・・担当調査官が問題とした項目を重点とする臨場調査(通常の税務調査に近い)-約30000件(61%)
  • ・ 全項目調査・・・・TCMP調査の“Line-by-line Audit”-約2000件(4%)

 したがって、NRP調査はTCMP調査と比べて納税者への負担が大きく軽減されている。加えて、以下の相違点が指摘されている。

TCMP調査 NRP調査
・ 目的:コンプライアンスの把握に焦点
矢印 コンプライアンスの把握とカスタマーサービスに焦点を当てる
・ 調査能力が十分でない調査官も参加
矢印 訓練を受けた経験豊富な調査官が担当
・ 紙での根拠資料の要求
矢印 電子データでの資料収集
・ ノンコンプライアンスの原因を理解することは強調されず
矢印 ノンコンプライアンスの原因を理解することを強調
・ 戦略計画に結果が常には反映されず
矢印 戦略計画の結果が常に反映される
・ 抽出されるサンプルが多く納税者への負担が大
矢印 最小のサンプル数でより少ない納税者への負担(全項目調査は限られる)
・ 測定値が3、4年間入手できなかった
矢印 測定値が毎年入手可能

 NRP調査では「NRPチェックシート」が用いられ、調査官はこのシートに指定された問題点の検証を行い、調査後は収集したコンプライアンスデータを「報告作成システム(Reports Generation System : RGS)」に入力し、分析担当部署へ回付することとなっている。

ニ 米国のタックス・ギャップの構成及び算出方法等
米国のタックス・ギャップは、「租税法令に従い納付されるべき税収と現実に期限内に納付された税収の差異」をグロス・タックス・ギャップと定義しており、これは次の3要素のギャップに大別される。

  • まる1 無申告ギャップNonfiling Tax Gap)= 真正な申告義務額 - 適正な期限内申告額
  • まる2 過少申告ギャップUnderreporting Tax Gap)= 適正な期限内申告額 - 実際の期限内申告額
  • まる3 過少納付ギャップUnderpayment Tax Gap)= 実際の期限内申告額 - 実際の期限内納付額

 なお、ネット・タックス・ギャップとは、グロス・タックス・ギャップから「執行措置等を通じて事後的に徴収された税額(執行措置等徴収額)」を控除した額である。
IRSは、これら3要素に係るタックス・ギャップの推計値を、「個人所得税」、「法人所得税」、「社会保障税」、「相続税」、「個別消費税」の5つのカテゴリーに分けて算出しており、その算出方法及び利用データを示すと、2006年課税年度については、以下の表のようになっている。

○ 2006課税年度タックス・ギャップの推計のための算出方法及び利用データ

(単位:億ドル)
要素 アプローチ 金額等
無申告 個人 データ 2005年のIRSデータ 250
(5.5%)
方法 IRSの執行データとの照合及びモデリング(情報申告書、確定申告書)
相続 データ 1990年代後半及び2000年のNCHS及びHRSデータ 30
(0.7%)
方法 富裕層調整死亡率カーブ(Wealth adjusted mortality curves)
過少申告 個人 データ 2006課税年度のNRP調査データ(約13000件の調査事績)
併せて、2001課税年度のDCE推計でのNRP調査データ
2350
(52.2%)
方法
・ 2006課税年度NRP調査データによるライン項目DCE推計
・ 課税計算
法人 データ (複数年の)通常の税務(実地)調査データ 670
(14.9%)
中小19
(4.2%)
大48
(10.7%)
方法 中小企業(資産<$10M)
(1) イールドカーブ法:1996-2006、
(2) 経済モデル:2004
大企業(資産≧$10M)
(1) パレート/極値法
社会保障 自営 データ 2006課税年度のNRPのランダム調査、併せて、2001課税年度のNRPをベースにした新しいDCE推計 720
(16.0%)
方法 DCE調整NRP推計を適用した課税計算
雇用 データ 1984課税年度のTCMPランダム調査
方法 課税年度の申告事績にTCMP VRRを適用
相続 データ 2004年(暦年)の通常の税務調査データ 20
(0.4%)
方法 経済モデル(2001年と同様)
滞納 全て データ 2006課税年度のマスターファイル一覧表 460
(10.2%)
方法 実績値〔実額〕

