1 相続税申告事績

平成21年中(平成21年1月1日から平成21年12月31日)に亡くなった人(被相続人)から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る申告事績(平成22年10月31日までに提出された申告書で相続税額のあるもの)の概要は次のとおりです。

  • (1) 被相続人数及び課税割合
     被相続人数は30,913人(前年30,735人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は925人(同999人)で、課税割合は3.0%(同3.3%)となっています。

平成6年分から平成21年分の相続税の課税割合の推移のグラフ。

  • (2) 課税価格及び税額
     課税価格は、1,775億3,600万円(前年1,922億3,600万円)、これを被相続人1人当たりで見ると、1億9,193万円(同1億9,243万円)、また、税額は163億7,300万円(同158億9,700万円)、これを被相続人1人当たりで見ると、1,770万円(同1,591万円)となっております。

平成6年分から平成21年分の相続税の課税価格及び税額の推移のグラフ。

  • (3) 相続財産価額の構成比
     相続財産価額の構成比は、土地が43.4%(前年44.2%)、現金・預貯金等が22.1%(同21.5%)、有価証券が14.8%(同14.9%)の順となっています。

平成12年分から平成21年分の相続財産の金額の構成比の推移のグラフ、平成21年分、土地43.4%、家屋5.3%、有価証券14.8%、現金、預貯金等22.1%、その他14.4%。

2 相続税調査事績

平成21事務年度(平成21年7月1日から平成22年6月30日)における相続税の調査は、平成19年中に発生した相続税を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しており、概要は次のとおりです。

  • (1) 調査件数及び申告漏れ等の非違件数
     調査の件数は307件(前事務年度302件)、そのうち申告漏れ等の非違件数は285件(同286件)、非違割合は92.8%(同94.7%)となっています。
  • (2) 申告漏れ課税価格
     申告漏れ課税価格は91億9,800万円(前事務年度94億1,900万円)、申告漏れ1件当たりでは3,227万円(同3,293万円)となっています。
  • (3) 申告漏れ相続財産の金額の内訳
     申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等が33億4,800万円(前事務年度27億7,200万円)で最も多く、続いて有価証券が15億2,700万円(同17億700万円)、土地が13億6,300万円(同12億5,400万円)の順となっています。

平成15年分から平成21年分の申告漏れ相続財産の金額の推移のグラフ。

(注)

  • 申告漏れ相続財産の金額には、債務・葬式費用の控除の減算額及び相続開始3年内贈与分の加算額は含まれていない。
  • (4) 追徴税額
     追徴税額(加算税を含む。)は17億300万円(前事務年度18億8,600万円)、申告漏れ1件当たりでは598万円(同659万円)となっています。
  • (5) 重加算税の賦課件数等
     重加算税の賦課件数は56件(前事務年度37件)、賦課割合は19.6%(同12.9%)、重加算税賦課対象課税価格は21億8,700万円(同8億5,600万円)となっています。

(別表1) 相続税の申告事績

年分 平成20年分 平成21年分  
項目 対前年比
1 被相続人数(死亡者数)
30,735 30,913 100.6
2 相続税の申告書
(相続税額があるもの)
の提出に係る被相続人数
999 925 92.6
3 課税割合(2/1) ポイント
3.3 3.0 ▲0.3
4 相続税の納税者である相続人数
2,425 2,187 90.2
5 課税価格 百万円 百万円
192,236 177,536 92.4
6 税額 百万円 百万円
15,897 16,373 103.0
7 被相続人1人当たり 課税価格(5/2) 万円 万円
19,243 19,193 99.7
8 税額(6/2) 万円 万円
1,591 1,770 111.2

(注)

  • 1 平成20年分は、平成21年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」(株式等納税猶予の特例の創設に伴い申告期限が平成22年2月1日まで延長されている者については同日までに提出された申告書を含む。)に基づいて作成しており、平成21年分は平成22年10月31日までに提出された「申告書(修正申告書を除く。)」のうち入力されたデータ(速報値)に基づいて作成している。
  • 2 「課税価格」は、相続財産価額から、被相続人の債務、葬式費用を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から相続人等への生前贈与財産価額及び相続時精算課税適用財産価額を加えたものである。
  • 3 「被相続人数(死亡者数)」は、厚生労働省統計情報部「人口動態統計」による。

(別表2) 相続税の調査事績

事務年度 平成20事務年度 平成21事務年度  
項目 対前事務年度比
1 調査件数
302 307 101.7
2 申告漏れ等の非違件数
286 285 99.7
3 非違割合(2/1) ポイント
94.7 92.8 ▲1.9
4 非加算税賦課件数
37 56 151.4
5 重加算税賦課割合(4/2) ポイント
12.9 19.6 6.7
6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
9,419 9,198 97.7
7 6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
856 2,187 255.5
8 追徴税額 本税 百万円 百万円
1,657 1,416 85.5
9 加算税 百万円 百万円
229 287 125.3
10 合計 百万円 百万円
1,886 1,703 90.3
11 1件当たり申告漏れ 申告漏れ課税価格(6/2) 万円 万円
3,293 3,227 98.0
12 追徴税額(10/2) 万円 万円
659 598 90.7

(注)

  •  「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、 被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から 法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。