1 所得税の調査等の状況

〇 件数は減少したものの、調査等合計の申告漏れ所得金額及び追徴税額の総額のほか、1件当たりの申告漏れ所得金額及び追徴税額も増加

  • 「実地調査」の1件当たりの申告漏れ所得金額及び追徴税額は過去最高
  • 「簡易な接触」の申告漏れ所得金額の総額、1件当たりの申告漏れ所得金額及び追徴税額は増加

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

  • 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」の合計件数は、7,651件(前事務年度14,461件)。うち申告漏れ等の非違があった件数は4,847件(同7,918件)となっています。
    • 実地調査の件数は、1,062件(同1,183件)。うち、特別調査・一般調査が957件(前事務年度954件)、着眼調査が105件(同229件)となっています。簡易な接触の件数は、6,589件(同13,278件)となっています。

(2) 申告漏れ所得(調査等の対象となった全ての年分の合計)金額の状況

  • 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」による申告漏れ所得金額は、177億31百万円(同159億45百万円)となっています。
    • 実地調査による申告漏れ所得金額は、105億67百万円(同96億93百万円)。うち特別調査・一般調査によるものは100億円(同90億18百万円)、着眼調査によるものは5億67百万円(同6億75百万円)となっています。
    • 簡易な接触による申告漏れ所得金額は71億64百万円(同62億52百万円)となっています。

(3) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

  • 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」による追徴税額は、22億35百万円(同20億50百万円)となっています。
    • 実地調査による追徴税額は、18億73百万円(同16億30百万円)。うち特別調査・一般調査によるものは18億41百万円(同15億61百万円)、着眼調査によるものは32百万円(同69百万円)となっています。実地調査による追徴税額を1件当たりでみると、176万円(同138万円)となっています。
    • 簡易な接触による追徴税額は3億62百万円(同4億20百万円)となっています。

(参考)

  1. 1 実地調査(特別調査・一般調査)とは、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行うもので、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる個人を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものです。
  2. 2 実地調査(着眼調査)とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で行う調査です。
  3. 3 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものです。

所得税の調査等の状況

区分
項目
実地調査 簡易な接触   調査等合計  
特別・一般   着眼    
対前年比 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比
1 調査等件数 954   229   1,183   13,278   14,461  
957 100.3% 105 45.9% 1,062 89.8% 6,589 49.6% 7,651 52.9%
2 申告漏れ等の非違件数 797   167   964   6,954   7,918  
792 99.4% 85 50.9% 877 91.0% 3,970 57.1% 4,847 61.2%
3 申告漏れ所得金額 百万円 9,018   675   9,693   6,252   15,945  
10,000 110.9% 567 84.0% 10,567 109.0% 7,164 114.6% 17,731 111.2%
4 追徴税額 本税 百万円 1,309   62   1,371   416   1,786  
1,538 117.5% 29 46.8% 1,567 114.3% 356 85.6% 1,923 107.7%
5 加算税 百万円 252   7   259   5   264  
302 119.8% 4 57.1% 306 118.1% 6 120.0% 312 118.2%
6 百万円 1,561   69   1,630   420   2,050  
1,841 117.9% 32 46.4% 1,873 114.9% 362 86.2% 2,235 109.0%
7 一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 945   295   819   47   110  
1,045 110.6% 540 183.1% 995 121.5% 109 231.9% 232 210.9%
8 追徴税額 本税 万円 137   27   116   3   12  
161 117.5% 27 100.0% 148 127.6% 5 166.7% 25 208.3%
9 加算税 万円 26   3   22   0.04   2  
32 123.1% 3 100.0% 29 131.8% 0.09 225.0% 4 200.0%
10 万円 164   30   138   3   14  
192 117.1% 31 103.3% 176 127.5% 5 166.7% 29 207.1%

(注)

  1. 1 令和5年7月から令和6年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である。
  3. 3 「簡易な接触」の件数には、更正の請求等に基づく減額更正や添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  4. 4 追徴税額(本税)には、復興特別所得税額を含む。
  5. 5 実地調査の件数は、所得税と消費税の実地調査件数である。

(参考)譲渡所得の調査等の状況

  • 所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数が、430件(前事務年度580件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数が、397件(同505件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、33億13百万円(同22億4百万円)となっています。
事務年度等
項目
4事務年度 5事務年度 対前年比
1
調査等件数 580 430 74.1
   土地建物等 420 195 46.4
 株式等 160 235 146.9
2  
申告漏れ等の非違件数 505 397 78.6
   土地建物等 349 165 47.3
 株式等 156 232 148.7
3 ポイント
非違割合
21
87.1 92.3 5.2
   土地建物等 83.1 84.6 1.5
 株式等 97.5 98.7 1.2
4 百万円 百万円
申告漏れ所得金額 2,204 3,313 150.3
   土地建物等 1,751 1,621 92.6
 株式等 453 1,692 373.5
5 万円 万円
1件当たり申告漏れ所得金額
41
380 770 202.6
   土地建物等 417 831 119.3
 株式等 283 720 254.4

(注)

  1. 1 土地建物等は、土地建物(分離譲渡所得)及び金地金等(総合譲渡所得)である。
  2. 2 土地建物等は、課税年分ごとに1件としている。