ホ 3要素におけるカテゴリーごとのタックス・ギャップの算出方法等の特徴
上記の表をみると、タックス・ギャップの算出にNRP調査の結果を利用しているのは、過少申告ギャップにおける「個人所得税」及び「社会保障税の一部」のみであり、タックス・ギャップの算出方法等は3要素及び5つのカテゴリーごとに大きく異なっていることがわかる。
ここでは、タックス・ギャップの主要要因である過少申告ギャップの「個人所得税」及び「法人所得税」の推計方法及び利用データについてみてみる。

まる1 過少申告ギャップに係る「個人所得税」の推計方法及び利用データ
2006年課税年度の個人所得税の過少申告ギャップは2350億ドルで、グロス・タックス・ギャップ全体の約52%を占める最も重要なカテゴリーである。
個人所得税の推計の利用データは上述の「NRP調査データ」であり、推計方法は「ライン項目DCE」となっている。
DCE(Detection Controlled Estimation:非違把握調整推計)とは、調査官がNRP調査で把握したノンコンプライアンス額を出発点として、統計分析に非違の把握過程(Detection Process)のモデルを組み込んだ方法である。

まる2 過少申告ギャップに係る「法人所得税」の推計方法及び利用データ
2006年課税年度の法人所得税の過少申告ギャップは670億ドルで、グロス・タックス・ギャップ全体の約15%であり、その内訳は、資産額が1000万ドル未満の中小企業が190億ドルで全体の約4%、1000万ドル以上の大企業が480億ドルで全体の11%となっている。
法人所得税の推計の利用データは、法人にはNRPデータが存在しないので、中小企業・大企業とも「(複数年の)通常の税務(実地)調査データ」である。
通常の税務調査はランダムに選定されていないことから、法人のタックス・ギャップの推計方法は、この通常の税務調査の性質を考慮して開発がなされている。
具体的な推計方法は、中小企業が「イールドカーブ法(Yield Curve Methodology)」であり、大企業が「パレート/極値法(Pareto/Extreme Value Methodology)」である。
中小企業の「イールドカーブ法」は、ノンコンプライアンス額(非違税額)を実地調査割合の関数として、いくつかの要因を考慮した上で、実地調査割合が100%になったときの非違税額を推定するものである。
大企業の「パレート/極値法」は、税務調査データにパレート分布を適用することで、大企業のノンコンプライアンス額の極値が母集団の残りのノンコンプライアンス額を推計することができるとするものである。

へ タックス・ギャップに係る米国財務省及びIRSの戦略等
2006年9月に、米国財務省は「タックス・ギャップ縮減総合戦略」を公表し、タックス・ギャップ縮減に係る4つの主要原則を掲げた。

まる1 意図的でない誤りと意図的な租税回避の両方を取り扱うべきである。

まる2 ノンコンプライアンスの原因の特定が目標とされるべきである。

まる3 執行活動(税務調査)は納税者サービスと組み合わされるべきである。

まる4 政策のポジションとコンプライアンス策定は納税者の権利にセンシティブであるべきであり、そして執行活動(税務調査)と納税者への負担の間には適切なバランスが維持されるべきである。

 2007年8月には、「タックス・ギャップの縮減-自発的コンプライアンス改善報告書」で、コンプライアンス改善に係る7つの方針が公表された。

まる1 脱税の機会を減らすための法令改正を行うこと

まる2 ノンコンプライアンスに係る調査研究を複数年に亘って実施すること

まる3 情報技術の革新を継続すること

まる4 コンプライアンス活動を改善すること

まる5 納税者サービスを向上させること

まる6 税制を改革し簡素化すること

まる7 パートナー及び利害関係者と協調すること

 その後、米国財務省は2009年7月に「タックス・ギャップの縮減-自発的コンプライアンス改善のアップデート」を公表して、これらの取組みについての評価を行っている。

ト 米国議会及びGAOにおける取組み
米国では、米国議会やGAO(Government Accountability Organization)が、タックス・ギャップの推計について、IRSの予算要求や実績評価等においてその必要性を認識しており、これまでもタックス・ギャップに関するGAOのIRS評価や議会ヒアリング等の報告書が数多く(確認した範囲で30冊以上)刊行されている。

