平成25年12月
熊本国税局

相続税について、平成24事務年度(平成24年7月から平成25年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成22年中及び平成23年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は120件(前事務年度128件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は99件(前事務年度117件)で、非違割合は82.5%(前事務年度91.4%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は20億2千1百万円(前事務年度35億2千9百万円)で、実地調査1件当たりでは1,684万円(前事務年度2,757万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等5億2千8百万円(前事務年度11億6百万円)が最も多く、続いて有価証券3億2千3百万円(前事務年度3億2千1百万円)、土地2億3千1百万円(前事務年度5億6千5百万円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は2億5千万円(前事務年度3億6千2百万円)で、実地調査1件当たりでは208万円(前事務年度283万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

重加算税の賦課件数は7件(前事務年度13件)、賦課割合は7.1%(前事務年度11.1%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
128 120 93.8
2 申告漏れ等の非違件数
117 99 84.6
3 非違割合(2/1 ポイント
91.4 82.5 −8.9
4 重加算税賦課件数
13 7 53.8
5 重加算税賦課割合(4/2 ポイント
11.1 7.1 −4.0
6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
3,529 2,021 57.3
7 6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
291 119 40.9
8 追徴税額 本税 百万円 百万円
314 220 70.1
9 加算税 百万円 百万円
48 30 62.5
10 合計 百万円 百万円
362 250 69.1
11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(6/1 千円 千円
27,570 16,842 61.1
12 追徴税額(10/1 千円 千円
2,828 2,083 73.7

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の大分県内の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の推移を表したグラフ

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の大分県内相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の構成比の推移を表したグラフ

(付表3) 無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであり、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、平成25事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
13 8 61.5
2 申告漏れ等の非違件数
13 7 53.8
3 非違の割合(2/1 ポイント
100.0 87.5 −12.5
4 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
1,779 731 41.1
5 追徴税額 本税 百万円 百万円
83 36 43.4
6 加算税 百万円 百万円
15 7 46.7
7 合計 百万円 百万円
98 43 43.9
8 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(4/1 千円 千円
136,846 91,375 66.8
9 追徴税額(7/1 千円 千円
7,538 5,375 71.3

平成22事務年度から平成24事務年度の大分県内無申告事案に係る調査事績を表したグラフ

(付表4) 贈与税に係る調査事績

贈与税事案は、相続税の補完税としての適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、平成25事務年度も積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
38 36 94.7
2 申告漏れ等の非違件数
25 34 136.0
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
232 192 82.8
4 追徴税額 百万円 百万円
89 39 43.8
5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(3/1 千円 千円
6,105 5,333 87.4
6 追徴税額(4/1 千円 千円
2,342 1,083 46.2

1.調査事績に占める無申告事案の状況(平成24事務年度)

○ 国税庁では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。

左:平成24事務年度の大分県内贈与税の申告漏れ等の非違件数を表したグラフ 右:平成24事務年度大分県内の贈与税の申告漏れ課税価格を表したグラフ

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成24事務年度)

平成24事務年度の大分県内の贈与税の調査事績に係る申告漏れ財産の内訳を表したグラフ

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比。