1 所得税の調査等の状況

 実地調査の件数は、回復傾向にあるが、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として低水準、一方、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を優先して調査し、1件当たりの追徴税額は増加

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

  • 実地調査の件数は、特別調査・一般調査が670件(前事務年度562件)、着眼調査が303件(同188件)であり、合計973件(同750件)、このほか、簡易な接触の件数は8,369件(同10,380件)となっています。
  • これらの調査等の合計件数は9,342件(同11,130件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は5,206件(同7,133件)となっています。

(2) 申告漏れ所得(調査等の対象となった全ての年分の合計)金額の状況

  • 実地調査による申告漏れ所得金額は、81億円(同61億48百万円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは73億46百万円(同58億9百万円)、着眼調査によるものは7億54百万円(同3億39百万円)となっています。
  • また、簡易な接触による申告漏れ所得金額は43億18百万円(同78億28百万円)となっており、調査等合計では124億18百万円(同139億76百万円)となっています。

(3) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

  • 実地調査による追徴税額は、13億40百万円(同12億1百万円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは12億95百万円(同11億82百万円)、着眼調査によるものは45百万円(同20百万円)となっています。
  • また、簡易な接触による追徴税額は2億60百万円(同4億40百万円)となっており、調査等合計では16億1百万円(同16億41百万円)となっています。

(参考)

  1. 1 実地調査(特別調査・一般調査)とは、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行うもので、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる個人を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものです。
  2. 2 実地調査(着眼調査)とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で行う調査です。
  3. 3 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものです。

所得税の調査等の状況

区分
項目
実地調査 簡易な接触   調査等合計  
特別・一般   着眼    
対前年比 対前年比 対前年比 対前年比 対前年比
1 調査等件数 562   188   750   10,380   11,130  
670 119.2% 303 161.2% 973 129.7% 8,369 80.6% 9,342 83.9%
2 申告漏れ等の非違件数 508   119   627   6,506   7,133  
603 118.7% 195 163.9% 798 127.3% 4,408 67.8% 5,206 73.0%
3 申告漏れ所得金額 百万円 5,809   339   6,148   7,828   13,976  
7,346 126.5% 754 222.4% 8,100 131.8% 4,318 55.2% 12,418 88.9%
4 追徴税額 本税 百万円 982   18   999   438   1,438  
1,085 110.5% 41 227.8% 1,126 112.7% 258 58.9% 1,384 96.2%
5 加算税 百万円 200   2   202   2   203  
210 105.0% 4 200.0% 214 105.9% 3 150.0% 217 106.9%
6 百万円 1,182   20   1,201   440   1,641  
1,295 109.6% 45 225.0% 1,340 111.6% 260 59.1% 1,601 97.6%
7 一件当たり 申告漏れ所得金額 万円 1,034   180   820   75   126  
1,096 106.0% 249 138.3% 832 101.5% 52 69.3% 133 105.6%
8 追徴税額 本税 万円 175   9   133   4   13  
162 92.6% 13 144.4% 116 87.2% 3 75.0% 15 115.4%
9 加算税 万円 36   1   27   0.02   2  
31 86.1% 1 100.0% 22 81.5% 0.03 150.0% 2 100.0%
10 万円 210   10   160   4   15  
193 91.9% 15 150.0% 138 86.3% 3 75.0% 17 113.3%

(注)

  1. 1 令和3年7月から令和4年6月までの間の実績で、いずれも調査等の対象となった全ての年分の合計の計数である。
  2. 2 上段は、前事務年度の計数である(上段・下段どちらも、資産課税部門職員の行った調査等の計数を含む。)。
  3. 3 「簡易な接触」の件数には、添付書類の未提出に対する提出依頼を行った件数等を含む。
  4. 4 追徴税額(本税)には、復興特別所得税額を含む。
  5. 5 実地調査の件数は、所得税と消費税の実地調査件数である。

(参考) 譲渡所得の調査等の状況

所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数が、335件(前事務年度422件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数が、253件(同339件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、10億80百万円(同15億12百万円)となっています。

事務年度等
項目
2事務年度 3事務年度 対前年比
1
調査等件数 422 335 79.4
   土地建物等 384 270 70.3
 株式等 38 65 171.1
2  
申告漏れ等の非違件数 339 253 74.6
   土地建物等 303 194 64.0
 株式等 36 59 163.9
3 ポイント
非違割合
21
80.3 75.5 ▲ 4.8
   土地建物等 78.9 71.9 ▲ 7.0
 株式等 94.7 90.8 ▲ 3.9
4 百万円 百万円
申告漏れ所得金額 1,512 1,080 71.4
   土地建物等 1,224 758 61.9
 株式等 288 321 111.5
5 万円 万円
1件当たり申告漏れ所得金額
41
358 322 89.9
   土地建物等 319 281 88.1
 株式等 758 494 65.2

(注)

  1. 1 土地建物等は、土地建物(分離課税所得)及び金地金等(総合譲渡所得)である。
  2. 2 土地建物等は、課税年分ごとに1件としている。