チ 米国のタックス・ギャップの推計に係る評価
米国では、政府業績評価の評価目標としてコンプライアンスが位置づけられ、米国議会やGAOがタックス・ギャップの必要性を強く認識している。この推計のために現状においてIRSはNPR調査を実施しているが、これが推計に用いられているのは過少申告ギャップの個人所得税及び自営業者の社会保障税のみ(全体の約65%)であり、法人所得税などでは通常の税務調査の結果を用いている。
また、この推計では、地下経済のみならず、グーグルやスターバックスなどの多国籍企業が行っている「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ」等の海外取引スキームやチェック・ザ・ボックスを利用した租税回避行為はその範囲外に置かれているものである。
その意味では、この推計は限定的なものであるとも評価されるが、しかし、納税者のコンプライアンスの測定手段として、米国財務省及びIRSの税務行政に戦略や指針を与えており、国家としてもその必要性を認めるなど、一定の効果を有しているものであると評価できる。

(2) 英国のタックス・ギャップの推計
英国では、2009年から「タックス・ギャップの測定(Measuring Tax Gaps)」が毎年公表されており、英国のタックス・ギャップの推計は大きく2つに分かれ、ひとつはVATを中心とする間接税(VAT、酒、タバコ、石油等)ギャップ、もうひとつは個人所得税や法人所得税に関する直接税(個人所得税、法人所得税、相続税等)ギャップである。2012年版ではこれまでの推計値の推移が公表され、英国でのタックス・ギャップの堅調な減少傾向が示されている。

イ VATに係るタックス・ギャップの推計方法
VATの推計は、理論的なVATの租税収入と実際のVATの収受額との差額として認識され、トップダウン・アプローチ(マクロ的手法)によって計測される。
理論的なVATは、国家統計局(Office for National Statistics;ONS)の国民経済計算データ(National Accounts Data)から構築され、想定される合法的な還付額が控除されたものである。
なお、VATの推計はEU等でも行われており、EU公表の2006年の主要国のタックス・ギャップ割合は、英国17%、フランス7%、ドイツ10%、イタリア22%、スペイン2%、オランダ3%、ベルギー11%、ギリシャ30%となっている。

ロ 個人所得税等に係るタックス・ギャップの推計方法
個人所得税の推計は、ランダム調査プログラムによるサンプル調査の結果から求められ、「ネット・タックス・ギャップ = 誤申告による過少申告債務 - コンプライアンス活動からの稼得税額 + 不納付額」と定義されるものであり、ボトムアップ・アプローチ(ミクロ的手法)によって計測される。
なお、この方法では、隠匿経済(無申告)は判断できず、租税回避を完全には含むことはできないとされており、これらは別個に推計される。

ハ 法人所得税に係るタックス・ギャップの推計方法

・ 大企業(Businesses managed by LBS)に対する推計
大企業サービス部(Large Business Service:LBS)が管理している約800社の大企業については、HMRCは2006年から「リスクベースアプローチ」を導入しており、企業との協力的な関係を構築することを目的とした「カスタマー・リレーションシップ・マネージャー(Customer Relationship Manager:CRM)」が、当該企業の専属スタッフとして大企業1社につき1名任命され、当該企業において業務を行っている。
CRMは、その通常業務の一環として、担当企業を審理し納めるべき税額(Tax under Consideration :TuC)の算定を行い、LBSの事務運営システムに入力している。これが大企業の推計の初期値となる。
大企業の推計のために、更なる検討によって、より大きいリスクがあると期待される大企業からより少ないサンプルを抽出して調査が行われ、その調査結果としてのコンプライアンス額(compliance yield)が得られる。
これにより、大企業に対する推計は、CRMによる「TuC」とサンプル調査による「コンプライアンス額」の差額から計測される。

・ 中小企業に対する推計
中小企業に対しては、「法人所得税申告納税制度(CTSA)ランダム調査プログラム」により、サンプルとなる調査対象企業が、毎月、申告書を配達するための通知書が発行された中小企業からランダムに抽出されており、これに対して、所得税と同様の推計プログラムが適用され推計値が計測される。

ニ 英国のタックス・ギャップの推計に係る評価
英国でのタックス・ギャップの推計について2004年以降の推移をみてみると、個人所得税(IT)等のタックス・ギャップ割合が5%程度で推移しており、95%のコンプライアンスが既に確保できていることになるが、英国は2000年から申告納税制度に移行し、納税者の居宅等へ臨場しての税務調査は2008年以降から行われていることに鑑みるとこれが現実的な数字なのか疑問に感じるところである。
VATに係るタックス・ギャップはより客観的な数値として認識できるが、全体のタックス・ギャップの数値が5%に向けて順調に逓減してきている(法人所得税の数値が15%から7年程度で半減している)ことをみても、英国のタックス・ギャップについては、これから何らかの改善がなされていくのではと考えるところである。

