所得税及び個人事業者の消費税について、平成21事務年度(平成21年7月から平成22年6月までの間)に実施した調査等の状況をまとめましたので報告します。

1 所得税(譲渡所得調査等分を除く)

(1) 調査等件数の状況

調査等の合計件数は 13,078件

所得税の税務調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれるものを対象に深度ある調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、申告漏れ所得等の把握を実地により短期間で行う着眼調査を実施しています(以下「実地調査」という。)。
 このほか、文書又は来署依頼による面接等により、計算誤りや所得(税額)控除の適用誤りがあるものを是正するなどの接触(以下「簡易な接触」という。)を実施しています。
 このように事案に応じた的確な調査等(「実地調査」及び「簡易な接触」)を実施し、適正・公平な課税に努めています。
 その結果、これらの調査等の合計件数は、13,078件であり、前事務年度の13,737件に比べ4.8%減少しています。
 また、調査等の合計件数の内訳としては、特別調査・一般調査が1,597件(前事務年度1,797件)、着眼調査が3,204件(前事務年度1,507件)であり、簡易な接触の件数については、8,277件(前事務年度10,433件)となっています。

(2) 申告漏れ等の非違があった件数の状況

申告漏れ等の非違件数は 10,922件

調査等の合計件数のうち申告漏れ等の非違があった件数は、10,922件であり、前事務年度の10,978件に比べ0.5%減少しています。

(3) 申告漏れ所得金額の状況

申告漏れ所得金額は 223億6,300万円

調査等による申告漏れ所得金額(調査等の対象となったすべての年分の合計)は、223億6,300万円であり、前事務年度255億5,200万円に比べ12.5%減少しています。
 このうち特別調査・一般調査によるものは90億2,400万円(前事務年度140億1,400万円)、着眼調査によるものは47億3,300万円(前事務年度25億7,700万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは86億600万円(前事務年度 89億6,000万円)となっています。

(4) 追徴税額の状況

追徴税額は 20億3,700万円

追徴税額(調査等の対象となったすべての年分の合計で加算税を含む。)は、20億3,700万円であり、前事務年度の31億9,300万円に比べ36.2%減少しています。
 このうち特別調査・一般調査によるものは14億3,000万円(前事務年度26億3,800万円)、着眼調査によるものは3億7,200万円(前事務年度1億600万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは2億3,500万円(前事務年度4億4,900万円)となっています。

2 所得税(譲渡所得調査等分)

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

調査等の合計件数は 1,760件
申告漏れ等の非違件数は 1,055件

所得税(譲渡所得調査等分)については、あらゆる機会を利用して収集した各種資料情報を活用し、申告のないもの又は申告額が過少であると認められるものを対象に、高額あるいは悪質と見込まれるものを優先して調査等を実施しています。
 調査等の合計件数は、1,760件であり、前事務年度の2,153件に比べ18.3%減少しています。
 申告漏れ等の非違があった件数は、1,055件であり、前事務年度の1,432件に比べ26.3%減少しています。

(2) 申告漏れ所得金額の状況

申告漏れ所得金額は 44億2,600万円

調査等による申告漏れ所得金額(調査等の対象となったすべての年分の合計)は、44億2,600万円であり、前事務年度の55億6,200万円に比べ20.4%減少しています。

3 消費税

(1) 調査等件数の状況

調査等の合計件数は 2,303件

消費税(個人事業者)の調査等については、課税事業者又は課税事業者と認められる者を対象に、原則として所得税の調査等と同時に実施することとしておりますが、消費税のみ無申告とする納税者に対しては、着眼調査や簡易な接触により適正課税に努めています。
 これらの調査等の合計件数は、2,303件であり、前事務年度の2,625件に比べ12.3%減少しています。
 このうち、特別調査・一般調査が1,056件(前事務年度1,225件)、着眼調査は931件(前事務年度837件)であり、簡易な接触の件数は316件(前事務年度563件)となっています。

(2) 申告漏れ等の非違があった件数の状況

申告漏れ等の非違件数は 1,810件

調査等の合計件数のうち申告漏れ等の非違があった件数は、1,810件であり、前事務年度の2,013件に比べ10.1%減少しています。

(3) 追徴税額の状況

追徴税額は 4億3,700万円

追徴税額(調査等の対象となったすべての年分の合計で加算税を含む。)は、全体で4億3,700万円であり、前事務年度の5億9,300万円に比べ26.3%減少しています。
 このうち特別調査・一般調査によるものは2億6,300万円(前事務年度3億8,900万円)、着眼調査によるものは1億4,600万円(前事務年度1億4,300万円)となっています。
 また、簡易な接触によるものは2,800万円(前事務年度6,100万円)となっています。