平成25年11月
広島国税局

相続税について、平成24事務年度(平成24年7月から平成25年6月までの間)に実施した調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成22年中及び平成23年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
実地調査の件数は597件(平成23事務年度725件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は496件(平成23事務年度563件)で、非違割合は83.1%(平成23事務年度77.7%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は163億円(平成23事務年度220億円)で、実地調査1件当たりでは2,730万円(平成23事務年度3,031万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等65億円(平成23事務年度90億円)が最も多く、続いて土地26億円(平成23事務年度31億円)、有価証券18億円(平成23事務年度32億円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は24億円(平成23事務年度31億円)で、実地調査1件当たりでは397万円(平成23事務年度425万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

重加算税の賦課件数は65件(平成23事務年度106件)、賦課割合は13.1%(平成23事務年度18.8%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
725 597 82.3
2 申告漏れ等の非違件数
563 496 88.1
3 非違割合(2/1) ポイント
77.7 83.1 5.4
4 重加算税賦課件数
106 65 61.3
5 重加算税賦課割合(4/2) ポイント
18.8 13.1 −5.7
6 申告漏れ課税価格 億円 億円
220 163 74.2
7 6のうち重加算税賦課対象 億円 億円
33 19 57.1
8 追徴税額 本税 億円 億円
26 21 78.5
9 加算税 億円 億円
4 3 68.2
10 合計 億円 億円
31 24 76.9
11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(6/1) 万円 万円
3,031 2,730 90.0
12 追徴税額(10/1) 万円 万円
425 397 93.4

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の推移を表したグラフ

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

平成20事務年度から平成24事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の構成比の推移を表したグラフ

(付表3) 海外資産関連事案に係る調査事績

納税者の資産運用の国際化に対応し、相続税の適正な課税を実現するため、相続税調査の実施に当たっては、租税条約等に基づく情報交換制度を効果的に活用するなど、海外資産の把握に努めています。資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案など、海外資産関連事案については、平成25事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
25 19 76.0
2 海外資産に係る申告漏れ等の非違件数 21 14 66.7
4 4 100.0
3 海外資産に係る重加算税賦課件数 3 2 66.7
0 0 -
4 海外資産に係る申告漏れ課税価格 675 百万円 226 百万円 33.5
237 23 9.7
5 4のうち重加算税賦課対象 28 百万円 9 百万円 32.1
0 0 -
6 非違1件当たりの申告漏れ課税価格(42 万円 万円
5,931 575 9.7

(注) 左肩数は、国内資産に係る非違も含めた計数を示す。

(注) 海外資産関連事案とは、1相続又は遺贈により取得した財産のうちに海外資産が存するもの、1相続人、受遺者又は被相続人が日本国外に居住する者であるもの、1海外資産等に関する資料情報があるもの、4外資系金融機関との取引のあるもののいずれかに該当する事案をいう。

平成20事務年度から平成24事務年度の海外資産関連事案に係る調査事績を表したグラフ

(付表4) 無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであることから、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、平成25事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
163 83 50.9
2 申告漏れ等の非違件数
100 67 67.0
3 非違の割合(21 ポイント
61.3 80.7 19.4
4 申告漏れ課税価格 億円 億円
108 73 67.5
5 追徴税額 本税 百万円 百万円
373 265 71.0
6 加算税 百万円 百万円
80 55 68.8
7 合計 百万円 百万円
453 320 70.6
8 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(3/1) 万円 万円
6,628 8,783 132.5
9 追徴税額(6/1) 万円 万円
278 386 138.7

平成24事務年度の調査事績に占める無申告事案の状況を表した図

(付表5) 贈与税に係る調査事績

国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、平成25事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。

事務年度 平成23事務年度 平成24事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
283 338 119.4
2 申告漏れ等の非違件数
266 251 94.4
3 申告漏れ課税価格 億円 億円
16 9 59.5
4 追徴税額 億円 億円
5 2 38.9
5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(3/1) 万円 万円
550 274 49.8
6 追徴税額(4/1) 万円 万円
164 53 32.6

1 調査事績に占める無申告事案の状況(平成24事務年度)

 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の無申告事案の積極的な調査に努めています。

平成24事務年度の調査事績に占める無申告事案の状況を表した図

2 調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成24事務年度)

平成24事務年度の調査事績に係る申告漏れ財産の内訳を表した図