3 結論

 本論文では、タックス・ギャップの推計に関して、米国及び英国の実情についての確認を行った。米国の直接税中心のタックス・ギャップの推計は1960年代からのもので歴史や経験のあるものであった。英国の直接税及びVATのタックス・ギャップの推計はその公表は2009年からのもので、これからも推計方法の改善等がなされていくものであると思われる。
タックス・ギャップの推計を税務行政に利用する試みは、先進国だけでなく、今後、途上国も含め世界的に広く採用されていくのではないかと思慮されるところである。


目次

項目 ページ
はじめに 93
第1章 タックス・ギャップとは 95
1. 米国におけるタックス・ギャップへの認識 95
2. 英国におけるタックス・ギャップへの認識 97
第2章 米国のタックス・ギャップの推計 99
第1節 最近の米国におけるタックス・ギャップの推計値の公表状況 99
1. 2006年のタックス・ギャップの推計値 99
2. Tax Compliance Research 2006における推計値の分析 103
(1) グロス・タックス・ギャップとネット・タックス・ギャップの差異
103
(2) 税目でのVCRの状況
104
(3) 情報申告及び源泉徴収と推計値との関係
105
第2節 米国のタックス・ギャップの推計の経緯 106
1. 米国の納税者コンプライアンス水準の把握に係る取組みの経緯:TCMPの実施 106
(1) 「納税者コンプライアンス測定プログラム(TCMP)」の実施
106
(2) TCMPのための統計調査における調査項目
108
(3) TCMP調査の終了
114
2. 2002年における新たな特別プログラムの導入:全国調査プログラム(NRP) 115
(1) 1990年代における行政改革の機運の高まり
115
(2) 政府業績評価における「コンプライアンス指標」
115
まる1 申告コンプライアンス(Filing Compliance)
115
まる2 申告内容コンプライアンス(Reporting Compliance)
116
まる3 納付コンプライアンス(Payment Compliance)
116
(3) 「全国調査プログラム(NRP)」の導入
117
まる1 所得税確定申告書からのNRP調査の対象となる「サンプルの抽出」
117
まる2 抽出したサンプルに対する「ケース・ビルディング」の実施
119
まる3 情報を付加したサンプル申告書の「分類」
121
まる4 納税者との接触等による「検証」
123
まる5 収集データの分析及び活用
123
(4) NRP調査とTCMP調査との違い
124
第3節 米国のタックス・ギャップの概念と算定方法 126
1. 米国のタックス・ギャップの概念 126
(1) 米国のタックス・ギャップの定義と構成要素
126
(2) 米国のタックス・ギャップの5つのカテゴリーと算出方法の概要
130
イ タックス・ギャップの5つのカテゴリー
130
ロ タックス・ギャップの算出方法の概要
131
(3) 米国のタックス・ギャップの要素・カテゴリーに基づいた全体像
135
(4) 過少申告ギャップの「個人所得税」及び「法人所得税」の具体的な算出方法
136
まる1 過少申告ギャップに係る「個人所得税」の推計方法及び利用データ
136
まる2 過少申告ギャップに係る「法人所得税」の推計方法及び利用データ
138
2. 報告書でのタックス・ギャップの算出方法の詳説 139
(1) 過少申告ギャップ
139
まる1 個人所得税の過少申告ギャップの算出に関する説明
139
まる2 法人所得税の過少申告ギャップの算出に関する説明
142
まる3 相続税の過少申告ギャップの算出に関する説明
149
(2) 無申告ギャップ
150
まる1 個人所得税の無申告ギャップの算出に関する説明
150
まる2 相続税の無申告ギャップの算出に関する説明
152
第4節 タックス・ギャップに係る米国財務省及びIRSの戦略等 153
1. 米国財務省のタックス・ギャップ縮減総合戦略 153
〔米国財務省のタックス・ギャップ縮減に関する4つの主要原則〕 153
2. IRSのコンプライアンス改善に係る7つの方針 153
〔IRSのコンプライアンス改善に係る7つの方針〕 154
まる1 脱税の機会を減らすこと
154
まる2 ノンコンプライアンスに係る調査研究を複数年に亘って実施すること
154
まる3 情報技術の革新を継続すること
154
まる4 コンプライアンス活動を改善すること
155
まる5 納税者サービスを向上させること
155
まる6 税制を改革し簡素化すること
156
まる7 パートナー及び利害関係者と協力すること
156
第5節 米国議会及びGAOにおけるタックス・ギャップへの取組み 157
