相続税について、平成25事務年度(平成25年7月から平成26年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

 調査の総件数は 286件
 申告漏れ等の非違があった件数は 254件

相続税の実地調査については、平成23年中及び平成24年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。

実地調査の件数は286件(前事務年度273件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は254件(前事務年度247件)で、非違割合は88.8%(前事務年度90.5%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

 申告漏れ課税価格は  61億8,000万円

申告漏れ課税価格は61億8,000万円(前事務年度75億1,100万円)で、実地調査1件当たりでは2,161万円(前事務年度2,751万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

 申告漏れ相続財産の金額の内訳は
 現金・預貯金等 27億1,700万円
 土地 6億5,700万円
 有価証券 4億6,500万円

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等27億1,700万円(前事務年度31億700万円)が最も多く、続いて土地6億5,700万円(前事務年度12億900万円)、有価証券4億6,500万円(前事務年度7億6,400万円)の順となっています。

4 追徴税額

 追徴税額は 9億2,200万円

追徴税額(加算税を含む。)は9億2,200万円(前事務年度12億3,100万円)で、実地調査1件当たりでは322万円(前事務年度451万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数

 重加算税の賦課件数は 29件

重加算税の賦課件数は29件(前事務年度24件)、賦課割合は11.4%(前事務年度9.7%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成24事務年度 平成25事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
273 286 104.8
2 申告漏れ等の非違件数
247 254 102.8
3 非違割合
(2/1
ポイント
90.5 88.8 プラス1.7
4 重加算税賦課件数
24 29 120.8
5 重加算税賦課割合
4/2
ポイント
9.7 11.4 1.7
6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
7,511 6,180 82.3
7 6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
705 787 111.6
8 追徴税額 本税 百万円 百万円
1,072 794 74.1
9 加算税 百万円 百万円
159 128 80.5
10 合計 百万円 百万円
1,231 922 74.9
11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
6/1
万円 万円
2,751 2,161 78.6
12 追徴税額
10/1
万円 万円
451 322 71.4

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1)

平成21事務年度から平成25事務年度の申告漏れ相続財産の金額の推移のグラフ、平成25事務年度 土地657百万円。有価証券465百万円、現金・預貯金等2717億円、家屋121億円、その他1925億円。

(付表2)

平成21事務年度から平成25事務年度の申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移のグラフ、平成25事務年度 土地11.1%、有価証券7.9%、現金・預貯金46.2%、家屋2.1%、その他32.7%。

無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであり、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、本事務年度においてもその把握に積極的に取り組みます。

事務年度 平成24事務年度 平成25事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
24 18 75.0
2 申告漏れ等の非違件数
21 15 71.4
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
2,911 1,850 63.6
4 追徴税額 本税 百万円 百万円
174 82 47.1
5 加算税 百万円 百万円
37 16 43.2
6 合計 百万円 百万円
211 98 46.4
7 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
3/1
万円 万円
12,129 10,278 84.7
8 追徴税額
6/1
万円 万円
879 544 61.9

国税局においては、悪質な無申告者に対して実地による税務調査を適切に実施する一方で、納税者の自発的な納税義務の履行支援等を目的とした実地調査以外の多様な手法を効果的・効率的に活用し、適正申告の確保に努めています。
 その一環として、税務署が保有する情報から相続税の無申告が想定される者に対し、無申告理由のお尋ね等による書面照会を行うなど、自発的な期限後申告書の提出を促す取組も実施しております。

贈与税に係る調査事績

国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、本事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。
 また、納税者の自発的な納税義務の履行支援等を目的とした実地調査以外の多様な手法を効果的・効率的に活用し、適正申告の確保に努めています。

事務年度 平成24事務年度 平成25事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
188 155 82.4
2 申告漏れ等の非違件数
178 146 82.0
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
819 566 69.1
4 追徴税額 百万円 百万円
202 119 58.9
5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
3/1
万円 万円
436 365 83.7
6 追徴税額
4/1
万円 万円
107 77 72.0

1.調査事績に占める無申告事案の状況(平成25事務年度)

○ 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。

<「申告漏れ等の非違件数」の状況>

申告有14.4% 無申告85.6%

<「申告漏れ課税価格」の状況>

申告有4.2% 無申告95.8%

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成25事務年度)

平成25事務年度の調査事績に係る申告漏れ財産の内訳のグラフ。土地(約70百万円(12.4%)) 家屋(約6百万円(1.1%)) 有価証券(約10百万円(1.8%)) 現金・預貯金等(約419百万円(74.0%)) その他(約61百万円(10.7%))

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比。