1. GAOのタックス・ギャップに関するIRSの取組みに係る業績評価報告 157
2. GAOの業績評価報告書の構成 159
3. GAOの業績評価報告書におけるIRSへの勧告事項 160
4. その他のGAOの業績評価報告書及び米国議会からの報告書のテーマ 168
第6節 米国のタックス・ギャップの推計の評価 172
第3章 英国のタックス・ギャップの推計 174
第1節 最近の英国におけるタックス・ギャップの推計値の公表状況 174
1. 英国のタックス・ギャップの推計値(2010-11年度分) 174
2. 英国のタックス・ギャップの分析グラフ(2010-11年度分) 178
まる1 税目によるタックス・ギャップの構成比
178
まる2 納税者行動によるタックス・ギャップの構成比
178
第2節 英国のタックス・ギャップの推計の導入前の経緯 183
1. 内国歳入庁及び関税消費税庁におけるタックス・ギャップの推計 183
(1) 内国歳入庁の認識
183
(2) 関税消費税庁でのVATのタックス・ギャップの推計の試み
183
2. 英国会計検査院のタックス・ギャップの推計への認識 184
第3節 推計方法のアウトライン 184
1. VATのタックス・ギャップの推計方法 184
2. 個人所得税に係るタックス・ギャップの推計方法 185
3. 法人所得税に係るタックス・ギャップの推計方法 185
(1) 大企業サービス部(LBS)が所管する法人に対する推計
185
(2) 中小企業に対する推計
186
第4節 「Methodological Annex for Measuring Tax Gaps」での説明内容 186
1. VATギャップの推計方法 186
(1) 原則的な方法論
186
(2) グロスVTTLの計算
188
(3) 仮払消費税(input tax)の調整
188
(4) 控除額
189
まる1 VATの還付
189
まる2 合法的にVATに関し登録されない事業者の消費
190
(5) ネットVATの収受額
190
(6) VATギャップ
190
2. 個人所得税等のタックス・ギャップの推計方法 191
(1) 申告納税制度の対象となる個人
191
イ ランダム調査プログラムの推計
192
ロ 検証(Validation)
192
ハ タイミング
192
ニ 進行中の事案(On-going cases)
193
ホ 総体的な方法(Grossing methodology)
193
へ 滞納(Non-payment)
193
ト コンプライアンスの効果額(Compliance Yield)
194
チ ノンコンプライアンスの非把握に係る調整
194
リ 推計値の引上要因
194
(2) 事業主のコンプライアンス(Employer compliance)
195
イ ランダム調査プログラムの推計
195
ロ 検証(Validation)
196
ハ タイミング
196
ニ 進行中の事案(On-going cases)
196
ホ 総体的な方法(Grossing methodology)
196
へ 滞納(Non-payment)
196
ト コンプライアンスの効果額(Compliance Yield)
196
チ ノンコンプライアンスの非把握に係る調整
197
リ 推計値の引上要因
197
(3) 租税回避(Avoidance)
197
○ クォリティ保証(Quality Assurance)
199
(4) 無申告(Hidden economy)
199
○ 申告書を受領しない個人による所得とキャピタルゲインに係る無申告
199
3. 法人所得税のタックス・ギャップの推計方法 200
(1) 大企業サービス部により所管される企業
200
イ 概要
200
ロ クォリティ保証(Quality Assurance)
201
ハ 記録リスク(Recording Risk)
201
ニ 分類リスク(Classifying Risks)
202
ホ 未解決リスク(Open risks)
203
へ リスクの作用(Risk working)
204
(2) 中小企業
204
第5節 英国のタックス・ギャップの推計の評価 205
第4章 地下経済の状況等 207
第1節 地下経済とは 207
1. 地下経済の推計 207
2. 地下経済に対する諸外国の政府の考え方及び対応 210
第2節 地下経済にかかるOECD報告書 210
1. OECD報告書「地下経済におけるノンコンプライアンスの機会の削減」 210
(1) 地下経済への包括的戦略の共通点
210
(2) 電子支払システムに係るコンプライアンス
211
2. 本報告書の勧告 211
結びに代えて 213

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